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2008.07.28

旧会社法(旧商法第2編会社)の規定

旧会社法(旧商法第2編会社)の規定

(平成17年法律第87号による商法の一部改正前の条文)

  注:漢数字は算用数字に変換済

平井利明のメモ

商法 
第2編 会社

第1章 総則

第52条 本法ニ於テ会社トハ商行為ヲ為スヲ業トスル目的ヲ以テ設立シタル社団ヲ謂フ
2 営利ヲ目的トスル社団ニシテ本編ノ規定ニ依リ設立シタルモノハ商行為ヲ為スヲ業トセザルモ之ヲ会社ト看做ス

第53条 会社ハ合名会社、合資会社及株式会社ノ3種トス

第54条 会社ハ之ヲ法人トス
2 会社ノ住所ハ其ノ本店ノ所在地ニ在ルモノトス

第55条 会社ハ他ノ会社ノ無限責任社員ト為ルコトヲ得ズ

第56条 会社ハ合併ヲ為スコトヲ得
2 合併ヲ為ス会社ノ一方又ハ双方ガ株式会社ナルトキハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ハ株式会社ナルコトヲ要ス
3 合併ニ因リテ会社ヲ設立スル場合ニ於テハ各会社ヲ代表スベキ社員又ハ取締役定款ニ署名又ハ第33条ノ2第2項ノ署名ニ代フル措置ヲ為スコトヲ要ス

第57条 会社ハ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スニ因リテ成立ス

第58条 裁判所ハ左ノ場合ニ於テ公益ヲ維持スル為会社ノ存立ヲ許スベカラザルモノト認ムルトキハ法務大臣又ハ株主、債権者其ノ他ノ利害関係人ノ請求ニ依リ会社ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
 1 会社ノ設立ガ不法ノ目的ヲ以テ為サレタルトキ
 2 会社ガ正当ノ事由ナクシテ其ノ成立後1年内ニ開業ヲ為サズ又ハ1年以上営業ヲ休止シタルトキ
 3 会社ノ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ガ法務大臣ヨリ書面ニ依ル警告ヲ受ケタルニ拘ラズ法令若ハ定款ニ定ムル会社ノ権限ヲ踰越シ若ハ濫用スル行為又ハ刑罰法令ニ違反スル行為ヲ継続又ハ反覆シタルトキ
2 前項ノ請求アリタル場合ニ於テハ裁判所ハ解散ノ命令前ト雖モ法務大臣若ハ株主、債権者其ノ他ノ利害関係人ノ請求ニ依リ又ハ職権ヲ以テ管理人ノ選任其ノ他会社財産ノ保全ニ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得

第59条 株主、債権者其ノ他ノ利害関係人ガ前条第1項ノ請求ヲ為シタルトキハ裁判所ハ会社ノ請求ニ依リ相当ノ担保ヲ供スベキコトヲ命ズルコトヲ得
2 会社ガ前項ノ請求ヲ為スニハ前条第1項ノ請求ガ悪意ニ出デタルモノナルコトヲ疎明スルコトヲ要ス

第60条 削除

第61条 本編ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ニシテ官庁ノ許可ヲ要スルモノハ其ノ許可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス

第2章 合名会社

第1節 設立

第62条 合名会社ヲ設立スルニハ定款ヲ作ルコトヲ要ス

第63条 合名会社ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 目的
 2 商号
 3 社員ノ氏名及住所
 4 本店及支店ノ所在地
 5 社員ノ出資ノ目的及其ノ価格又ハ評価ノ標準
2 定款ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ各社員之ニ署名スルコトヲ要ス
3 第33条ノ2ノ規定ハ定款ニ之ヲ準用ス

第64条 合名会社ノ設立ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 1 前条第1項第1号乃至第3号ニ掲グル事項
 2 本店及支店
 3 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
 4 削除 5 社員ニシテ会社ヲ代表セザル者アルトキハ会社ヲ代表スベキ者ノ氏名
 6 数人ノ社員ガ共同シテ会社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
2 会社ハ設立ノ登記ヲ為シタル後2週間内ニ支店ノ所在地ニ於テ前項ニ掲グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス

第65条 会社ノ成立後支店ヲ設ケタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間内ニ支店ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ前条第1項ニ掲グル事項ヲ登記シ他ノ支店ノ所在地ニ於テハ同期間内ニ其ノ支店ヲ設ケタルコトヲ登記スルコトヲ要ス
2 本店又ハ支店ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄区域内ニ於テ新ニ支店ヲ設ケタルトキハ其ノ支店ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル

第66条 会社ガ其ノ本店ヲ移転シタルトキハ2週間内ニ旧所在地ニ於テハ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ第64条第1項ニ掲グル事項ヲ登記シ其ノ支店ヲ移転シタルトキハ旧所在地ニ於テハ3週間内ニ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ4週間内ニ第64条第1項ニ掲グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
2 同一ノ登記所ノ管轄区域内ニ於テ本店又ハ支店ヲ移転シタルトキハ其ノ移転ノ登記ヲ為スヲ以テ足ル

第67条 第64条第1項ニ掲グル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ変更ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第67条ノ2 社員ノ業務ノ執行ヲ停止シ若ハ之ヲ代行スル者ヲ選任スル仮処分又ハ其ノ仮処分ノ変更若ハ取消アリタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第2節 会社ノ内部ノ関係

第68条 会社ノ内部ノ関係ニ付テハ定款又ハ本法ニ別段ノ定ナキトキハ組合ニ関スル民法ノ規定ヲ準用ス

第69条 社員ガ債権ヲ以テ出資ノ目的ト為シタル場合ニ於テ債務者ガ弁済期ニ弁済ヲ為サザリシトキハ社員ハ其ノ弁済ノ責ニ任ズ此ノ場合ニ於テハ其ノ利息ヲ支払フ外尚損害ノ賠償ヲ為スコトヲ要ス

第70条 各社員ハ定款ニ別段ノ定ナキトキハ会社ノ業務ヲ執行スル権利ヲ有シ義務ヲ負フ

第70条ノ2 第67条ノ2ノ業務代行者ハ仮処分命令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外会社ノ常務ニ属セサル行為ヲ為スコトヲ得ズ但シ特ニ裁判所ノ許可ヲ得タル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
2 業務代行者前項ノ規定ニ違反シタルトキト雖モ会社ハ善意ノ第三者ニ対シテ其ノ責ニ任ズ

第71条 支配人ノ選任及解任ハ特ニ業務執行社員ヲ定メタルトキト雖モ社員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス

第72条 定款ノ変更其ノ他会社ノ目的ノ範囲内ニ在ラサル行為ヲ為スニハ総社員ノ同意アルコトヲ要ス

第73条 社員ハ他ノ社員ノ承諾アルニ非ザレバ其ノ持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ譲渡スコトヲ得ズ

第74条 社員ハ他ノ社員ノ承諾アルニ非ザレバ自己若ハ第三者ノ為ニ会社ノ営業ノ部類ニ属スル取引ヲ為シ又ハ同種ノ営業ヲ目的トスル他ノ会社ノ無限責任社員、取締役若ハ執行役ト為ルコトヲ得ズ
2 社員ガ前項ノ規定ニ違反シテ自己ノ為ニ取引ヲ為シタルトキハ他ノ社員ハ過半数ノ決議ニ依リ之ヲ以テ会社ノ為ニ為シタルモノト看做スコトヲ得
3 前項ニ定ムル権利ハ他ノ社員ノ1人ガ其ノ取引ヲ知リタル時ヨリ2週間之ヲ行使セサルトキハ消滅ス取引ノ時ヨリ1年ヲ経過シタルトキ亦同ジ

第75条 社員ハ他ノ社員ノ過半数ノ決議アリタルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ為ニ会社ト取引ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第108条ノ規定ヲ適用セズ
2 会社ガ社員ノ債務ヲ保証シ其ノ他社員以外ノ者トノ間ニ於テ会社ト社員トノ利益相反スル取引ヲ為スニハ他ノ社員ノ過半数ノ決議アルコトヲ要ス

第3節 会社ノ外部ノ関係

第76条 業務ヲ執行スル社員ハ各自会社ヲ代表ス但シ定款又ハ総社員ノ同意ヲ以テ業務執行社員中特ニ会社ヲ代表スベキ者ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ

第77条 会社ハ定款又ハ総社員ノ同意ヲ以テ数人ノ社員ガ共同シテ会社ヲ代表スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得
2 第39条第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第78条 会社ヲ代表スベキ社員ハ会社ノ営業ニ関スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
2 民法第44条第1項及第54条ノ規定ハ合名会社ニ之ヲ準用ス

第79条 会社ガ社員ニ対シ又ハ社員ガ会社ニ対シ訴ヲ提起スル場合ニ於テ其ノ訴ニ付会社ヲ代表スベキ社員ナキトキハ他ノ社員ノ過半数ノ決議ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ要ス

第80条 会社財産ヲ以テ会社ノ債務ヲ完済スルコト能ハザルトキハ各社員連帯シテ其ノ弁済ノ責ニ任ズ
2 会社財産ニ対スル強制執行ガ其ノ効ヲ奏セザルトキ亦前項ニ同ジ
3 前項ノ規定ハ社員ガ会社ニ弁済ノ資力アリ且執行ノ容易ナルコトヲ証明シタルトキハ之ヲ適用セズ

第81条 社員ハ会社ニ属スル抗弁ヲ以テ会社ノ債権者ニ対抗スルコトヲ得
2 会社ガ其ノ債権者ニ対シ相殺権、取消権又ハ解除権ヲ有スル場合ニ於テハ社員ハ其ノ者ニ対シ債務ノ履行ヲ拒ムコトヲ得

第82条 会社ノ成立後加入シタル社員ハ其ノ加入前ニ生ジタル会社ノ債務ニ付テモ亦責任ヲ負フ

第83条 社員ニ非ザル者ニ自己ヲ社員ナリト誤認セシムベキ行為アリタルトキハ其ノ者ハ誤認ニ基キテ会社ト取引ヲ為シタル者ニ対シ社員ト同一ノ責任ヲ負フ

第4節 社員ノ退社

第84条 定款ヲ以テ会社ノ存立時期ヲ定メザリシトキ又ハ或社員ノ終身間会社ノ存続スベキコトヲ定メタルトキハ各社員ハ営業年度ノ終ニ於テ退社ヲ為スコトヲ得但シ6月前ニ其ノ予告ヲ為スコトヲ要ス
2 会社ノ存立時期ヲ定メタルト否トヲ問ハズ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ各社員ハ何時ニテモ退社ヲ為スコトヲ得

第85条 前条及第91条第1項ニ定ムル場合ノ外社員ハ左ノ事由ニ因リテ退社ス
 1 定款ニ定メタル事由ノ発生
 2 総社員ノ同意
 3 死亡
 4 破産手続開始ノ決定
 5 後見開始ノ審判ヲ受ケタルコト
 6 除名

第86条 社員ニ付左ノ事由アルトキハ会社ハ他ノ社員ノ過半数ノ決議ヲ以テ其ノ社員ノ除名又ハ業務執行権若ハ代表権ノ喪失ノ宣告ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
 1 出資ノ義務ヲ履行セザルコト
 2 第74条第1項ノ規定ニ違反シタルコト
 3 業務ヲ執行スルニ当リ不正ノ行為ヲ為シ又ハ権利ナクシテ業務ノ執行ニ干与シタルコト
 4 会社ヲ代表スルニ当リ不正ノ行為ヲ為シ又ハ権利ナクシテ会社ヲ代表シタルコト
 5 其ノ他重要ナル義務ヲ尽ササルコト
2 社員ガ業務ヲ執行シ又ハ会社ヲ代表スルニ著シク不適任ナルトキハ会社ハ前項ノ規定ニ従ヒ其ノ社員ノ業務執行権又ハ代表権ノ喪失ノ宣告ヲ請求スルコトヲ得
3 社員ノ除名又ハ業務執行権若ハ代表権ノ喪失ノ判決確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第87条 除名セラレタル社員ト会社トノ間ノ計算ハ除名ノ訴ヲ提起シタル時ニ於ケル会社財産ノ状況ニ従ヒテ之ヲ為シ且其ノ時ヨリ法定利息ヲ附スルコトヲ要ス

第88条 第86条ノ訴ハ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ専属ス

第89条 退社員ハ労務又ハ信用ヲ以テ出資ノ目的ト為シタルトキト雖モ其ノ持分ノ払戻ヲ受クルコトヲ得但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第90条 社員ノ持分ノ差押ハ社員ガ将来利益ノ配当及持分ノ払戻ヲ請求スル権利ニ対シテモ亦其ノ効力ヲ有ス

第91条 社員ノ持分ヲ差押ヘタル債権者ハ営業年度ノ終ニ於テ其ノ社員ヲ退社セシムルコトヲ得但シ会社及其ノ社員ニ対シ6月前ニ其ノ予告ヲ為スコトヲ要ス
2 前項但書ノ予告ハ社員ガ弁済ヲ為シ又ハ相当ノ担保ヲ供シタルトキハ其ノ効力ヲ失フ

第92条 会社ノ商号中ニ退社員ノ氏又ハ氏名ヲ用ヒタルトキハ退社員ハ其ノ氏又ハ氏名ノ使用ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得

第93条 退社員ハ本店ノ所在地ニ於テ退社ノ登記ヲ為ス前ニ生ジタル会社ノ債務ニ付責任ヲ負フ
2 前項ノ責任ハ前項ノ登記後2年内ニ請求又ハ請求ノ予告ヲ為サザル会社ノ債権者ニ対シテハ登記後2年ヲ経過シタルトキ消滅ス
3 前2項ノ規定ハ持分ヲ譲渡シタル社員ニ之ヲ準用ス

第5節 解散

第94条 会社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
 1 存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生
 2 総社員ノ同意
 3 会社ノ合併
 4 社員ガ1人ト為リタルコト
 5 会社ニ付テノ破産手続開始ノ決定
 6 解散ヲ命ズル裁判

第95条 前条第1号又ハ第2号ノ場合ニ於テハ社員ノ全部又ハ一部ノ同意ヲ以テ会社ヲ継続スルコトヲ得但シ同意ヲ為サザリシ社員ハ退社シタルモノト看做ス
2 前条第4号ノ場合ニ於テハ新ニ社員ヲ加入セシメテ会社ヲ継続スルコトヲ得

第96条 会社ガ解散シタルトキハ合併及破産手続開始ノ決定ニ因ル解散ノ場合ヲ除クノ外本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ解散ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第97条 会社ハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ為シタル後ト雖モ第95条ノ規定ニ従ヒテ会社ヲ継続スルコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ継続ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第98条 会社ガ合併ヲ為スニハ総社員ノ同意アルコトヲ要ス
2 解散後ノ会社ハ存立中ノ会社ヲ存続スル会社トスル場合ニ限リ合併ヲ為スコトヲ得

第99条 削除

第100条 会社ハ合併ノ決議ノ日ヨリ2週間内ニ其ノ債権者ニ対シ合併ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ官報ヲ以テ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 債権者ガ前項ノ期間内ニ異議ヲ述ベザリシトキハ合併ヲ承認シタルモノト看做ス
3 債権者ガ異議ヲ述ベタルトキハ会社ハ弁済ヲ為シ若ハ相当ノ担保ヲ供シ又ハ其ノ債権者ニ弁済ヲ受ケシムルコトヲ目的トシテ信託会社又ハ信託業務ヲ営ム金融機関ニ相当ノ財産ヲ信託スルコトヲ要ス但シ合併ヲ為スモ其ノ債権者ヲ害スルノ虞ナキトキハ此ノ限ニ在ラズ
4 第1項ノ規定ニ拘ラズ会社ハ同項ノ公告ヲ官報ノ外定款ニ定メタル時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙又ハ電子公告(第166条第6項ノ電子公告ヲ謂フ以下本条ニ於テ同ジ)ニ依リ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第1項ノ催告ハ之ヲ為スコトヲ要セズ
5 前項ノ規定ハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ガ株式会社ナルトキハ之ヲ適用セズ
6 第4項ノ規定ニ依リ第1項ノ公告ヲ電子公告ニ依リ為ストキハ同項ノ公告ニ定ムル期間ヲ経過スル日迄為スコトヲ要ス
7 第166条ノ2第2項乃至第4項ノ規定ハ第1項ノ公告ヲ電子公告ニ依リ為ス場合ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ同条第2項中「前項ノ規定ニ拘ラズ同項各号」トアルハ「第100条第6項ノ規定ニ拘ラズ同項」ト読替フルモノトス
8 左ノ各号ニ掲グル定款ノ定ヲ設ケタルトキハ其ノ各号ニ定ムル事項ヲ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ登記スルコトヲ要ス
 1 第1項ノ公告ヲ時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙ニ依リ為ス旨ノ定款ノ定 其ノ定
 2 第1項ノ公告ヲ電子公告ニ依リ為ス旨ノ定款ノ定 其ノ定及公告ノ内容タル情報ノ提供ヲ受クル為必要ナル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノ
 3 前項ニ於テ準用スル第166条ノ2第4項ノ規定ニ依ル定款ノ定 其ノ定
9 第67条ノ規定ハ前項ノ登記ニ之ヲ準用ス

第101条 会社ガ合併ヲ為シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ合併後存続スル会社ニ付テハ変更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル会社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル会社ニ付テハ第64条ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス

第102条 会社ノ合併ハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社ガ其ノ本店ノ所在地ニ於テ前条ノ登記ヲ為スニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ

第103条 合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社ハ合併ニ因リテ消滅シタル会社ノ権利義務ヲ承継ス

第104条 会社ノ合併ノ無効ハ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ各会社ノ社員、清算人、破産管財人又ハ合併ヲ承認セザル債権者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第88条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第105条 前条第1項ノ訴ハ合併ノ日ヨリ6月内ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
2 口頭弁論ハ前項ノ期間ヲ経過シタル後ニ非ザレバ之ヲ開始スルコトヲ得ズ
3 数個ノ訴ガ同時ニ繋属スルトキハ弁論及裁判ハ併合シテ之ヲ為スコトヲ要ス

第106条 債権者ガ第104条第1項ノ訴ヲ提起シタルトキハ裁判所ハ会社ノ請求ニ依リ相当ノ担保ヲ供スベキコトヲ命ズルコトヲ得
2 会社ガ前項ノ請求ヲ為スニハ同項ノ訴ノ提起ガ悪意ニ出デタルモノナルコトヲ疎明スルコトヲ要ス

第107条 削除

第108条 合併ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ合併後存続スル会社ニ付テハ変更ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル会社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ消滅シタル会社ニ付テハ回復ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第109条 合併ヲ無効トスル判決ハ第三者ニ対シテモ其ノ効力ヲ有ス
2 原告ガ敗訴シタル場合ニ於テ悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ

第110条 合併ヲ無効トスル判決ハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社、其ノ社員及第三者ノ間ニ生ジタル権利義務ニ影響ヲ及ボサズ

第111条 合併ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ合併ヲ為シタル会社ハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社ガ合併後負担シタル債務ニ付連帯シテ弁済ノ責ニ任ズ
2 合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社ガ合併後取得シタル財産ハ合併ヲ為シタル会社ノ共有ニ属ス
3 前2項ノ場合ニ於テハ各会社ノ負担部分又ハ持分ハ其ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム協議調ハザルトキハ裁判所ハ請求ニ依リ合併ノ時ニ於ケル各会社ノ財産ノ額其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌シテ之ヲ定ム

第112条 已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ各社員ハ会社ノ解散ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
2 第88条及第109条第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第113条 合名会社ハ総社員ノ同意ヲ以テ或社員ヲ有限責任社員ト為シ又ハ新ニ有限責任社員ヲ加入セシメテ之ヲ合資会社ト為スコトヲ得
2 前項ノ規定ハ第95条第2項ノ規定ニ依リ会社ヲ継続スル場合ニ之ヲ準用ス

第114条 合名会社ガ前条ノ規定ニ依リ其ノ組織ヲ変更シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ合名会社ニ付テハ解散ノ登記、合資会社ニ付テハ第149条第1項ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス

第115条 第113条第1項ノ場合ニ於テ従前ノ社員ニシテ有限責任社員ト為リタルモノハ本店ノ所在地ニ於テ前条ノ登記ヲ為ス前ニ生ジタル会社ノ債務ニ付テハ無限責任社員ノ責任ヲ免ルルコトナシ
2 第93条第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第6節 清算

第116条 会社ハ解散ノ後ト雖モ清算ノ目的ノ範囲内ニ於テハ仍存続スルモノト看做ス

第117条 解散ノ場合ニ於ケル会社財産ノ処分方法ハ定款又ハ総社員ノ同意ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ解散ノ日ヨリ2週間内ニ財産目録及貸借対照表ヲ作ルコトヲ要ス
2 前項ノ規定ハ会社ガ第94条第4号又ハ第6号ノ事由ニ囚リテ解散シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
3 第100条ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
4 第1項ノ場合ニ於テ社員ノ持分ヲ差押ヘタル者アルトキハ其ノ者ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス

第118条 会社ガ前条第3項ノ規定ニ違反シテ其ノ財産ヲ処分シタルトキハ会社ノ債権者ハ其ノ処分ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但シ其ノ処分ガ会社ノ債権者ヲ害セザルモノナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 民法第424条第1項但書、第425条及第426条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第119条 会社ガ第117条第4項ノ規定ニ違反シテ其ノ財産ヲ処分シタルトキハ社員ノ持分ヲ差押ヘタル者ハ会社ニ対シ其ノ持分ニ相当スル金額ノ支払ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前条ノ規定ヲ準用ス

第119条ノ2 第117条第1項ノ規定ニ依リテ会社財産ノ処分方法ヲ定メタル場合ニ於テ会社ガ其ノ財産ノ処分ヲ完了シタルトキハ其ノ完了後本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ清算結了ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第120条 第117条第1項ノ規定ニ依リテ会社財産ノ処分方法ヲ定メザリシトキハ合併及破産手続開始ノ決定ニ因ル解散ノ場合ヲ除クノ外第121条乃至第135条ノ規定ニ従ヒテ清算ヲ為スコトヲ要ス

第121条 清算ハ業務執行社員之ヲ為ス但シ社員ノ過半数ヲ以テ別ニ清算人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第122条 会社ガ第94条第4号又ハ第6号ノ事由ニ因リテ解散シタルトキハ裁判所ハ利害関係人若ハ法務大臣ノ請求ニ依リ又ハ職権ヲ以テ清算人ヲ選任ス

第123条 業務執行社員ガ清算人ト為リタルトキハ解散ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 1 清算人ノ氏名及住所
 2 清算人ニシテ会社ヲ代表セザル者アルトキハ会社ヲ代表スベキ者ノ氏名
 3 数人ノ清算人ガ共同シテ会社ヲ代表スベキ定アルトキハ其ノ規定
2 清算人ノ選任アリタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ前項ニ掲グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
3 第67条ノ規定ハ前2項ノ登記ニ、第67条ノ2ノ規定ハ清算人ニ之ヲ準用ス

第124条 清算人ノ職務左ノ如シ
 1 現務ノ結了
 2 債権ノ取立及債務ノ弁済
 3 残余財産ノ分配
2 会社ヲ代表スベキ清算人ハ前項ノ職務ニ関スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
3 民法第81条ノ規定ハ合名会社ニ之ヲ準用ス

第125条 会社ハ弁済期ニ至ラザル債権ト雖モ之ヲ弁済スルコトヲ得
2 前項ノ場合ニ於テハ無利息債権ニ付テハ弁済期ニ至ル迄ノ法定利息ヲ加算シテ其ノ債権額ニ達スベキ金額ヲ弁済スルコトヲ要ス
3 前項ノ規定ハ利息附債権ニシテ其ノ利率ガ法定利率ニ達セザルモノニ之ヲ準用ス
4 第1項ノ場合ニ於テハ条件附債権、存続期間ノ不確定ナル債権其ノ他価額ノ不確定ナル債権ニ付テハ裁判所ノ選任シタル鑑定人ノ評価ニ従ヒテ之ヲ弁済スルコトヲ要ス

第126条 会社ニ現存スル財産ガ其ノ債務ヲ完済スルニ不足ナルトキハ清算人ハ弁済期ニ拘ラズ社員ヲシテ出資ヲ為サシムルコトヲ得

第127条 清算人ガ会社ノ営業ノ全部又ハ一部ヲ譲渡スニハ社員ノ過半数ノ決議アルコトヲ要ス

第128条 清算人数人アルトキハ清算ニ関スル行為ハ其ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス

第129条 第76条及第77条ノ規定ハ清算人ニ之ヲ準用ス
2 業務執行社員ガ清算人ト為リタル場合ニ於テハ従前ノ定ニ従ヒテ会社ヲ代表ス
3 裁判所ガ数人ノ清算人ヲ選任スル場合ニ於テハ会社ヲ代表スベキ者ヲ定メ又ハ数人ガ共同シテ会社ヲ代表スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得

第130条 清算人ハ就職ノ後遅滞ナク会社財産ノ現況ヲ調査シ財産目録及貸借対照表ヲ作リ之ヲ社員ニ交付スルコトヲ要ス
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項ノ財産目録又ハ貸借対照表ニ之ヲ準用ス
3 前項ノ場合ニ於テハ清算人ハ第1項ノ財産目録又ハ貸借対照表ノ交付ニ代ヘテ前項ニ於テ準用スル第33条ノ2第1項ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法(電子情報処理組織ヲ使用スル方法其ノ他ノ情報通信ノ技術ヲ利用スル方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノヲ謂フ以下同ジ)ニ依リ提供スルコトヲ得但シ社員ノ請求アリタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ記載シタル書面ヲ其ノ社員ニ交付スルコトヲ要ス
4 清算人ハ社員ノ請求ニ依リ毎月清算ノ状況ヲ報告スルコトヲ要ス

第131条 清算人ハ会社ノ債務ヲ弁済シタル後ニ非ザレバ会社財産ヲ社員ニ分配スルコトヲ得ズ但シ争アル債務ニ付其ノ弁済ニ必要ト認ムル財産ヲ留保シテ残余ノ財産ヲ分配スルコトヲ妨ゲズ

第132条 社員ガ選任シタル清算人ハ何時ニテモ之ヲ解任スルコトヲ得此ノ解任ハ社員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス
2 重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ依リ清算人ヲ解任スルコトヲ得

第133条 清算人ノ任務ガ終了シタルトキハ清算人ハ遅滞ナク計算ヲ為シテ各社員ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
2 前項ノ計算ニ対シ社員ガ1月内ニ異議ヲ述ベザリシトキハ之ヲ承認シタルモノト看做ス但シ清算人ニ不正ノ行為アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第134条 清算ガ結了シタルトキハ前条ノ承認アリタル後本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ清算結了ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第134条ノ2 清算人ガ其ノ任務ヲ怠リタルトキハ其ノ清算人ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
2 前項ノ場合ニ於テ清算人ニ悪意又ハ尊大ナル過失アリタルトキハ其ノ清算人ハ第三者ニ対シテモ亦連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ

第135条 第70条ノ2、第75条、第78条第2項、第254条第3項及第254ノ3ノ規定ハ清算人ニ之ヲ準用ス

第136条 会社ノ設立ノ無効ハ其ノ成立ノ日ヨリ2年内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ社員ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第88条、第105条第3項、第109条及第110条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第137条 設立ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第138条 設立ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ解散ノ場合ニ準ジテ清算ヲ為スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ依リ清算人ヲ選任ス

第139条 設立ヲ無効トスル判決ガ確定シタル場合ニ於テ其ノ無効ノ原因ガ或社員ノミニ付存スルトキハ前条ノ規定ニ拘ラズ他ノ社員ノ一致ヲ以テ会社ヲ継続スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ無効ノ原因ノ有スル社員ハ退社ヲ為シタルモノト看做ス
2 第95条第2項及第97条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第140条 会社ノ設立ノ取消ハ訴ヲ以テノミ之ヲ請求スルコトヲ得

第141条 社員ガ其ノ債権者ヲ害スルコトヲ知リテ会社ヲ設立シタルトキハ債権者ハ其ノ社員及会社ニ対スル訴ヲ以テ会社ノ設立ノ取消ヲ請求スルコトヲ得

第142条 第88条、第105条第3項、第109条、第110条、第136条第1項及第137条乃至第139条ノ規定ハ前2条ノ場合ニ之ヲ準用ス

第143条 会社ノ帳簿並ニ其ノ営業及清算ニ関スル重要ナル資料ハ本店ノ所在地ニ於テ清算結了ノ登記ヲ為シタル後10年間之ヲ保存スルコトヲ要ス其ノ保存者ハ社員ノ過半数ヲ以テ之ヲ定ム

第144条 社員ガ死亡シタル場合ニ於テ其ノ相続人数人アルトキハ清算ニ関シテ社員ノ権利ヲ行使スベキ者1人ヲ定ムルコトヲ要ス

第145条 第80条ニ定ムル社員ノ責任ハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ為シタル後5年内ニ請求又ハ請求ノ予告ヲ為ササル会社ノ債権者ニ対シテハ登記後5年ヲ経過シタルトキ消滅ス
2 前項ノ期間経過ノ後ト雖モ分配セサル残余財産仍存スルトキハ会社ノ債権者ハ之ニ対シテ弁済ヲ請求スルコトヲ得

第3章 合資会社

第146条 合資会社ハ有限責任社員ト無限責任社員トヲ以テ之ヲ組織ス

第147条 合資会社ニハ本章ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外合名会社ニ関スル規定ヲ準用ス

第148条 合資会社ノ定款ニハ第63条第1項ニ掲クル事項ノ外各社員ノ責任ノ有限又ハ無限ナルコトヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第149条 合資会社ノ設立ノ登記ニ在リテハ第64条第1項ニ掲グル事項ノ外左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 1 各社員ノ責任ノ有限又ハ無限ナルコト
 2 有限責任社員ノ出資ノ目的、其ノ価格及履行ヲ為シタル部分
2 有限責任社員ニ付テハ登記シタル事項ノ公告ニハ其ノ員数及出資ノ総額ヲ掲グルヲ以テ足ル変更ノ登記アリタルトキ亦同ジ

第150条 有限責任社員ハ金銭其ノ他ノ財産ノミヲ以テ其ノ出資ノ目的ト為スコトヲ得

第151条 各無限責任社員ハ定款ニ別段ノ定ナキトキハ会社ノ業務ヲ執行スル権利ヲ有シ義務ヲ負フ
2 無限責任社員数人アルトキハ会社ノ業務執行ハ其ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス

第152条 支配人ノ選任及解任ハ特ニ業務執行社員ヲ定メタルトキト雖モ無限責任社員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス

第153条 有限責任社員ハ営業年度ノ終ニ於テ営業時間内ニ限リ左ノ請求ヲ為シ且会社ノ業務及財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
 1 会社ノ貸借対照表ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 会社ノ貸借対照表ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧又ハ謄写ノ請求
2 重要ナル事由アルトキハ有限責任社員ハ何時ニテモ裁判所ノ許可ヲ得テ会社ノ業務及財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得

第154条 有限責任社員ハ無限責任社員全員ノ承諾アルトキハ其ノ持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ譲渡スコトヲ得持分ノ譲渡ニ伴ヒ定款ノ変更ヲ生ズルトキト雖モ亦同ジ

第155条 有限責任社員ガ自己若ハ第三者ノ為ニ会社ノ営業ノ部類ニ属スル取引ヲ為シ又ハ同種ノ営業ヲ目的トスル他ノ会社ノ無限責任社員、取締役若ハ執行役ト為ルニハ他ノ社員ノ承諾アルコトヲ要セズ

第156条 有限責任社員ハ会社ノ業務ヲ執行シ又ハ会社ヲ代表スルコトヲ得ズ

第157条 有限責任社員ハ其ノ出資ノ価額ヲ限度トシテ会社ノ債務ヲ弁済スル責ニ任ズ但シ既ニ会社ニ対シ履行ヲ為シタル出資ノ価額ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項但書ノ規定ノ適用ニ付テハ会社ニ利益ナキニ拘ラズ配当ヲ受ケタル金額ハ之ヲ控除シテ其ノ出資ノ価額ヲ定ム

第158条 有限責任社員ハ出資ノ減少後ト雖モ本店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ為ス前ニ生ジタル会社ノ債務ニ付テハ従前ノ責任ヲ免ルルコトナシ
2 第93条第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第159条 有限責任社員ニ自己ヲ無限責任社員ナリト誤認セシムベキ行為アリタルトキハ其ノ社員ハ誤認ニ基キテ全社ト取引ヲ為シタル者ニ対シ無限責任社員ト同一ノ責任ヲ負フ
2 前項ノ規定ハ有限責任社員ニ其ノ責任ノ限度ヲ誤認セシムベキ行為アリタル場合ニ之ヲ準用ス

第160条 第82条ノ規定ハ有限責任社員ガ無限責任社員ト為リタル場合、第93条ノ規定ハ無限責任社員ガ有限責任社員ト為リタル場合ニ之ヲ準用ス

第161条 有限責任社員ガ死亡シタルトキハ其ノ相続人之ニ代リテ社員ト為ル
2 第203条ノ規定ハ死亡シタル有限責任社員ノ相続人数人アル場合ニ之ヲ準用ス
3 有限責任社員ハ後見開始ノ審判ヲ受クルモ之ニ因リテ退社セズ

第162条 合資会社ハ無限責任社員又ハ有限責任社員ノ全員ガ退社シタルトキハ解散ス但シ残存スル社員ノ一致ヲ以テ新ニ無限責任社員又ハ有限責任社員ヲ加入セシメテ会社ヲ継続スルコトヲ妨ゲズ
2 有限責任社員ノ全員ガ退社シタル場合ニ於テハ無限責任社員ノ一致ヲ以テ合名会社トシテ会社ヲ継続スルコトヲ得
3 前項ノ場合ニ於テハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ合資会社ニ付テハ解散ノ登記、合名会社ニ付テハ第64条ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス

第163条 合資会社ハ総社員ノ同意ヲ以テ其ノ組織ヲ変更シテ之ヲ合名会社ト為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前条第3項ノ規定ヲ準用ス

第164条 清算ハ業務執行社員之ヲ為ス但シ無限責任社員ノ過半数ヲ以テ別ニ清算人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第4章 株式会社

第1節 設立

第165条 株式会社ヲ設立スルニハ発起人定款ヲ作ルコトヲ要ス

第166条 株式会社ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 目的
 2 商号
 3 会社ガ発行スル株式ノ総数
 4及5 削除
 6 会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数
 7 削除
 8 本店ノ所在地
 9 会社ガ公告ヲ為ス方法
 10 発起人ノ氏名及住所
2 定款ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ各発起人之ニ署名スルコトヲ要ス
3 第33条ノ2ノ規定ハ定款ニ之ヲ準用ス
4 会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ハ会社ガ発行スル株式ノ総数ノ4分ノ1ヲ下ルコトヲ得ズ但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
5 会社ノ公告ハ官報又ハ時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙ニ掲ゲテ之ヲ為スコトヲ要ス
6 前項ノ規定ニ拘ラズ会社ノ公告ハ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ不特定多数ノ者ガ其ノ公告スベキ内容タル情報ノ提供ヲ受クルコトヲ得ベキ状態ニ置ク措置ヲ執ルコト(以下電子公告ト称ス)ニ依リ之ヲ為スコトヲ得

第166条ノ2 前条第6項ノ規定ニ依リ会社ノ公告ヲ電子公告ニ依リ為ストキハ左ノ各号ニ掲グル公告ノ区分ニ応ジ其ノ各号ニ定ムル日迄為スコトヲ要ス
 1 公告ニ定ムル期間内ニ異議ヲ述ブベキ旨又ハ株券、新株予約権証券若ハ第341条ノ8第2項ノ新株予約権付社債券ヲ提出スベキ旨ノ公告 其ノ期間ヲ経過スル日
 2 公告ノ日ヨリ2週間内ニ反対ノ意思ヲ通知シタル株主ガ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得ル場合ニ於ケル其ノ公告 其ノ公告ノ開始後2週間ヲ経過スル日
 3 一定ノ日ノ2週間前又ハ3週間前ニ公告スルコトヲ要スル場合ニ於ケル其ノ公告 其ノ一定ノ日
 4 第283条第4項ノ規定ニ依ル公告 同条第1項ノ承認ヲ得タル日後5年ヲ経過スル日
 5 第359条第1項(第359条ノ2ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル公告 株式交換ノ日ノ前日
 6 前各号ニ掲グル公告以外ノ公告 其ノ公告ノ開始後1月ヲ経過スル日
2 前項ノ規定ニ拘ラズ同項各号ノ規定ニ依リ電子公告ヲ為スベキ期間(第2号ニ於テ公告期間ト称ス)中公告ノ中断(前条第6項ノ状態ニ置カレタル情報ガ其ノ状態ニ置カレザルコトト為リタルコト又ハ其ノ情報ガ其ノ状態ニ置カレタル後改竄セラレタルコトヲ謂フ以下同ジ)ガ生ジタル場合ニ於テ左ノ各号ノ何レニモ該当スルトキハ其ノ公告ノ中断ハ其ノ公告ノ効力ニ影響ヲ及ボサズ
 1 公告ノ中断ガ生ズルニ付会社ガ善意ニシテ且重大ナル過失ナキコト又ハ会社ニ正当ノ事由アルコト
 2 公告ノ中断ガ生ジタル時間ノ合計ガ公告期間ノ10分ノ1ヲ超エザルコト
 3 会社ガ公告ノ中断ガ生ジタルコトヲ知リタル後速カニ其ノ旨、公告ノ中断ガ生ジタル時間及公告ノ中断ノ内容ヲ其ノ公告ニ付シテ公告シタルコト
3 会社ノ公告ヲ電子公告ニ依リ為ストキハ定款ニハ電子公告ヲ公告ヲ為ス方法トスル旨ヲ記載又ハ記録スルヲ以テ足ル
4 前項ニ規定スル場合ニ於テハ定款ヲ以テ電子公告ニ依ル公告ヲ為スコトヲ得ザル事故其ノ他ノ已ムコトヲ得ザル事由生ジタルトキハ官報又ハ時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙ノ何レカニシテ定款ニ定ムルモノニ掲ゲテ公告ヲ為ス旨ヲ定ムルコトヲ得

第167条 定款ハ公証人ノ認証ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ有セズ

第168条 左ノ事項ハ之ヲ定款ニ記載又ハ記録スルニ非ザレバ其ノ効力ヲ有セズ
 1乃至3 削除
 4 発起人ガ受クベキ特別ノ利益及之ヲ受クベキ者ノ氏名
 5 現物出資ヲ為ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財産、其ノ価格並ニ之ニ対シテ与フル株式ノ種類及数
 6 会社ノ成立後ニ譲受クルコトヲ約シタル財産、其ノ価格及譲渡人ノ氏名
 7 発起人ガ受クベキ報酬ノ額
 8 会社ノ負担ニ帰スベキ設立費用但シ定款ノ認証ノ手数料及株式ノ払込ノ取扱ニ付銀行又ハ信託会社ニ支払フベキ報酬ハ此ノ限ニ在ラズ
2 現物出資ハ発起人ニ限リ之ヲ為スコトヲ得

第168条ノ2 会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ニ関スル左ノ事項ニシテ定款ニ定ナキモノハ発起人全員ノ同意ヲ以テ之ヲ定ム
 1 株式ノ種類及数
 2 株式ノ発行価額
 3 株式ノ発行価額中資本ニ組入レサル額

第168条ノ3 削除

第168条ノ4 資本ノ額ハ1000万円ヲ下ルコトヲ得ズ

第169条 各発起人ハ書面又ハ電磁的方法ニ依リテ株式ノ引受ヲ為スコトヲ要ス

第170条 発起人ガ会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ヲ引受ケタルトキハ遅滞ナク各株ニ付其ノ発行価額ノ全額ノ払込ヲ為シ且取締役及監査役ヲ選任スルコトヲ要ス
2 前項ノ払込ハ発起人ガ払込ヲ取扱フベキモノトシテ定メタル銀行又ハ信託会社ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第1項ノ選任ハ発起人ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス
4 会社ノ設立ニ際シテ第222条第1項第6号ニ掲グル事項ニ付内容ノ異ル数種ノ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ第1項ノ選任ハ同条第7項第1号及第2号ニ掲グル事項ニ付テノ定ニ従ヒ各種類ノ株式ヲ引受ケタル発起人ノ其ノ種類ノ株式ニ付テノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス此ノ場合ニ於テハ第257条ノ4ノ規定ヲ準用ス
5 第241条第1項ノ規定ハ前2項ノ議決権ニ之ヲ準用ス

第171条 削除

第172条 現物出資者ハ払込ノ期日ニ出資ノ目的タル財産ノ全部ヲ給付スルコトヲ要ス但シ登記、登録其ノ他権利ノ設定又ハ移転ヲ以テ第三者ニ対抗スル為必要ナル行為ハ会社成立後ニ之ヲ為スコトヲ妨ゲズ

第173条 取締役ハ其ノ選任後遅滞ナク第168条第1項ニ掲グル事項ヲ調査セシムル為検査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
2 前項ノ規定ハ左ノ各号ニ掲グル場合ニ於テハ其ノ各号ニ定ムル事項ニ付テハ之ヲ適用セズ
 1 第168条第1項第5号及第6号ノ財産ノ定款ニ定メタル価格ノ総額ガ資本ノ5分ノ1ヲ超エズ且500万円ヲ超エザル場合 同項第5号及第6号ニ掲グル事項
 2 第168条第1項第5号又ハ第6号ノ財産ガ取引所ノ相場アル有価証券ナル場合ニ於テ定款ニ定メタル価格ガ其ノ相場ヲ超エザル場合 其ノ財産ニ係ル同項第5号又ハ第6号ニ掲グル事項
 3 第168条第1項第5号又ハ第6号ニ掲グル事項ガ相当ナルコトニ付弁護士、弁護士法人、公認会計士(外国公認会計士ヲ含ム)、監査法人、税理士又ハ税理士法人ノ証明(同項第5号又ハ第6号ノ財産ガ不動産ナルトキハ其ノ証明及不動産鑑定士ノ鑑定評価)ヲ受ケタル場合 同項第5号又ハ第6号ニ掲グル事項
3 左ノ各号ニ掲グル者ハ前項第3号ノ証明及鑑定評価ヲ為スコトヲ得ズ
 1 財産ノ現物出資者又ハ譲渡人
 2 発起人
 3 取締役又ハ監査役
 4 業務ノ停止ノ処分ヲ受ケ其ノ停止ノ期間ヲ経過セザル者
 5 弁護士法人、監査法人又ハ税理士法人ニシテ其ノ社員中ニ前号ニ掲グル者アルモノ又ハ其ノ社員ノ半数以上ガ第1号乃至第3号ニ掲グル者ノ何レカニ該当スルモノ
4 裁判所ハ検査役ノ報告ヲ聴キ第168条第1項ニ掲グル事項ヲ不当ト認メタルトキハ之ニ変更ヲ加ヘテ各発起人ニ通告スルコトヲ得
5 前項ノ変更ニ服セザル発起人ハ其ノ株式ノ引受ヲ取消スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ定款ヲ変更シテ設立ニ関スル手続ヲ続行スルコトヲ妨ケズ
6 通告後2週間内ニ株式ノ引受ヲ取消シタル者ナキトキハ定款ハ通告ニ従ヒ変更セラレタルモノト看做ス

第173条ノ2 取締役及監査役ハ前条第2項第3号ノ証明書証明ヲ記載又ハ記録シタル資料(同号ニ規定スル財産ガ不動産ナルトキハ同号ノ鑑定評価ヲ記載又ハ記録シタル資料ヲ含ム)及左ノ事項ヲ調査スルコトヲ要ス
 1 前条第2項ニ定ムル場合ニ於ケル同項ノ財産ニ付定款ニ定メタル価格ガ相当ナルヤ否ヤ
 2 会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ノ引受アリタルヤ否ヤ
 3 前号ノ株式ニ付払込及現物出資ノ給付アリタルヤ否ヤ
2 取締役及監査役ハ前項ノ調査ニ依リ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ不当ナル事項アリト認ムルトキハ各発起人ニ其ノ旨ヲ通告スルコトヲ要ス

第174条 発起人ガ会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ヲ引受ケザルトキハ株主ヲ募集スルコトヲ要ス

第175条 株式ノ申込ヲ為サントスル者ハ株式申込証ノ用紙ニ其ノ引受クベキ株式ノ数及住所ヲ記載シ之ニ署名シテ株式申込証ヲ作ルコトヲ要ス
2 株式申込証ノ用紙ハ発起人之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 定款ノ認証ノ年月日及其ノ認証ヲ為シタル公証人ノ氏名
 2 第166条第1項ニ掲グル事項
 3 会社ノ存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 4 数種ノ株式ヲ発行スルトキハ其ノ各種ノ株式ノ内容及数
 4ノ2 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 4ノ2ノ2 株券ヲ発行セザル旨ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 4ノ3 1単元ノ株式ノ数ヲ定メタルトキハ其ノ数
 4ノ4 第222条第4項又ハ第9項ノ場合ニ於テハ此等ノ規定ニ依リ定款ヲ以テ定メタル事項
 4ノ5 第222条ノ2第1項ノ場合ニ於テハ転換ノ請求ニ因リテ発行スベキ株式ノ内容、転換ノ条件及転換ヲ請求シ得ベキ期間
 4ノ6 第222条ノ8ノ場合ニ於テハ同条ノ規定ニ依リ定款ヲ以テ定メタル事項
 5 開業前ニ利息ヲ配当スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
 6 株主ニ配当スベキ利益ヲ以テ株式ヲ消却スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
 7 第168条第1項ニ掲グル事項
 8 第168条ノ2ニ掲グル事項
 9 各発起人ガ引受ケタル株式ノ種類、数及引受価額
 10 払込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託会社
 11 一定ノ時期迄ニ創立総会ガ終結セサルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ベキコト
 12 名義書換代理人又ハ登録機関ヲ置キタルトキハ其ノ氏名及住所並ニ営業所
 13 取締役若ハ監査役ノ責任ニ付取締役会ノ決議ヲ以テ免除ヲ為スコトヲ得ル旨又ハ第266条第19項ノ契約ヲ為スコトヲ得ル旨ヲ定メタルトキハ其ノ規定
3 株式申込人ハ株式申込証ノ用紙ニ第1項ニ掲グル事項ノ外左ノ事項ヲモ記載スルコトヲ要ス
 1 削除
 2 数種ノ株式ヲ発行スルトキハ其ノ引受クベキ株式ノ種類
 3 其ノ引受クベキ株式ノ引受価額
4 発起人ハ株式申込証ノ用紙ノ株式申込人ニ対スル交付ニ際シ第2項第10号ニ掲グル銀行又ハ信託会社ノ払込ノ取扱ノ場所ヲ記載シタル書面ヲ交付スルコトヲ要ス但シ株式申込証ノ用紙ニ之ヲ記載シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
5 発起人ハ株式申込証ノ用紙ノ株式申込人ニ対スル交付ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ株式申込人ノ承諾ヲ得テ株式申込証ノ用紙ノ内容タル事項ヲ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ発起人ハ株式申込証ノ用紙ヲ株式申込人ニ交付シタルモノト看做ス
6 前項ノ場合ニ於テハ発起人ハ第4項ノ書面ニ記載スベキ情報ヲ前項ノ株式申込証ノ用紙ニ記載スベキ情報ト共ニ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項後段ノ規定ヲ準用ス
7 株式申込人ハ政令ニ定ムル所ニ依リ発起人ノ承諾ヲ得テ株式申込証ノ用紙ノ内容タル事項ヲ記録シタル電磁的記録ニ株式申込証ニ記載スベキ情報ヲ記録シテ作リタル電磁的記録ノ作成ヲ以テ株式申込証ノ作成ニ代フルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ株式申込証ノ作成ニ代ヘテ作リタル電磁的記録ハ之ヲ株式申込証ト看做ス
8 第33条ノ2第2項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ株式申込証ト看做サルル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ之ヲ準用ス
9 民法第93条但書ノ規定ハ株式ノ申込ニハ之ヲ適用セズ

第176条 株式ノ申込ヲ為シタル者ハ発起人ノ割当テタル株式ノ数ニ応ジテ払込ヲ為ス義務ヲ負フ

第177条 会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ノ引受アリタルトキハ発起人ハ遅滞ナク各株ニ付其ノ発行価額ノ全額ノ払込ヲ為サシムルコトヲ要ス
2 前項ノ払込ハ第175条第4項ノ書面若ハ株式申込証ノ用紙又ハ同条第6項若ハ第5項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於ケル此等ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ニ記載又ハ記録シタル払込ノ取扱場所ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第172条ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第178条 前条第1項ノ払込ヲ取扱フ銀行若ハ信託会社ヲ変更シ又ハ払込金ノ保管替ヲ為スニハ裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス

第179条 株式引受人ガ第177条ノ規定ニ依ル払込ヲ為サザルトキハ発起人ハ期日ヲ定メ其ノ期日迄ニ払込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フベキ旨ヲ其ノ株式引受人ニ通知スルコトヲ得但シ其ノ通知ハ期日ノ2週間前ニ之ヲ為スコトヲ要ス
2 発起人ガ前項ノ通知ヲ為シタルモ株式引受人ガ払込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フ此ノ場合ニ於テ発起人ハ其ノ者ガ引受ケタル株式ニ付更ニ株主ヲ募集スルコトヲ得
3 前2項ノ規定ハ株式引受人ニ対スル損害賠償ノ請求ヲ妨ケズ

第180条 第177条ノ規定ニ依ル払込及現物出資ノ給付アリタルトキハ発起人ハ遅滞ナク創立総会ヲ招集スルコトヲ要ス
2 創立総会ノ決議ハ出席シタル株式引受人ノ議決権ノ3分ノ2以上ニシテ且議決権ノ総数ノ過半数ニ当ル多数ヲ以テ之ヲ為ス
3 第232条第1項乃至第3項、第233条、第237条ノ3、第237条ノ4、第239条第2項第3項第5項乃至第7項、第239条ノ2乃至第239条ノ4、第241条第1項、第243条、第244条、第247条乃至第252条及第345条ノ規定ハ創立総会ニ之ヲ準用ス

第181条 定款ヲ以テ第168条第1項ニ掲グル事項ヲ定メタルトキハ発起人ハ之ニ関スル調査ヲ為サシムル為検査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
2 第173条第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ検査役ノ報告及前項ニ於テ準用スル第173条第2項第3号ノ証明ヲ記載又ハ記録シタル資料(前項ニ於テ準用スル同号ニ規定スル財産ガ不動産ナルトキハ同項ニ於テ準用スル同号ノ鑑定評価ヲ記載又ハ記録シタル資料ヲ含ム)ハ之ヲ創立総会ニ提出スルコトヲ要ス

第182条 発起人ハ会社ノ創立ニ関スル事項ヲ創立総会ニ報告スルコトヲ要ス

第183条 創立総会ニ於テハ取締役及監査役ヲ選任スルコトヲ要ス
2 会社ノ設立ニ際シテ第222条第1項第6号ニ掲グル事項ニ付内容ノ異ル数種ノ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ同項ノ選任ハ同条第7項第1号及第2号ニ掲グル事項ニ付テノ定ニ従ヒ各種類ノ株式引受人ノ総会ノ決議ヲ以テ之ヲ決ス此ノ場合ニ於テハ第257条ノ4ノ規定ヲ準用ス
3 第180条第2項及第3項(第345条ヲ準用スル部分ヲ除ク)ノ規定ハ前項ノ総会ニ之ヲ準用ス

第184条 取締役及監査役ハ第173条ノ2第1項各号ニ掲グル事項ヲ調査シ之ヲ創立総会ニ報告スルコトヲ要ス
2 取締役及監査役ハ第181条第3項ニ掲グル資料ヲ調査シ創立総会ニ其ノ意見ヲ報告スルコトヲ要ス
3 取締役及監査役中発起人ヨリ選任セラレタル者アルトキハ創立総会ハ特ニ検査役ヲ選任シ前2項ノ調査及報告ヲ為サシムルコトヲ得

第185条 創立総会ニ於テ第168条第1項ニ掲グル事項ヲ不当ト認メタルトキハ之ヲ変更スルコトヲ得
2 第173条第5項及第6項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第186条 前条ノ規定ハ発起人ニ対スル損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ

第187条 創立総会ニ於テハ定款ノ変更又ハ設立ノ廃止ノ決議ヲモ為スコトヲ得
2 前項ノ決議ハ招集ノ通知ニ其ノ旨ノ記載又ハ記録ナカリシトキト雖モ之ヲ為スコトヲ妨ケズ
3 第348条第1項及第2項ノ規定ハ創立総会ニ於テ定款ヲ変更シテ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定ヲ設クル場合ニ之ヲ準用ス
4 創立総会ニ於テ前項ノ定ノ設定ニ反対シタル株式引受人ハ決議後2週間内ニ限リ其ノ株式ノ引受ヲ取消スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ定款ヲ変更シテ設立ニ関スル手続ヲ続行スルコトヲ妨ゲズ

第188条 株式会社ノ設立ノ登記ハ発起人ガ会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ヲ引受ケタルトキハ第173条又ハ第173条ノ2ノ手続終了ノ日、発起人ガ会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ノ総数ヲ引受ケザリシトキハ創立総会終結ノ日又ハ第185条若ハ前条第4項ノ手続終了ノ日ヨリ2週間内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
2 前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 1 第166条第1項第1号乃至第3号及第9号ニ掲タル事項
 2 本店及支店
 3 第175条第2項第3号乃至第6号、第12号及第13号ニ掲グル事項
 4 削除
 5 発行済株式ノ総数並ニ種類及数
 6 資本ノ額
 7 取締役及監査役ノ氏名
 7ノ2 取締役ガ其ノ会社ノ業務ヲ執行セザル取締役ニシテ過去ニ其ノ会社又ハ子会社(第211条ノ2第1項ノ子会社ヲ謂フ以下此ノ号ニ於テ同ジ)ノ業務ヲ執行スル取締役、執行役又ハ支配人其ノ他ノ使用人トナリタルコトナク且現ニ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ執行役又ハ其ノ会社若ハ子会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ニ非ザルモノ(以下社外取締役ト称ス)ナルトキハ其ノ旨
 8 代表取締役ノ氏名及住所
 9 数人ノ代表取締役ガ共同シテ会社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
 10 第283条第7項前段ノ取締役会ノ決議アリタルトキハ同項ノ情報ノ提供ヲ受クル為必要ナル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノ
2 会社ノ公告ヲ電子公告ニ依リ為ストキハ前項第1号ニ定ムル第166条第1項第9号ニ掲グル事項トシテ同条第6項ノ情報ノ提供ヲ受クル為必要ナル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノヲモ登記スルコトヲ要ス第166条ノ2第4項ノ規定ニ依ル定款ノ定アル場合ニ於テ其ノ定ニ付亦同ジ
3 第64条第2項及第65条乃至第67条ノ規定ハ株式会社ニ、第67条ノ2ノ規定ハ取締役及監査役ニ之ヲ準用ス

第189条 払込ヲ取扱ヒタル銀行又ハ信託会社ハ発起人又ハ取締役ノ請求ニ依リ払込金ノ保管ニ関シ証明ヲ為スコトヲ要ス
2 前項ノ銀行又ハ信託会社ハ其ノ証明シタル払込金額ニ付払込ナカリシコト又ハ其ノ返還ニ関スル制限ヲ以テ会社ニ対抗スルコトヲ得ズ

第190条 株式ノ引受ニ因ル権利ノ譲渡ハ会社ニ対シ其ノ効力ヲ生ゼズ

第191条 株式ヲ引受ケタル者ハ会社ノ成立後ハ錯誤若ハ株式申込証ノ用紙ノ要件ノ欠缺ヲ理由トシテ其ノ引受ノ無効ヲ主張シ又ハ詐欺若ハ強迫ヲ理由トシテ其ノ引受ヲ取消スコトヲ得ズ創立総会ニ出席シテ其ノ権利ヲ行使シタルトキ亦同ジ

第192条 会社ノ設立ニ際シテ発行スル株式ニシテ会社ノ成立後仍引受ナキモノアルトキハ発起人及会社成立当時ノ取締役ハ共同シテ之ヲ引受ケタルモノト看做ス株式ノ申込ガ取消サレタルトキ亦同ジ
2 会社ノ成立後払込又ハ現物出資ノ給付ノ未済ナル株式アルトキハ発起人及会社成立当時ノ取締役ハ連帯シテ其ノ払込ヲ為シ又ハ給付未済財産ノ価額ノ支払ヲ為ス義務ヲ負フ
3 前項ノ規定ニ依ル払込又ハ支払ヲ為シタル発起人又ハ取締役ハ其ノ払込又ハ支払ノ時ヨリ6月内ニ限リ同項ノ株式ヲ引受ケタル者ニ対シ之ヲ自己ニ売渡スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テは其ノ株式ノ引受価額ヲ以テ売買価格トス
4 第186条ノ規定ハ第1項及第2項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第192条ノ2 第168条第1項第5号又ハ第6号ノ財産ノ会社成立当時ニ於ケル実価ガ定款ニ定メタル価格ニ著シク不足スルトキハ発起人及会社成立当時ノ取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ不足額ヲ支払フ義務ヲ負フ
2 第168条第1項第5号又ハ第6号ニ掲グル事項ニ付検査役ノ調査ヲ受ケタルトキハ其ノ財産ノ現物出資者及譲渡人ニ非ザル発起人及取締役ハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ財産ニ付同項ノ義務ヲ負フコトナシ
3 第186条ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第193条 発起人ガ会社ノ設立ニ関シ其ノ任務ヲ怠リタルトキハ其ノ発起人ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
2 発起人ニ悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ其ノ発起人ハ第三者ニ対シテモ亦連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ

第194条 会社ガ成立セザル場合ニ於テハ発起人ハ会社ノ設立ニ関シテ為シタル行為ニ付連帯シテ其ノ責ニ任ズ
2 前項ノ場合ニ於テ会社ノ設立ニ関シテ支出シタル費用ハ発起人ノ負担トス

第195条 取締役又ハ監査役ガ第173条ノ2又ハ第184条第1項及第2項ニ定ムル任務ヲ怠リタルニ因リ会社又ハ第三者ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任ズベキ場合ニ於テ発起人モ亦其ノ責ニ任ズベキトキハ其ノ取締役、監査役及発起人ハ之ヲ連帯債務者トス

第196条 第266条第5項及第267条乃至第268条ノ3ノ規定ハ発起人ニ之ヲ準用ス

第197条 第192条ノ2第1項及第3項ノ規定ハ第173条第2項第3号(第181条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ証明又ハ鑑定評価(以下本条ニ於テ証明等ト称ス)ヲ為シタル者ニ、第193条第2項ノ規定ハ其ノ証明等ヲ為シタル者ガ虚偽ノ証明等ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス但シ其ノ証明等ヲ為シタル者ガ之ヲ為スニ付注意ヲ怠ラザリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第198条 発起人ニ非ズシテ株式申込証ノ用紙、目論見書、株式募集ノ広告其ノ他株式募集ニ関スル文書ニ自己ノ氏名及会社ノ設立ヲ賛助スル旨ノ記載ヲ為スコトヲ承諾シタル者ハ発起人ト同一ノ責任ヲ負フ発起人ニ非ズシテ此等ノ書類ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ニ其ノ旨ノ記録ヲ為スコトニ承諾シタル者ニ付亦同ジ

第2節 株式

第199条 削除

第200条 株主ノ責任ハ其ノ有スル株式ノ引受価額ヲ限度トス
2 株主ハ払込ニ付相殺ヲ以テ会社ニ対抗スルコトヲ得ズ

第201条 仮設人ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケタル者ハ株式引受人タル責任ヲ負フ他人ノ承諾ヲ得ズシテ其ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケタル者亦同ジ
2 他人ト通ジテ其ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケタル者ハ其ノ他人ト連帯シテ払込ヲ為ス義務ヲ負フ

第202条 削除

第203条 共同シテ株式ヲ引受ケタル者ハ連帯シテ払込ヲ為ス義務ヲ負フ
2 株式ガ数人ノ共有ニ属スルトキハ共有者ハ株主ノ権利ヲ行使スベキ者1人ヲ定ムルコトヲ要ス
3 株主ノ権利ヲ行使スベキ者ナキトキハ共有者ニ対スル会社ノ通知又ハ催告ハ其ノ1人ニ対シテ之ヲ為スヲ以テ足ル

第204条 株式ハ之ヲ他人ニ譲渡スコトヲ得但シ定款ヲ以テ取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ
2 株券ノ発行前ニ為シタル株式ノ譲渡ハ会社ニ対シ其ノ効力ヲ生ゼズ

第204条ノ2 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル場合ニ於テハ株式ヲ譲渡サントスル株主ハ会社ニ対シ譲渡ノ相手方並ニ譲渡サントスル株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ以テ譲渡ヲ承認スベキコト又ハ之ヲ承認セザルトキハ他ニ譲渡ノ相手方ヲ指定スベキコトヲ請求スルコトヲ得
2 株主ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ会社ノ承諾ヲ得テ其ノ書面ニ記載スベキ情報ヲ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ株主ハ同項ノ規定ニ依ル請求ヲ為シタルモノト看做ス
3 前項ノ株主ガ第232条第2項ノ承諾ヲ為シタル者ナル場合ニ於テハ会社ハ其ノ承諾ニ係ル株主総会ノ会日ノ属スル営業年度ノ決算期ニ関スル定時総会ノ終結ニ至ル迄ノ間ハ正当ノ事由アルニ非ザレバ前項ノ承諾ヲ為スコトヲ拒ムコトヲ得ズ
4 第1項ノ承認ノ請求アリタル場合ニ於テ譲渡ヲ承認セザルトキハ会社ハ其ノ旨ヲ其ノ請求ノ日ヨリ2週間内ニ同項ノ株主ニ対シ書面ヲ以テ通知スルコトヲ要ス
5 第1項ノ指定ノ請求アリタル場合ニ於テ譲渡ヲ承認セザルトキハ取締役会ハ他ニ譲渡ノ相手方ヲ指定スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ旨ヲ其ノ請求ノ日ヨリ2週間内ニ第1項ノ株主ニ対シ書面ヲ以テ通知スルコトヲ要ス
6 会社ハ第4項又ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ株主ノ承諾ヲ得テ此等ノ書面ニ記載スベキ情報ヲ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ会社ハ第4項又ハ前項ノ規定ニ依ル通知ヲ為シタルモノト看做ス
7 第4項ノ期間内ニ同項ノ通知ガ為サレザルトキハ第1項ノ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認アリタルモノト看做ス第5項ノ期間内ニ同項ノ通知ガ為サレザルトキ亦同ジ

第204条ノ3 前条第5項ノ規定ニ依リ指定セラレタル者ハ同項ノ通知ノ日ヨリ10日内ニ同条第1項ノ株主ニ対シ書面ヲ以テ同項ノ株式ヲ自己ニ売渡スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
2 前条第2項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ請求ヲ為スニハ最終ノ貸借対照表ニ依リ会社ニ現存スル純資産額ヲ発行済株式ノ総数ヲ以テ除シタル額ニ前条第1項ノ株式ノ数ヲ乗ジタル額ヲ会社ノ本店ノ所在地ノ供託所ニ供託シ且之ヲ証スル書面ヲ前項ノ書面ニ添付スルコトヲ要ス
4 第2項ノ場合ニ於テハ前項ニ規定スル供託ヲ証スル書面ハ第2項ニ於テ準用スル前条第2項ノ電磁的方法ニ依ル情報ノ提供ニ際シ之ヲ提出スルコトヲ要ス
5 前条第7項ノ規定ハ第1項ノ請求ガ同項ノ期間内ニ為サレザル場合ニ之ヲ準用ス
6 第1項ノ請求アリタルトキハ株主ハ1週間内ニ第3項ノ供託所ニ株券ヲ供託スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ遅滞ナク第1項ノ請求ヲ為シタル者ニ供託ノ通知ヲ為スコトヲ要ス
7 前項ノ供託ガ同項ノ期間内ニ為サレザルトキハ第1項ノ請求ヲ為シタル者ハ売買ノ解除ヲ為スコトヲ得

第204条ノ3ノ2 第204条ノ2第5項ノ規定ニ依リ取締役会ガ会社ヲ譲渡ノ相手方ニ指定シタル場合ニ於テハ会社ガ前条第1項ノ請求ヲ為スニハ第343条ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
2 前項ノ決議ハ第204条ノ2第3項ノ通知ノ日ヨリ30日内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第1項ノ決議ニ付テハ第204条ノ2第1項ノ株主ハ議決権ヲ行使スルコトヲ得ズ
4 第1項ノ決議ニ付テハ前項ノ規定ニ依リテ行使スルコトヲ得ザル議決権ノ数ハ出席シタル株主ノ議決権ノ数ニ之ヲ算入セズ
5 第1項ノ会社ガ前条第1項ノ請求ヲ為スニハ同条第3項ノ規定ニ依リ供託スベキ額ガ最終ノ貸借対照表上ノ純資産額ヨリ第293条ノ5第3項第1号乃至第4号ノ金額及同条第1項ノ規定ニ依リ分配シタル金銭ノ額ノ合計額ヲ控除シタル残額ニ同条第3項第5号乃至第7号ノ金額ヲ加算シタル額ヲ超エザルコトヲ要ス
6 第1項ニ規定スル場合ニ於テハ前条第1項ノ期間ハ第1項ノ決議ノ日ヨリ之ヲ起算ス
7 第1項ノ会社ガ前条第1項ノ請求ヲ為シタル場合ニ於テハ売買価格ハ第5項ノ規定ニ依リ算定シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ
8 第204条ノ2第7項ノ規定ハ第2項ノ期間内ニ第1項ノ決議ナカリシ場合ニ之ヲ準用ス

第204条ノ4 第204条ノ3第1項ノ請求アリタル場合ニ於テ売買価格ニ付協議調ハザルトキハ当事者ハ同項ノ請求ノ日ヨリ20日内ニ裁判所ニ対シ売買価格ノ決定ヲ請求スルコトヲ得
2 前項ノ決定ヲ為スニ付テハ裁判所ハ第204条ノ3第1項ノ請求ノ時ニ於ケル会社ノ資産状態其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌スルコトヲ要ス
3 第1項ノ期間内ニ同項ノ決定ノ請求ナキトキハ第204条ノ3第3項ノ規定ニ依リ供託シタル額ヲ以テ売買価格トス
4 株式ノ移転ハ代金ノ支払ノ時ニ其ノ効力ヲ生ズ
5 株式ノ売買価格ガ第204条ノ3第3項ノ規定ニ依リ供託シタル額ヲ超エザルトキハ売買価格ガ確定シタル時ニ代金ノ支払アリタルモノト看做ス売買価格ガ供託シタル額ヲ超ユル場合ニ於テ代金中供託シタル額ニ相当スル部分ニ付亦同ジ
6 前条第1項ノ会社ヨリ第204条ノ3第1項ノ請求アリタル場合ニ於テ裁判所ノ決定スル売買価格ガ前条第5項ノ規定ニ依リ算定シタル額ヲ超ユルトキハ売買ハ成立セザリシモノト看做ス
7 第204条ノ2第7項ノ規定ハ売買価格ト供託シタル額トノ差額ニ相当スル金額ノ支払ナキ為株主ガ売買ノ解除ヲ為シタル場合及前項ノ規定ニ依リ売買ガ成立セザリシモノト看做サレタル場合ニ之ヲ準用ス

第204条ノ5 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル場合ニ於テハ株式ヲ取得シタル者ハ会社ニ対シ其ノ株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ以テ取得ヲ承認セサルトキハ其ノ株式ヲ買受クベキ者ヲ指定スベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第204条ノ2第5項乃至第7項及前3条ノ規定ヲ準用ス
2 第204条ノ2第2項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス

第205条 株式ヲ譲渡スニハ株券ヲ交付スルコトヲ要ス
2 株券ノ占有者ハ之ヲ適法ノ所持人ト推定ス

第206条 株式ノ移転ハ取得者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録スルニ非ザレバ之ヲ以テ会社ニ対抗スルコトヲ得ズ
2 会社ハ定款ヲ以テ名義書換代理人ヲ置ク旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テ名義書換代理人ガ取得者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ノ複本ニ記載シタルトキ(其ノ複本ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ニ記録シタルトキヲ含ム)ハ前項ノ名義書換アリタルモノト看做ス
3 会社ハ株券ヲ登録スル為定款ヲ以テ登録機関ヲ置ク旨ヲ定ムルコトヲ得

第206条ノ2 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ株式ノ移転ハ前条第1項ノ名義書換ヲ為スニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
2 前項ニ規定スル場合ニ於テハ会社ハ左ノ場合ヲ除クノ外前条第1項ノ名義書換ヲ為スコトヲ得ズ
 1 株主又ハ其ノ相続人其ノ他ノ一般承継人及株式ヲ取得シタル者ガ共同シテ請求ヲ為シタル場合
 2 株式ヲ取得シタル者ガ株主又ハ其ノ一般承継人ニ対シ名義書換ノ意思表示ヲ為スベキコトヲ命ズル確定判決ヲ得テ請求ヲ為シタル場合、第204条ノ3第1項ノ請求ヲ為シタル者ガ同項ノ株主ニ代金ヲ支払ヒタル旨ヲ証スル書面ヲ提出シテ請求ヲ為シタル場合其ノ他ノ株式ヲ取得シタル者ノ請求ニ依ル名義書換ヲ為スモ利害関係人ノ利益ヲ害スル虞ナキモノトシテ法務省令ニ定ムル場合
 3 会社ガ株式交換又ハ株式移転ニ因リテ完全子会社トナリタル場合其ノ他ノ請求ニ依ラズシテ名義書換ヲ為スモ利害関係人ノ利益ヲ害スル虞ナキモノトシテ法務省令ニ定ムル場合
3 第1項ニ規定スル場合ニ於テハ株主ハ会社ニ対シ其ノ株主ニ付株主名簿ニ記載又ハ記録セラレタル事項ヲ証明シタル書面ノ交付ヲ請求スルコトヲ得

第207条 株式ヲ以テ質権ノ目的ト為スニハ株券ヲ交付スルコトヲ要ス
2 質権者ハ継続シテ株券ヲ占有スルニ非ザレバ其ノ質権ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ

第207条ノ2 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ株式ノ質権者ハ其ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録スルニ非ザレバ其ノ質権ヲ以テ会社其ノ他ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
2 第206条ノ2第3項ノ規定ハ前項ノ質権者ニ之ヲ準用ス

第208条 株式ノ消却、併合、分割、転換又ハ買取アリタルトキハ従前ノ株式ヲ目的トスル質権ハ消却、併合、分割、転換又ハ買取ニ因リテ株主ガ受クベキ金銭又ハ株式ノ上ニ存在ス

第209条 株式ヲ以テ質権ノ目的ト為シタル場合ニ於テ会社ガ質権設定者ノ請求ニ依リ質権者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録シ且其ノ氏名ヲ株券ニ記載シタルトキ(株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アルトキハ質権者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録シタルトキ)ハ質権者ハ会社ヨリ利益若ハ利息ノ配当、残余財産ノ分配又ハ前条ノ金銭ノ支払ヲ受ケ他ノ債権者ニ先チテ自己ノ債権ノ弁済ニ充ツルコトヲ得
2 民法第367条第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
3 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合ヲ除クノ外第1項ノ質権者アルトキハ会社ハ前条ノ株主ノ受クベキ株券ヲ其ノ質権者ニ引渡スコトヲ要ス但シ其ノ株主ガ其ノ株券ノ交付ヲ受クルニ付会社ニ旧株券ノ提出ヲ要スル場合ニ於テハ其ノ提出アル迄ノ間ハ此ノ限ニ在ラズ
4 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テ第1項ノ質権者アルトキハ会社ハ前条ノ株主ノ受クベキ株式ニ付其ノ質権者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於ケル同項ノ規定ノ適用ニ付テハ同項中「会社ガ質権設定者ノ請求ニ依リ質権者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録シ且其ノ氏名ヲ株券ニ記載シタルトキ(株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アルトキハ質権者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録シタルトキ)」トアルハ「会社ガ前条ノ株主ノ受クベキ株式ニ付質権者ノ氏名及住所ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録シタルトキ」トス

第210条 会社ガ自己ノ株式ヲ買受クルニハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外定時総会ノ決議アルコトヲ要ス
2 前項ノ決議ハ左ニ掲グル事項ニ付之ヲ為スコトヲ要ス
 1 決議後最初ノ決算期ニ関スル定時総会ノ終結ノ時迄ニ買受クベキ株式ノ種類、総数及取得価額ノ総額
 2 特定ノ者ヨリ買受クルトキハ其ノ者
3 前項第1号ノ取得価額ノ総額ハ貸借対照表上ノ純資産額ヨリ第290条第1項各号ノ金額及定時総会ニ於テ利益ヨリ配当シ若ハ支払フモノト定メ又ハ資本ニ組入レタル額ノ合計額ヲ控除シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ
4 第1項ノ定時総会ニ於テ左ノ各号ニ掲グル決議ヲ為シタルトキハ前項ノ合計額ヨリ其ノ各号ニ定ムル額ヲ控除シタル額ヲ同項ノ合計額ト看做ス
 1 第289条第2項ノ資本準備金又ハ利益準備金ノ減少ノ決議 減少スベキ資本準備金及利益準備金ノ合計額ヨリ同項第1号ニ定ムル金額ヲ控除シタル額
 2 第375条第1項ノ資本減少ノ決議 減少スベキ資本ノ額ヨリ同項第1号及第2号ニ定ムル金額ノ合計額ヲ控除シタル額
 3 損失ノ処理ニ関スル議案ノ承認ノ決議 第289条第1項ニ規定スル資本ノ欠損ノ填補ニ充ツルベキ額
5 第2項第2号ニ定ムルトキハ第1項ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依リ之ヲ為スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ第204条ノ3ノ2第3項及第4項ノ規定ヲ準用ス
6 第1項ノ決議ヲ為ス場合ニ於ケル議案ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス第2項第2号ニ掲グル事項ニ関スル議案ノ要領ヲ記載又ハ記録スルトキハ次項ノ規定ニ依ル請求アリ得ベキコトヲモ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
7 株主ハ第2項第2号ニ掲グル事項ニ関スル議案ノ要領ガ記載又ハ記録セラレタル前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ取締役ニ対シ会日ヨリ5日前ニ書面ヲ以テ其ノ事項ニ係ル議案ヲ売主ニ自己ヲモ加ヘタルモノト為スベキコトヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第256条ノ3第7項ノ規定ヲ準用ス
8 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
9 第1項ノ決議ニ基キ株式ヲ買受クルニハ市場ニ於テスル取引又ハ証券取引法(昭和23年法律第25号)第2章の2第2節ニ定ムル公開買付けノ方法ニ依ルコトヲ要ス但シ第2項第2号ニ掲グル事項ニ付決議アルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第210条ノ2 会社ハ其ノ営業年度ノ終ニ於テ貸借対照表上ノ純資産額ガ第290条第1項各号ノ金額ノ合計額ヲ下ル虞アルトキハ第204条ノ3第1項(第204条ノ5第1項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、前条第1項、第211条ノ3第1項又ハ第224条ノ5第2項(第224条ノ6ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ株式ヲ買受クルコトヲ得ズ
2 営業年度ノ終ニ於テ前項ノ純資産額ガ同項ノ合計額ヲ下リタル場合ニ於テハ前項ニ規定スル規定ニ依リ買受ヲ為シタル取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ差額、若シ其ノ営業年度ニ於テ同項ニ規定スル規定ニ依リ買受ケタル株式ノ取得価額ノ総額ヨリ其ノ株式中既ニ処分シタル株式ノ価額ノ総額ヲ控除シタル残額ガ其ノ差額ヨリ少ナキトキハ其ノ残額ニ付賠償ノ責ニ任ズ但シ取締役ガ前項ノ虞ナキモノト認ムルニ付注意ヲ怠ラザリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
3 第266条第2項第3項及第5項ノ規定ハ前項ノ取締役ノ責任ニ之ヲ準用ス

第211条 会社ガ有スル自己ノ株式ヲ処分スル場合ニ於テハ左ノ事項ハ取締役会之ヲ決ス但シ本法ニ別段ノ定アルトキ又ハ定款ヲ以テ株主総会ガ之ヲ決スル旨ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 1 処分スベキ株式ノ種類及数
 2 処分スベキ株式ノ価額及払込期日
 3 特定ノ者ニシテ之ニ対シ特ニ有利ナル価額ヲ以テ株式ヲ譲渡スベキモノ並ニ之ニ対シ譲渡ス株式ノ種類、数及価額
2 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ前項第1号及第2号ニ掲グル事項ニ付第343条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス
3 第175条第1項第3項乃至第9項、第176条、第177条第2項、第178条、第190条、第280条ノ2第2項乃至第5項、第280条ノ3、第280条ノ3ノ2、第280条ノ6、第280条ノ7、第280条ノ9乃至第280条ノ11及第280条ノ15乃至第280条ノ18ノ規定ハ第1項ノ決議ニ基キ株式ヲ処分スル場合ニ、第280条ノ2第3項及第4項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス但シ第1項第3号ニ掲グル事項ニ付決議アル場合ハ第280条ノ3及第280条ノ3ノ2ノ規定ハ之ヲ準用セズ

第211条ノ2 他ノ株式会社ノ総株主ノ議決権ノ過半数又ハ他ノ有限会社ノ総社員ノ議決権ノ過半数ヲ有スル会社(以下親会社ト称ス)ノ株式ハ左ノ場合ヲ除クノ外其ノ株式会社又ハ有限会社(以下子会社ト称ス)之ヲ取得スルコトヲ得ズ
 1 株式交換、株式移転、会社ノ分割、合併又ハ他ノ会社ノ営業全部ノ譲受ニ因ルトキ
 2 会社ノ権利ノ実行ニ当リ其ノ目的ヲ達スル為必要ナルトキ
2 前項各号ノ場合ニ於テハ子会社ハ相当ノ時期ニ親会社ノ株式ノ処分ヲ為スコトヲ要ス株式会社又ハ有限会社ガ子会社トナリタルコトヲ知リタル際ニ親会社ノ株式ヲ有スルトキ亦同ジ
3 他ノ株式会社ノ総株主ノ議決権ノ過半数ヲ親会社及子会社又ハ子会社ガ有スルトキハ本法ノ適用ニ付テハ其ノ株式会社モ亦其ノ親会社ノ子会社ト看做ス他ノ有限会社ノ総社員ノ議決権ノ過半数ヲ親会社及子会社又ハ子会社ガ有スルトキ亦同ジ
4 第1項及前項ニ規定スル議決権ニハ第222条第4項ニ規定スル議決権制限株式ニシテ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ如何ナル事項ニ付テモ之ヲナキモノト定メラレタル種類ノ株式及有限会社法(昭和13年法律第74号)第39条第1項但書ノ規定ニ依リ定款ヲ以テ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ如何ナル事項ニ付テモ之ヲナキモノト定メラレタル持分ニ付テノ議決権ヲ含マザルモノトス
5 第1項及第3項ノ規定ノ適用ニ付テハ第241条第3項ニ規定スル株式ヲ有スル株主ハ其ノ株式ニ付同条第1項ノ規定ニ依ル議決権ヲ、有限会社法第41条ニ於テ準用スル第241条第3項ニ規定スル持分ヲ有スル社員ハ其ノ持分ニ付有限会社法第39条第1項ノ規定ニ依ル議決権ヲ有スルモノト看做ス

第211条ノ3 会社ハ左ニ掲グル場合ニハ取締役会ノ決議ヲ以テ自己ノ株式ヲ買受クルコトヲ得
 1 其ノ子会社ノ有スル自己ノ株式ヲ買受クルトキ
 2 取締役会ノ決議ヲ以テ自己ノ株式ヲ買受クル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テ第210条第9項本文ニ規定スル方法ニ依リ自己ノ株式ヲ買受クルトキ
2 前項ノ決議ハ買受クベキ株式ノ種類、総数及取得価額ノ総額ニ付之ヲ為スコトヲ要ス
3 前項ノ取得価額ノ総額ハ最終ノ貸借対照表上ノ純資産額ヨリ第293条ノ5第3項第1号乃至第4号ノ金額及同条第1項ノ規定ニ依リ分配シタル金銭ノ額ノ合計額ヲ控除シタル残額ニ同条第3項第5号乃至第7号ノ金額ヲ加算シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ
4 第1項ノ決議ニ依リ自己ノ株式ヲ買受ケタル場合(同項第1号ニ掲グル場合ヲ除ク)ニ於テハ其ノ決議前ニ終結シタル最後ニ招集セラレタル定時総会ノ終結後ニ買受ケタル自己ノ株式ノ買受ヲ必要トシタル理由並ニ其ノ株式ノ種類、数及取得価額ノ総額ヲ同項ノ決議ニ依ル買受後最初ニ招集セラレタル定時総会ニ於テ報告スルコトヲ要ス

第212条 会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ其ノ有スル自己ノ株式ヲ消却スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ消却スベキ株式ノ種類及数ヲ定ムルコトヲ要ス
2 前項ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ会社ハ遅滞ナク株式失効ノ手続ヲ為スコトヲ要ス

第213条 株式ハ前条ノ規定ニ依ルノ外資本減少ノ規定ニ従フ場合又ハ定款ノ規定ニ基キ株主ニ配当スベキ利益ヲ以テスル場合ニ非ザレバ之ヲ消却スルコトヲ得ズ
2 第215条第1項第2項及第220条第4項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ株式ヲ消却スル場合ニ之ヲ準用ス
3 前項ニ於テ準用スル第215条第1項ノ期間満了ノ時ニ第376条第1項及第2項ノ手続ガ未ダ終了セザルトキハ其ノ終了ノ時ニ於テ株式ノ消却ノ効力ヲ生ズ
4 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合又ハ発行済株式ノ全部ニ付第226条第1項但書若ハ第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テ第1項ノ規定ニ依リ株式ノ消却ヲ為サントスルトキハ会社ハ其ノ旨並ニ会社ノ定ムル一定ノ日、若シ其ノ日ニ於テ第376条第1項及第2項ノ手続ガ未ダ終了セザルトキハ其ノ終了ノ時ニ於テ其ノ効力ガ生ズル旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス

第214条 会社ハ第343条ニ定ムル決議ヲ以テ株式ノ併合ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ株式ノ併合ヲ為スコトヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス
2 前項ノ場合ニ於ケル議案ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
3 会社ハ第1項ノ決議ニ於テ併合ニ適スル株式ノ数ヲ記載シタル株券ハ会社ニ提出スルコトヲ要セサル旨ヲ定ムルコトヲ得

第215条 株式ノ併合ヲ為サントスルトキハ会社ハ其ノ旨、一定ノ期間内ニ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨、其ノ期間内ニ会社ニ提出セラレザル株券(第3項ノ株券ヲ除ク)ハ無効トナル旨及前条第3項ノ規定ニ依ル定アルトキハ其ノ内容ヲ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 株式ノ併合ハ前項ノ期間満了ノ時ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ
3 前条第3項ノ規定ニ依ル定アルトキハ併合ニ適スル株式ノ数ノ記載アル株券ハ併合後ノ株式ノ数ヲ記載シタルモノト看做ス
4 前項ノ規定ハ同項ノ株券ヲ所持スル者カ之ヲ提出シテ新ナル株券ノ交付ヲ請求スルコトヲ妨ゲズ

第215条ノ2 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合又ハ発行済株式ノ全部ニ付第226条第1項但書若ハ第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テ株式ノ併合ヲ為サントスルトキハ会社ハ其ノ旨及会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ其ノ効力ガ生ズル旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス

第216条 株式ノ併合アリタル場合ニ於テ旧株券ヲ提出スルコト能ハザル者アルトキハ会社ハ其ノ者ノ請求ニ依リ利害関係人ニ対シ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公告シ其ノ期間経過後ニ於テ新株券ヲ交付スルコトヲ得但シ其ノ期間ハ3月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 前項ノ公告ノ費用ハ之ヲ請求者ノ負担トス

第217条 削除

第218条 会社ハ取締役会ノ決議ニ依リ株式ノ分割ヲ為スコトヲ得
2 前項ノ場合ニ於テハ第342条ノ規定ニ拘ラズ取締役会ノ決議ヲ以テ定款ヲ変更シテ会社ガ発行スル株式ノ総数ヲ株式ノ分割ノ割合ニ応ジテ増加スルコトヲ得但シ現ニ2以上ノ種類ノ株式ヲ発行シタル会社ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ

第219条 前条第1項ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ会社ハ株式ノ分割ヲ為ス旨及会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ株主名簿ニ記載又ハ記録アル株主ガ株式ノ分割ニ因リ株式ヲ受クル権利ヲ有スベキ旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス
2 株式ノ分割ハ前条第1項ノ決議ニ於テ別段ノ定ヲ為シタルトキヲ除クノ外前項ノ一定ノ日ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ
3 株式ノ分割ヲ為シタルトキハ会社ハ遅滞ナク第1項ノ株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニ対シテ其ノ株主ノ受クル株式ノ種類及数ヲ通知スルコトヲ要ス

第220条 株式ノ発行、併合又ハ分割ニ因リ1株ニ満タザル端数ヲ生ズルトキハ其ノ部分ニ付新ニ発行シタル株式ヲ競売シ且其ノ端数ニ応ジテ其ノ代金ヲ従前ノ株主ニ交付スルコトヲ要ス但シ端株原簿ニ記載又ハ記録スベキ端株ノ部分ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
2 会社ハ前項ノ規定ニ依ル競売ニ代ヘテ市場価格アル同項ノ株式ハ其ノ価格ヲ以テ、市場価格ナキ同項ノ株式ハ裁判所ノ許可ヲ得テ競売以外ノ方法ニ依リ之ヲ売却スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ会社ハ其ノ株式ヲ買受クルコトヲ得
3 第204条ノ4第4項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ買受クル場合ノ株式ノ移転ニ之ヲ準用ス
4 第1項ノ場合ニ於テ株券ヲ提出スルコト能ハザル者アルトキハ会社ハ其ノ者ノ請求ニ依リ利害関係人ニ対シ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公告シ其ノ期間経過後ニ於テ同項ノ代金ヲ交付スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第216条第1項但書及第2項ノ規定ヲ準用ス

第220条ノ2 取締役ハ端株原簿ヲ作リ株式ノ発行、併合若ハ分割ニ因リ1株ノ100分ノ1ノ整数倍ニ当ル端数ヲ生ジタルトキハ其ノ端数ヲ端株トシテ之ニ付又ハ会社ガ端株主ノ有スル端株ヲ買取リ若ハ自己ノ有スル株式1株ヲ分チテ端株ヲ有スルコトトナリタルトキハ之ニ付端株原簿ニ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス但シ次条第1項第3号ノ権利ヲ与ヘザル旨ノ定款ノ定アルトキハ第4号ノ事項ニ付テハ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要セズ
 1 端株主ノ氏名及住所
 2 各端株主ノ有スル端株ノ種類及1株ニ対スル割合
 3 各端株ノ取得ノ年月日
 4 第222条ノ3ニ規定スル転換予約権付株式ニ係ル端株ナルトキハ第175条第2項第4号ノ5ニ掲グル事項
 5 第222条ノ9第1項ニ規定スル強制転換条項付株式ニ係ル端株ナルトキハ第175条第2項第4号ノ6ニ掲グル事項
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ端株原簿ニ之ヲ準用ス
3 会社ハ定款ヲ以テ端株原簿ニ記載又ハ記録スベキ端数ノ1株ニ対スル割合ニ付異ナル割合ヲ定メ又ハ1株ニ満タザル端数ヲ端株トシテ端株原簿ニ記載又ハ記録セザル旨ヲ定ムルコトヲ得
4 会社ノ成立後定款ヲ変更シテ前項ノ定ヲ設クル場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ其ノ変更ヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス
5 第206条第2項前段ノ規定ハ端株原簿ニ、前条第1項乃至第3項ノ規定ハ定款ノ変更ニ因リ端株ガ端株原簿ニ記載又ハ記録セラレザルモノトナリタル場合ニ之ヲ準用ス

第220条ノ3 端株主ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外株主トシテ左ニ掲グル権利以外ノ権利ヲ有セズ
 1 利益若ハ利息ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ受クル権利
 2 株式ノ消却、併合若ハ分割又ハ会社ノ株式交換、株式移転、分割若ハ合併ニ因リ金銭又ハ株式ヲ受クル権利
 3 株式ノ転換ヲ請求スル権利
 4 第280条ノ2第1項第5号、第280条ノ20第2項第12号又ハ第341条ノ3第1項第9号ノ引受権ヲ受クル権利
 5 残余財産ノ分配ヲ受クル権利
2 会社ハ定款ヲ以テ端株主ニ対シ前項第1号、第3号又ハ第4号ノ権利ヲ与ヘザル旨ヲ定ムルコトヲ得

第220条ノ4 会社ハ端株主トシテ権利ヲ行使スベキ者ヲ定ムル為一定ノ日ニ於テ端株原簿ニ記載又ハ記録アル端株主ヲ以テ其ノ権利ヲ行使スベキ端株主ト看做スコトヲ得
2 第224条ノ3第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ日ニ之ヲ準用ス

第220条ノ5 端株主ハ其ノ端株ト併セテ1株トナルベキ端株ヲ取得シタル時ニ株主トナル
2 会社ガ総会ニ於テ議決権ヲ行使スベキ株主ヲ定ムル為第224条ノ3第1項ノ規定ニ依リ一定ノ日ヲ定メタルトキハ其ノ日後ニ前項ノ規定ニ依リ株主トナリタル株主ハ其ノ総会ニ於テ議決権ヲ有セズ

第220条ノ6 端株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル端株ヲ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
2 市場価格アル株式ニ係ル端株ニ付前項ノ請求アリタルトキハ其ノ株式1株ノ請求ノ日ノ最終ノ市場価格ニ相当スル額ニ其ノ端株ノ1株ニ対スル割合ヲ乗ジタル額ヲ以テ売買価格トス
3 第204条ノ4第1項及第2項ノ規定ハ市場価格ナキ株式ニ係ル端株ニ付第1項ノ請求アリタル場合ニ之ヲ準用ス
4 前項ニ於テ準用スル第204条ノ4第1項ノ期間内ニ同項ノ決定ノ請求ナキトキハ最終ノ貸借対照表ニ依リ会社ニ現存スル純資産額ヲ発行済株式ノ総数ヲ以テ除シタル額ニ前項ノ端株ノ1株ニ対スル割合ヲ乗ジタル額ヲ以テ売買価格トス
5 第204条ノ4第4項ノ規定ハ第1項ノ請求アリタル場合ノ端株ノ移転ニ之ヲ準用ス

第220条ノ7 会社ハ定款ヲ以テ端株主ガ其ノ有スル端株ト併セテ1株トナルベキ端株ヲ売渡スベキ旨ヲ会社ニ請求スルコトヲ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テ端株主ノ請求アリタルトキハ其ノ請求アリタル時ニ会社ガ其ノ請求ニ依リ譲渡スベキ端株(第6項ノ株式ヲ含ム)ヲ有セザル場合ヲ除クノ外自己ノ有スル端株ヲ其ノ端株主ニ譲渡スコトヲ要ス
2 市場価格アル株式ニ係ル端株ニ付前項ノ請求アリタルトキハ其ノ株式1株ノ請求ノ日ノ最終ノ市場価格ニ相当スル額ニ同項ノ規定ニ依リ会社ガ譲渡スベキ端株ノ1株ニ対スル割合ヲ乗ジタル額ヲ以テ売買価格トス
3 第204条ノ4第1項及第2項ノ規定ハ市場価格ナキ株式ニ係ル端株ニ付第1項ノ請求アリタル場合ニ之ヲ準用ス
4 前項ニ於テ準用スル第204条ノ4第1項ノ期間内ニ同項ノ決定ノ請求ナキトキハ最終ノ貸借対照表ニ依リ会社ニ現存スル純資産額ヲ発行済株式ノ総数ヲ以テ除シタル額ニ第1項ノ規定ニ依リ会社ガ譲渡スベキ端株ノ1株ニ対スル割合ヲ乗ジタル額ヲ以テ売買価格トス
5 第204条ノ4第4項ノ規定ハ第1項ノ請求アリタル場合ノ端株ノ譲渡ニ之ヲ準用ス
6 第1項ノ請求ヲ為シタル端株主ニ端株ヲ譲渡スベキ場合ニ於テハ会社ハ自己ノ有スル株式1株ヲ分チテ之ヲ端株トシテ譲渡スコトヲ得

第221条 会社ハ定款ヲ以テ一定ノ数ノ株式ヲ以テ1単元ノ株式トスル旨ヲ定ムルコトヲ得但シ1単元ノ株式ノ数ハ1000及発行済株式ノ総数ノ200分ノ1ニ当ル数ヲ超ユルコトヲ得ズ
2 1単元ノ株式ノ数ヲ減少シ又ハ其ノ数ノ定ヲ廃止スル場合ニ於テハ第342条ノ規定ニ拘ラズ取締役会ノ決議ヲ以テ定款ノ変更ヲ為スコトヲ得
3 会社ガ数種ノ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ1単元ノ株式ノ数ハ株式ノ種類毎ニ之ヲ定ムルコトヲ要ス
4 1単元ノ株式ノ数ヲ定メタル会社ハ第220条ノ2第3項ノ規定ニ依リ定款ヲ以テ1株ニ満タザル端数ヲ端株トシテ端株原簿ニ記載又ハ記録セザル旨ヲ定メタルモノト看做ス
5 会社ハ定款ヲ以テ1単元ノ株式ノ数ニ満タザル株式(以下本条及次条ニ於テ単元未満株式ト称ス)ニ係ル株券ヲ発行セザル旨ヲ定ムルコトヲ得但シ会社ガ株主ノ為ニ必要ト認ムルトキハ定款ノ定ニ拘ラズ単元未満株式ニ係ル株券ヲ発行スルコトヲ妨ゲズ
6 第220条ノ2第4項ノ規定ハ会社ノ成立後定款ヲ変更シテ第1項本文ノ定ヲ設クル場合ニ、第219条第1項及第2項ノ規定ハ第2項ノ場合ニ、第220条ノ6ノ規定ハ単元未満株式ニ之ヲ準用ス
7 前項ニ於テ準用スル第220条ノ6第1項ノ請求ヲ為シタル株主ノ有スル単元未満株式ニ付株券ガ発行セラレタルトキハ其ノ株主ハ其ノ請求ニ際シテ其ノ株券ヲ会社ニ提出スルコトヲ要ス

第221条ノ2 会社ハ定款ヲ以テ単元未満株式ヲ有スル株主ガ其ノ単元未満株式ノ数ト併セテ1単元ノ株式ノ数トナルベキ数ノ株式ヲ売渡スベキ旨ヲ会社ニ請求スルコトヲ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テ株主ノ請求アリタルトキハ其ノ請求アリタル時ニ会社ガ其ノ請求ニ依リ譲渡スベキ数ノ株式ヲ有セザル場合ヲ除クノ外自己ノ有スル株式ヲ其ノ株主ニ譲渡スコトヲ要ス
2 前項ノ請求ヲ為シタル株主ノ有スル単元未満株式ニ付株券ガ発行セラレタルトキハ其ノ株主ハ其ノ請求ニ際シテ其ノ株券ヲ会社ニ提出シテ1単元ノ株式ノ数ノ株式ニ係ル株券ノ交付ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ株主ガ会社ニ提出シタル株券ハ次項ニ於テ準用スル第204条ノ4第4項ノ代金ノ支払ノ時ニ無効トナル
3 第220条ノ7第2項乃至第4項及第204条ノ4第4項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第222条 会社ハ左ニ掲グル事項ニ付内容ノ異ル数種ノ株式ヲ発行スルコトヲ得但シ第6号ニ掲グル事項ニ付内容ノ異ル数種ノ株式ヲ発行スルニハ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アルコトヲ要ス
 1 利益又ハ利息ノ配当
 2 残余財産ノ分配
 3 株式ノ買受
 4 利益ヲ以テスル株式ノ消却
 5 株主総会ニ於テ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ事項
 6 其ノ種類ノ株主ノ総会(他ノ種類ノ株主ト共同シテ開催スルモノヲ含ム)ニ於ケル取締役又ハ監査役ノ選任
2 前項ノ場合ニ於テハ定款ヲ以テ各種ノ株式ノ内容及数ヲ定ムルコトヲ要ス
3 利益ノ配当ニ関シ内容ノ異ル種類ノ株式ニシテ会社ノ成立後発行スルモノノ内容中配当スベキ額ニ付テハ前項ノ規定ニ拘ラズ定款ヲ以テ第280条ノ2第1項ノ株主総会又ハ取締役会ガ之ヲ定ムル旨ヲ定ムルコトヲ得但シ定款ヲ以テ配当スベキ額ニ付其ノ上限額其ノ他ノ算定ノ基準ノ要綱ヲ定メタルトキニ限ル
4 会社ハ定款ヲ以テ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ事項ニ付制限アル種類ノ株式(以下議決権制限株式ト称ス)ニ関シ之ヲ有スル株主ガ左ノ規定ノ全部又ハ一部ノ適用ニ付議決権ヲ有セザルモノトスル旨ヲ定ムルコトヲ得
 1 総株主ノ議決権ノ100分ノ1、100分ノ3又ハ10分ノ1以上ヲ有スル株主ノ権利ノ行使ニ付テノ規定
 2 第245条ノ5第6項、第358条第8項、第374条ノ23第8項又ハ第413条ノ3第8項ノ規定
5 議決権制限株式ノ総数ハ発行済株式ノ総数ノ2分ノ1ヲ超ユルコトヲ得ズ
6 前項ノ規定ニ拘ラズ1単元ノ株式ノ数ヲ定メタル会社ニ於テハ議決権制限株式ニ付テ存スル単元ノ数ハ発行済株式ノ全部ニ付テ存スル単元ノ数ノ2分ノ1ヲ超ユルコトヲ得ズ
7 会社ハ第1項第6号ニ掲グル事項ニ付内容ノ異ル数種ノ株式ヲ発行スルニハ全部ノ種類ノ株式ニ付定款ヲ以テ第2項ニ規定スル株式ノ内容トシテ左ニ掲グル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
 1 其ノ種類ノ株主ガ取締役又ハ監査役ヲ選任スルコトノ可否及可トスル場合ニ於ケル選任スルコトヲ得ベキ取締役又ハ監査役ノ数
 2 前号ノ定ニ依リ選任スルコトヲ得ベキ取締役又ハ監査役ノ全部又ハ一部ヲ他ノ種類ノ株主ト共同シテ選任スルモノト為ストキハ其ノ株主ノ有スル株式ノ種類及共同シテ選任スル取締役又ハ監査役ノ数
 3 前2号ニ定ムル事項ヲ変更スル条件アルトキハ其ノ条件及其ノ条件ガ成就シタル場合ニ於ケル変更後ノ前2号ニ掲グル事項
8 第5項及第6項ノ規定ハ第1項第6号ニ掲グル事項ニ付内容ノ異ル種類ノ株式ニシテ取締役又ハ監査役ヲ選任スルコト能ハザルモノニ之ヲ準用ス
9 会社ガ数種ノ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ定款ヲ以テ法令又ハ定款ノ定ニ依リ株主総会又ハ取締役会ニ於テ決議スベキ事項ノ全部又ハ一部ニ付其ノ決議ノ外或種類ノ株主ノ総会ノ決議ヲ要スルモノヲ定ムルコトヲ得
10 株主総会ニ関スル規定ハ前項ノ総会ニ之ヲ準用ス
11 第1項ノ場合ニ於テハ定款ニ定ナキトキト雖モ新株ノ引受、株式ノ併合、分割、買受若ハ消却、株式交換、株式移転、会社ノ分割若ハ合併ニ因ル株式ノ割当、新株予約権若ハ新株予約権付社債ノ引受又ハ資本若ハ資本準備金若ハ利益準備金ノ減少ニ伴フ払戻ニ関シ株式ノ種類ニ従ヒ格別ノ定ヲ為スコトヲ得

第222条ノ2 会社ガ数種ノ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ定款ヲ以テ株主ガ其ノ引受ケタル株式ヲ他ノ種類ノ株式ニ転換スルコトヲ請求シ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得
2 前項ノ場合ニ於テハ定款ヲ以テ転換ノ請求ニ因リテ発行スベキ株式ノ内容ヲ定ムルコトヲ要ス転換ノ条件又ハ転換ヲ請求シ得ベキ期間ニシテ定款ニ定ナキモノハ会社ノ設立ニ際シテハ発起人全員ノ同意ヲ以テ之ヲ定メ会社ノ成立後ニ於テハ定款ニ株主総会ガ之ヲ決スル旨ノ定アルトキヲ除クノ外取締役会之ヲ決ス
3 前条第2項ノ規定ニ依リテ定ムル数種ノ株式ノ数ノ中転換ノ請求ニ因リテ発行スベキ株式ノ数ハ前項ノ期間内之ヲ留保スルコトヲ要ス

第222条ノ3 転換ニ転換ノ請求ニ因リテ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ニ依リ株主ガ他ノ種類ノ株式ニ転換スルコトヲ請求シ得ベキ株式(以下転換予約権付株式ト称ス)ノ発行価額ヲ以テ転換ニ因リテ発行スル株式ノ発行価額トス

第222条ノ4 削除

第222条ノ5 株式ノ転換ヲ請求スル者ハ請求書ニ株券ヲ添付シテ之ヲ会社ニ提出スルコトヲ要ス但シ株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アルトキ及端株ニ付テノ転換ノ請求ヲ為ストキハ請求書ノミノ提出ヲ以テ足ル
2 前項ノ請求書ニハ転換セントスル株式ノ数及請求ノ年月日ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
3 株式ノ転換ヲ請求スル者ハ第1項ノ請求書ノ提出ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ会社ノ承諾ヲ得テ同項ノ請求書ニ記載スベキ情報ヲ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ者ハ同項ノ請求書ヲ提出シタルモノト看做ス
4 第204条ノ2第3項ノ規定ハ前項ノ会社ノ承諾ニ、第204条ノ3第4項ノ規定ハ第1項本文ノ株券ニ、第33条ノ2第2項ノ規定ハ前項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於テ其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ之ヲ準用ス

第222条ノ6 転換予約権付株式ノ転換ハ其ノ請求ヲ為シタル時ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ但シ利益又ハ利息ノ配当ニ付テハ定款又ハ取締役会ノ決議ヲ以テ其ノ請求ヲ為シタル時ノ属スル営業年度又ハ其ノ前営業年度ノ終ニ於テ転換アリタルモノト看做スコトヲ得

第222条ノ7 株式ノ転換ノ請求ニ因ル変更ノ登記ハ毎月末日現在ニ依リ同日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ之ヲ為スコトヲ要ス

第222条ノ8 会社ガ数種ノ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ定款ヲ以テ定款ニ定ムル事由ガ生ジタルトキハ会社ガ其ノ発行シタル或種類ノ株式ヲ他ノ種類ノ株式ニ転換スルコトヲ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ定款ヲ以テ転換ニ因リテ発行スベキ株式ノ内容及転換ノ条件ヲ定ムルコトヲ要ス

第222条ノ9 会社ガ前条ノ規定ニ依リ会社ガ他ノ種類ノ株式ニ転換スルコトヲ得ベキ株式(以下強制転換条項付株式ト称ス)ノ転換ヲ為ス場合ニ於テハ転換セラルベキ強制転換条項付株式ハ取締役会之ヲ決ス
2 前項ノ決議ヲ為シタルトキハ会社ハ其ノ旨、一定ノ期間内ニ其ノ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨、其ノ期間内ニ会社ニ提出セラレザル株券ハ無効トナル旨及転換セラルベキ強制転換条項付株式ヲ公告シ且其ノ強制転換条項付株式ニ付テノ株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
3 強制転換条項付株式ノ転換ハ前項ノ期間満了ノ時ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ
4 第216条ノ規定ハ第1項ノ決議ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス
5 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合又ハ発行済株式ノ全部ニ付第226条第1項但書若ハ第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テ第1項ノ決議ヲ為シタルトキハ会社ハ其ノ旨、会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ転換ノ効力ガ生ズル旨及転換セラルベキ強制転換条項付株式ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス

第222条ノ10 第222条ノ2第3項ノ規定ハ強制転換条項付株式ノ発行ノ場合ニ、第222条ノ3及第222条ノ6但書ノ規定ハ強制転換条項付株式ノ転換ノ場合ニ之ヲ準用ス

第223条 取締役ハ株主名簿ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 株主ノ氏名及住所
 2 各株主ノ有スル株式ノ種類及数
 3 各株主ノ有スル株式ニ付株券ヲ発行シタルトキハ其ノ株券ノ番号
 4 各株式ノ取得ノ年月日
 5 転換予約権付株式ヲ発行シタルトキハ第175条第2項第4号ノ5ニ掲グル事項
 6 強制転換条項付株式ヲ発行シタルトキハ第175条第2項第4号ノ6ニ掲グル事項
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ株主名簿ニ之ヲ準用ス

第224条 会社ノ株主ニ対スル通知又ハ催告ハ株主名簿ニ記載又ハ記録シタル株主ノ住所又ハ其ノ者ガ会社ニ通知シタル宛先ニ対シ発スルヲ以テ足ル
2 本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外電子情報処理組織ヲ使用スル方法其ノ他ノ情報通信ノ技術ヲ利用スル方法ニ依リ前項ノ通知又ハ催告ヲ為ス場合ニ於テハ政令ニ定ムル所ニ依リ株主ノ承諾ヲ得テ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ之ヲ為スコトヲ要ス
3 前2項ノ通知又ハ催告ハ通常其ノ到達スベカリシ時ニ到達シタルモノト看做ス
4 前3項ノ規定ハ株式申込人、株式引受人、質権者又ハ端株主ニ対スル通知又ハ催告ニ之ヲ準用ス

第224条ノ2 前条第1項ノ住所又ハ宛先ニ対シ発シタル通知及催告ガ継続シテ5年間到達セザリシトキハ会社ノ株主ニ対スル通知及催告ハ之ヲ為スコトヲ要セズ
2 前項ノ場合ニ於テハ其ノ株主ニ対スル会社ノ義務ノ履行ノ場所ハ会社ノ本店トス
3 前2項ノ規定ハ質権者又ハ端株主ニ之ヲ準用ス

第224条ノ3 会社ハ議決権ヲ行使シ又ハ配当ヲ受クベキ者其ノ他株主又ハ質権者トシテ権利ヲ行使スベキ者ヲ定ムル為一定ノ日ニ於テ株主名簿ニ記載アル株主又ハ質権者ヲ以テ其ノ権利ヲ行使スベキ株主若ハ質権者ト看做スコトヲ得
2 前項ノ日ハ株主又ハ質権者トシテ権利ヲ行使スベキ日ノ前3月内ニ於テ之ヲ定ムルコトヲ要ス
3 会社ハ第1項ノ日ヲ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス但シ定款ヲ以テ其ノ期間又ハ日ヲ指定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第224条ノ4 会社ハ左ノ各号ノ何レニモ該当スル株式(株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ係ル株式ヲ除ク以下本条及次条ニ於テ同ジ)ニ付テハ取締役会ノ決議ヲ以テ其ノ株式ヲ競売スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ代金ヲ従前ノ株主ニ支払フコトヲ要ス
 1 其ノ株式ニ付株主名簿ニ記載又ハ記録アル株主ニ対シ第224条ノ2第1項ノ規定ニ依リ通知及催告ヲ為スコトヲ要セザルモノ
 2 其ノ株式ニ付前号ノ株主ガ継続シテ5年間会社の配当する利益又は利息の支払に関する法律(昭和23年法律第64号)第1項ニ規定スル住所等ニ於テ利益及利息ノ支払ヲ受領セザリシモノ
2 前項ノ株式ニ付株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者アル場合ニ於テハ其ノ質権者ガ左ノ各号ノ何レニモ該当スル者ナルトキニ限リ同項ノ規定ニ依リ其ノ株式ヲ競売スルコトヲ得
 1 第224条ノ2第3項ニ於テ準用スル同条第1項ノ規定ニ依リ通知及催告ヲ為スコトヲ要セザル者
 2 継続シテ5年間会社の配当する利益又は利息の支払に関する法律第1項ニ規定スル住所等ニ於テ利益及利息ノ支払ヲ受領セザリシ者

第224条ノ5 会社ハ前条第1項ノ取締役会ノ決議アリタルトキハ同項ノ規定ニ依ル競売ニ代ヘテ市場価格アル同項ノ株式ハ其ノ価格ヲ以テ、市場価格ナキ同項ノ株式ハ裁判所ノ許可ヲ得テ競売以外ノ方法ニ依リ之ヲ売却スルコトヲ得
2 前項ノ場合ニ於テハ会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ同項ノ規定ニ依リ売却スル株式ヲ買受クルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第204条ノ4第4項及第211条ノ3第2項第3項ノ規定ヲ準用ス
3 会社ハ前条第1項ノ株式ノ競売又ハ売却ヲ為スニハ其ノ株式ニ付テノ第223条第1項第1号乃至第3号ニ掲グル事項、其ノ株式ヲ競売又ハ売却スル旨及利害関係人ニ対シ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公告シ且左ノ各号ニ掲グル者ニハ其ノ各号ニ定ムル場所ニ宛テテ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ期間ハ3月ヲ下ルコトヲ得ズ
 1 前条第1項第1号ノ株主(次号ニ掲グルモノヲ除ク) 株主名簿ニ記載又ハ記録シタル其ノ株主ノ住所及其ノ株主ガ第224条第1項ノ規定ニ依リ会社ニ通知シタル宛先
 2 前条第1項ノ株式ノ共有者ニシテ第203条第2項ノ規定ニ依リ権利ヲ行使スベキ者ト定メラレタル株主以外ノ株主 株主名簿ニ記載又ハ記録シタル其ノ株主ノ住所
 3 前条第1項ノ株式ニ付株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者アル場合ニ於ケル其ノ質権者 株主名簿ニ記載又ハ記録シタル其ノ質権者ノ住所及其ノ質権者ガ第224条第4項ニ於テ準用スル同条第1項ノ規定ニ依リ会社ニ通知シタル宛先
4 前条第1項ノ株式ニ係ル株券ガ発行セラレタル場合ニ於テ前項ノ期間内ニ利害関係人ガ異議ヲ述ベザリシトキハ其ノ株券ハ其ノ期間満了ノ時ニ無効トナル
5 前条第1項ノ株式ニ係ル株券ガ前項ノ規定ニ依リ無効トナリタル場合ニ於テ其ノ株式ヲ競売スルトキハ会社ハ其ノ競売ノ目的物トシテ其ノ株式ニ係ル株券ヲ再発行スルコトヲ要ス
6 第224条ノ6 第224条ノ4第1項及前条第1項乃至第3項(第3号ヲ除ク)ノ規定ハ端株ニ之ヲ準用ス

第225条 株券ニハ左ノ事項並ニ其ノ番号、発行ノ年月日、株式ノ数及株主ノ氏名ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
 1 会社ノ商号
 2 会社成立ノ年月日
 3 数種ノ株式アルトキハ其ノ株式ノ内容
 4 転換予約権付株式ナルトキハ第175条第2項第4号ノ5ニ掲グル事項
 5 強制転換条項付株式ナルトキハ第175条第2項第4号ノ6ニ掲グル事項
 6 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定メタルトキハ其ノ規定

第226条 会社ハ成立後又ハ新株ノ払込期日以後遅滞ナク株券ヲ発行スルコトヲ要ス但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テ株主ヨリ株券発行ノ請求ナキトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 株券ハ会社ノ成立後又ハ新株ノ払込期日以後ニ非ザレバ之ヲ発行スルコトヲ得ズ
3 前項ノ規定ニ違反シテ発行シタル株券ハ無効トス但シ株券ヲ発行シタル者ニ対スル損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ

第226条ノ2 株主ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外株券ノ所持ヲ欲セザル旨ヲ会社ニ申出ヅルコトヲ得此ノ場合ニ於テ既ニ発行セラレタル株券アルトキハ之ヲ会社ニ提出スルコトヲ要ス
2 前項ノ申出アリタルトキハ会社ハ遅滞ナク株券ヲ発行セザル旨ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
3 会社ガ前項ノ規定ニ依ル記載又ハ記録ヲ為シタルトキハ株券ノ発行ハ之ヲ為スコトヲ得ズ且第1項後段ノ規定ニ依リ会社ニ提出セラレタル株券ハ之ヲ無効トス
4 第1項ノ申出ヲ為シタル株主ハ何時ニテモ株券ノ発行ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ同項後段ノ規定ニ依リ会社ニ提出セラレタル株券アルトキハ其ノ株券ニ係ル株券発行ニ要スル費用ハ株主ノ負担トス

第227条 会社ハ定款ヲ以テ株券ヲ発行セザル旨ヲ定ムルコトヲ得
2 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル会社ニ付テハ第204条第2項、第204条ノ3第6項第7項(此等ノ規定ヲ第204条ノ5第1項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第205条、第207条、第213条第2項第3項、第214条第3項、第215条、第216条、第220条第4項、第221条第5項、第222条ノ9第2項乃至第4項、第226条、第226条ノ2、第230条ノ6第1項乃至第3項、第230条ノ7第1項第2項第4項、第245条ノ3第6項前段(第245条ノ5第5項、第349条第2項、第355条第2項(第371条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第358条第7項、第374条ノ3第2項(第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第374条ノ23第7項、第408条ノ3第2項及第413条ノ3第7項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第280条ノ17第2項(第211条第3項及第363条第5項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第280条ノ20第2項第9号、第350条(同条第1項及第3項ノ規定ヲ第362条第2項、第374条ノ31第2項及第416条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第359条、第368条及第413条ノ4ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第228条 発行済株式ノ全部ニ付第226条第1項但書又ハ第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テハ第213条第2項第3項、第214条第3項、第215条、第216条、第220条第4項、第222条ノ9第2項乃至第4項、第230条ノ7第1項第2項第4項、第280条ノ17第2項(第211条第3項及第363条第5項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第350条(同条第1項及第3項ノ規定ヲ第362条第2項、第374条ノ31第2項及第416条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第359条、第368条及第413条ノ4ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第228条ノ2 第227条第2項及前条ノ場合ニ於テハ第213条第4項、第215条ノ2、第219条第1項(第221条第6項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第222条ノ9第5項、第224条ノ3第3項(第220条ノ4第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第280条ノ4第3項(第280条ノ25第3項及第341条ノ15第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第280条ノ17第3項(第211条第3項及第363条第5項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第350条ノ2(第362条第2項、第374条ノ31第2項及第416条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第374条ノ7第1項(第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ公告ニ代ヘテ其ノ公告スベキ事項ヲ株主、端株主、株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者及新株ノ引受権又ハ新株予約権ヲ有スル者ニ通知スルコトヲ得

第229条 小切手法第21条ノ規定ハ株券ニ之ヲ準用ス

第230条 株券ヲ喪失シタル者ハ会社ニ対シ株券喪失登録ノ申請ヲ為スコトヲ得但シ株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項ノ株券喪失登録ノ申請ヲ為ス者ハ申請書ニ同項ノ株券ノ取得ノ事実及其ノ株券ノ喪失ノ事実ヲ証スル資料其ノ他ノ法務省令ニ定ムル資料ヲ添付シテ之ヲ会社ニ提出スルコトヲ要ス但シ其ノ申請ヲ為ス者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ株主又ハ質権者トシテ株主名簿ニ記載又ハ記録セラレタル者(以下本節ニ於テ名義人ト称ス)ナルトキハ其ノ株券ノ喪失ノ事実ヲ証スル資料ノミヲ添付スルヲ以テ足ル
3 前項ノ申請書ニハ同項ノ株券喪失登録ノ申請ヲ為ス者ノ住所及株券ノ番号ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
4 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ第2項ノ申請書ノ提出ニ、第204条ノ3第4項及第239条ノ2第3項本文ノ規定ハ第2項ノ資料ニ、第33条ノ2第2項ノ規定ハ本項ニ於テ準用スル第222条ノ5第3項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於テ其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ之ヲ準用ス

第230条ノ2 取締役ハ株券喪失登録簿ヲ作リ前条第1項ノ株券喪失登録ノ申請アリタルトキハ之ニ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 其ノ申請ニ係ル株券ノ番号
 2 前号ノ株券ヲ喪失シタル者ノ氏名及住所
 3 第1号ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ノ氏名及住所
 4 株券喪失登録ノ日
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ株券喪失登録簿ニ、第224条第1項乃至第3項ノ規定ハ株券ヲ喪失シタル者トシテ株券喪失登録簿ニ記載又ハ記録セラレタル者(以下株券喪失登録者ト称ス)ニ対スル通知ニ之ヲ準用ス
3 株券喪失登録ガ為サレタル場合ニ於テ其ノ株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ニ非ザルトキハ会社ハ遅滞ナク其ノ名義人ニ対シ其ノ株券ニ付株券喪失登録ガ為サレタル旨及其ノ株券ガ無効トナルベキ日ヲ通知スルコトヲ要ス
4 会社ガ株券ニ付名義書換代理人ヲ置キタルトキハ其ノ名義書換代理人ハ株券喪失登録ノ手続ニ付会社ヲ代理ス

第230条ノ3 株券喪失登録ノ為サレタル株券ガ其ノ株券ニ係ル株式ニ付テノ権利ノ行使ノ為会社ニ提出セラレタルトキハ会社ハ遅滞ナク其ノ株券ヲ提出シタル者ニ対シ其ノ株券ニ付株券喪失登録ガ為サレタル旨ヲ通知スルコトヲ要ス

第230条ノ4 株券喪失登録ノ為サレタル株券ヲ所持スル者(其ノ株券ニ付テノ株券喪失登録者ヲ除ク)ハ会社ニ対シ其ノ株券喪失登録ニ付登録異議ノ申請ヲ為スコトヲ得但シ其ノ株券喪失登録ノ為サレタル日ノ翌日ヨリ起算シテ1年ヲ経過シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項ノ登録異議ノ申請ヲ為ス者ハ申請書ニ株券喪失登録ノ為サレタル株券ヲ添付シ之ヲ会社ニ提出スルコトヲ要ス
3 前項ノ申請書ニハ同項ノ登録異議ノ申請ヲ為ス者ノ住所及其ノ株券ニ係ル株券喪失登録ガ第6項ノ規定ニ依リ抹消セラルル日ニ名義書換ヲ為スベキ旨ヲ請求スルトキハ其ノ旨ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
4 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ第2項ノ申請書ノ提出ニ、第204条ノ3第4項ノ規定ハ第2項ノ株券ニ、第33条ノ2第2項ノ規定ハ本項ニ於テ準用スル第222条ノ5第3項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於テ其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ之ヲ準用ス
5 第1項ノ登録異議ノ申請アリタルトキハ会社ハ遅滞ナク株券喪失登録者ニ対シ其ノ申請ヲ為シタル者ノ氏名及住所並ニ第2項ノ株券ノ番号ヲ通知スルコトヲ要ス
6 前項ノ通知ノ為サレタル日ヨリ2週間ヲ経過シタル日ニ会社ハ第2項ノ規定ニ依リ提出セラレタル株券ニ係ル株券喪失登録ヲ抹消スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ会社ハ其ノ株券ヲ第1項ノ登録異議ノ申請ヲ為シタル者ニ返還スルコトヲ要ス

第230条ノ5 株券喪失登録者ハ会社ニ対シ其ノ株券喪失登録ノ抹消ノ申請ヲ為スコトヲ得
2 前項ノ抹消ノ申請ヲ為ス者ハ申請書ヲ会社ニ提出スルコトヲ要ス
3 前項ノ申請書ニハ同項ノ抹消ノ申請ヲ為ス者ノ住所及株券ノ番号ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
4 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ第2項ノ申請書ノ提出ニ、第33条ノ2第2項ノ規定ハ本項ニ於テ準用スル第222条ノ5第3項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於テ其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ之ヲ準用ス
5 第1項ノ抹消ノ申請ノ為サレタル日ニ会社ハ其ノ申請ニ係ル株券喪失登録ヲ抹消スルコトヲ要ス
6 株券喪失登録ノ為サレタル株券ガ第351条第1項ノ一定ノ日ニ無効トナリタル場合ニ於テ其ノ株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ナルトキハ会社ハ其ノ日ニ其ノ株券喪失登録ヲ抹消スルコトヲ要ス
7 前2項ノ規定ハ前条第3項ノ規定ニ依ル請求アリタル場合ニ於テ株券喪失登録ノ為サレタル株券ガ第351条第1項ノ一定ノ日ニ無効トナリタルトキハ之ヲ適用セズ

第230条ノ6 株券喪失登録ノ為サレタル株券ハ第230条ノ4第1項ノ登録異議ノ申請若ハ前条第1項ノ抹消ノ申請ガ為サレタル場合又ハ次条第2項(同条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ其ノ株券喪失登録ガ抹消セラレタル場合ヲ除キ其ノ株券喪失登録ノ為サレタル日ノ翌日ヨリ起算シテ1年ヲ経過シタル日ニ無効トナル此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株券喪失登録簿ニ其ノ株券ガ無効トナリタル旨及其ノ無効トナリタル日ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
2 前項ノ規定ニ依リ無効トナリタル株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ニ非ザルトキハ其ノ株券ニ付テハ会社ハ同項ノ規定ニ依リ其ノ株券ガ無効トナリタル日ニ其ノ株券喪失登録者ニ付名義書換ヲ為シタルモノト看做ス
3 株券喪失登録者ハ第1項ノ規定ニ依リ株券ガ無効トナリタル後ニ非ザレバ其ノ株券ノ再発行ヲ請求スルコトヲ得ズ
4 株券喪失登録ノ為サレタル株券ガ第351条第1項ノ一定ノ日ニ無効トナリタル場合ニ於テ其ノ株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ニ非ザルトキハ其ノ株式ニ付テハ会社ハ其ノ株券喪失登録ノ為サレタル日ノ翌日ヨリ起算シテ1年ヲ経過シタル日ニ其ノ株券喪失登録者ニ付名義書換ヲ為シタルモノト看做ス但シ其ノ株券喪失登録ニ付第230条ノ4第1項ノ登録異議ノ申請又ハ前条第1項ノ抹消ノ申請ガ為サレタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第230条ノ7 株券喪失登録者ガ其ノ株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ付第216条第1項(第222条ノ9第4項、第350条第3項(第362条第2項、第374条ノ31第2項及第416条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第359条第2項、第368条第2項及第413条ノ4第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下本条及次条第3項ニ於テ同ジ)ノ請求ヲ為シタルトキハ会社ハ第216条第1項ノ期間満了ノ日ガ前条第1項ノ規定ニ依リ其ノ株券ガ無効トナルベキ日前ニ到来スル場合ニ限リ第216条第1項ニ規定スル公告ヲ為スコトヲ得
2 前項ノ規定ニ依リ第216条第1項ニ規定スル公告ヲ為ストキハ会社ハ其ノ公告ヲ為シタル日ニ前項ノ株券ニ係ル株券喪失登録ヲ抹消スルコトヲ要ス
3 第1項ノ株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ニ非ザル場合ニ於テ同項ノ規定ニ依リ会社ガ第216条第1項ニ規定スル公告ヲ為シ且同項ノ期間内ニ利害関係人ガ異議ヲ述ベザリシトキハ其ノ株券ニ付テハ会社ハ其ノ期間満了ノ日ニ其ノ株券喪失登録者ニ付名義書換ヲ為シタルモノト看做ス
4 第1項及第2項ノ規定ハ株券喪失登録者ガ第220条第4項(第213条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ請求ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

第230条ノ8 株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ付テハ会社ハ第230条ノ4第6項、第230条ノ5第5項若ハ第6項若ハ前条第2項(同条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ株券喪失登録ガ抹消セラルル日、第230条ノ6第1項ノ規定ニ依リ株券ガ無効トナル日又ハ同条第4項ノ規定ニ依リ株券喪失登録者ニ付名義書換ヲ為シタルモノト看做サルル日迄ノ間ハ名義書換ヲ為スコトヲ得ズ
2 第219条第1項、第224条ノ3第1項、第280条ノ4第3項(第280条ノ25第3項及第341条ノ15第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム第5項ニ於テ同ジ)又ハ第374条ノ7第1項(第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ一定ノ日前ニ第230条ノ4第1項ノ登録異議ノ申請ガ為サレ且其ノ一定ノ日後ニ同条第6項ノ規定ニ依リ株券喪失登録ガ抹消セラレタルトキハ其ノ登録異議ノ申請ヲ為シタル者ニシテ同条第3項ノ請求ヲ為シタルモノヲ第219条第1項、第224条ノ3第1項、第280条ノ4第1項、第280条ノ25第1項(第341条ノ15第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第374条ノ7第1項(第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ規定スル権利ヲ有スベキ株主又ハ質権者ト看做ス
3 株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ニ非ザルトキハ会社ハ左ノ各号ニ掲グル場合ニ於テハ其ノ株式ニ付第1項ニ規定スル日(前条第2項(同条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ株券喪失登録ガ抹消セラレタルトキハ第216条第1項又ハ第220条第4項(第213条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ期間内ニ利害関係人ガ異議ヲ述ベザリシ場合ニ於ケル其ノ期間満了ノ日次項ニ於テ同ジ)迄ノ間ハ其ノ各号ニ定ムル行為ヲ為スコトヲ得ズ
 1 株式ノ併合、分割又ハ転換ニ因ル株式ノ発行ヲ為ス場合 其ノ株式ニ係ル株券ノ交付
 2 第220条第1項本文ノ規定ニ依ル金銭ノ交付ヲ為ス場合 其ノ金銭ノ交付
 3 株式ノ消却ニ伴フ支払又ハ資本若ハ資本準備金若ハ利益準備金ノ減少ニ伴フ払戻ヲ為ス場合 其ノ支払又ハ払戻
 4 会社ノ配当スベキ利益若ハ利息ノ支払又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ス場合 其ノ利益若ハ利息ノ支払又ハ金銭ノ分配
 5 新株、新株予約権又ハ新株予約権付社債ノ引受権ヲ与フル場合 其ノ引受権ノ付与
 6 第5項ノ規定ニ依リ株券喪失登録者ニ与ヘラレタル前号ノ引受権ノ行使ニ因リ会社ガ新株、新株予約権又ハ新株予約権付社債ノ発行ヲ為ス場合 其ノ新株ニ係ル株券、其ノ新株予約権ニ係ル新株予約権証券又ハ其ノ新株予約権付社債ニ係ル債券ノ交付
4 前項第1号ノ株式、同項第2号ノ金銭、同項第3号ノ支払及払戻ヲ為スベキモノ、同項第4号ノ利益、利息及金銭並ニ同項第6号ノ新株、新株予約権及新株予約権付社債ハ株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ係ル株式ニ付テノ第1項ニ規定スル日ニ於ケル名義人(第230条ノ6第2項若ハ第4項又ハ前条第3項ノ規定ニ依リ名義書換ヲ為シタルモノト看做サルル株券喪失登録者ヲ含ム)之ヲ取得ス
5 第3項第5号ノ引受権ハ第280条ノ4第3項ノ一定ノ日前ニ第230条ノ4第1項ノ登録異議ノ申請アリタル場合ヲ除クノ外同号ノ規定ニ拘ラズ株券喪失登録者ニ之ヲ与フ但シ会社ハ其ノ株券喪失登録者ニ対シ新株引受権証書ヲ交付スルコトヲ得ズ
6 第1項第3項(第4号乃至第6号ヲ除ク)及第4項ノ規定ハ左ノ各号ニ掲グル場合ニ於ケル其ノ各号ニ定ムル会社ガ為スベキ名義書換、株式ノ発行、金銭ノ交付及支払ニ之ヲ準用ス
 1 会社ガ完全子会社トナル株式交換ヲ為ス場合 其ノ株式交換ニ因リテ完全親会社トナル会社
 2 会社ガ株式移転ヲ為ス場合 其ノ株式移転ニ因リテ設立スル完全親会社
 3 会社ガ新設分割ヲ為ス場合 其ノ分割ニ因リテ設立スル会社
 4 会社ガ吸収分割ヲ為ス場合(其ノ会社ガ分割ヲ為ス会社ナル場合ニ限ル) 其ノ分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社
 5 会社ガ合併ニ因リテ消滅スル場合 其ノ合併後存続スル会社又ハ其ノ合併ニ因リテ設立スル会社
7 株券喪失登録ノ為サレタル株券ニ付テノ株券喪失登録者ガ其ノ株券ニ係ル株式ノ名義人ニ非ザルトキハ其ノ株式ニ付テハ株主(第2項ノ規定ニ依リ同項ニ規定スル権利ヲ有スベキモノト看做サルルモノヲ除ク)ハ議決権ヲ有セズ

第230条ノ9 本法ノ規定ニ依リ公告ニ従ヒテ一定ノ期間内又ハ一定ノ日迄ニ会社ニ提出スベキ株券ニシテ其ノ一定ノ期間内又ハ其ノ一定ノ日迄ニ会社ニ提出セラレザルモノモ亦第230条乃至前条ニ規定スル手続ニ依リ之ヲ無効ト為スコトヲ得

第230条ノ9ノ2 非訟事件手続法(明治31年法律第14号)第4編ノ規定ハ株券ニハ之ヲ適用セズ

第3節 会社ノ機関

第1款 株主総会

第230条ノ10 総会ハ本法又ハ定款ニ定ムル事項ニ限リ決議ヲ為スコトヲ得

第231条 総会ノ招集ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外取締役会之ヲ決ス

第232条 総会ヲ招集スルニハ会日ヨリ2週間前ニ各株主ニ対シテ書面ヲ以テ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル会社ニ於テハ其ノ期間ハ定款ヲ以テ1週間ヲ限度トシテ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ
2 総会ヲ招集スル者ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ノ発出ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ株主ノ承諾ヲ得テ電磁的方法ニ依リ通知ヲ発スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル通知ヲ発シタルモノト看做ス
3 前2項ノ通知ニハ会議ノ目的タル事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
4 前3項ノ規定ハ其ノ総会ニ於テ議決権ヲ行使スルコトヲ得ザル株主ニ付テハ之ヲ適用セズ

第232条ノ2 6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ1以上又ハ300個以上ノ議決権ヲ有スル株主ハ取締役ニ対シ会日ヨリ8週間前ニ書面ヲ以テ一定ノ事項ヲ総会ノ会議ノ目的ト為スベキコトヲ請求スルコトヲ得但シ其ノ事項ガ総会ノ決議スベキモノニ非ザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項ノ株主ハ取締役ニ対シ会日ヨリ8週間前ニ書面ヲ以テ会議ノ目的タル事項ニ付其ノ株主ノ提出スベキ議案ノ要領ヲ前条ニ定ムル通知ニ記載又ハ記録スルコトヲ請求スルコトヲ得但シ其ノ議案ガ法令若ハ定款ニ違反スルトキ又ハ同一ノ議案ニ付総会ニ於テ議決権ノ10分ノ1以上ノ賛成ヲ得ザリシ日ヨリ3年ヲ経過セザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
3 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ第1項又ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス

第233条 総会ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外本店ノ所在地又ハ之ニ隣接スル地ニ之ヲ招集スルコトヲ要ス

第234条 定時総会ハ毎年1回一定ノ時期ニ之ヲ招集スルコトヲ要ス
2 年2回以上利益ノ配当ヲ為ス会社ニ在リテハ毎決算期ニ総会ヲ招集スルコトヲ要ス

第235条 臨時総会ハ必要アル場合ニ随時之ヲ招集ス

第236条 総会ハ其ノ総会ニ於テ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ全テノ株主ノ同意アルトキハ招集ノ手続ヲ経ズシテ之ヲ開クコトヲ得

第237条 6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主ハ会議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ取締役ニ提出シテ総会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
2 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ請求アリタル後遅滞ナク総会招集ノ手続ガ為サレザルトキハ請求ヲ為シタル株主ハ裁判所ノ許可ヲ得テ其ノ招集ヲ為スコトヲ得其ノ請求アリタル日ヨリ8週間内ノ日ヲ会日トスル総会ノ招集ノ通知ガ発セラレサルトキ亦同ジ
4 前3項ノ規定ニ依ル総会ニ於テハ会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査セシムル為特ニ検査役ヲ選任スルコトヲ得

第237条ノ2 6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ1以上ヲ有スル株主ハ総会招集ノ手続及其ノ決議ノ方法ヲ調査セシムル為総会ニ先チ検査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
2 検査役ハ其ノ調査ノ結果ヲ裁判所ニ報告スルコトヲ要ス
3 裁判所ハ前項ノ報告アリタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ取締役ヲシテ株主総会ヲ招集セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第181条第3項及第184条第2項ノ規定ヲ準用ス

第237条ノ3 取締役及監査役ハ総会ニ於テ株主ノ求メタル事項ニ付説明ヲ為スコトヲ要ス但シ其ノ事項ガ会議ノ目的タル事項ニ関セザルトキ、説明ヲ為スコトニ因リ株主共同ノ利益ヲ著シク害スルトキ、説明ヲ為スニ付調査ヲ要スルトキ其ノ他ノ正当ノ事由アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 株主ガ会日ヨリ相当ノ期間前ニ書面ニ依リ総会ニ於テ説明ヲ求ムベキ事項ヲ通知シタルトキハ取締役及監査役ハ調査ヲ要スルコトヲ理由トシテ説明ヲ拒ムコトヲ得ズ
3 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ニ之ヲ準用ス

第237条ノ4 総会ノ議長ハ定款ニ定メザリシトキハ総会ニ於テ之ヲ選任ス
2 議長ハ総会ノ秩序ヲ維持シ議事ヲ整理ス
3 議長ハ其ノ命ニ従ハザル者其ノ他ノ総会ノ秩序ヲ乱ス者ヲ退場セシムルコトヲ得

第238条 総会ハ取締役ノ提出シタルモノ及監査役ノ監査報告書ヲ調査セシムル為特ニ検査役ヲ選任スルコトヲ得

第239条 総会ノ決議ハ本法又ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外総株主ノ議決権ノ過半数ヲ有スル株主出席シ其ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス
2 株主ハ代理人ヲ以テ其ノ議決権ヲ行使スルコトヲ得但シ其ノ株主又ハ代理人ハ其ノ代理権ヲ証スル書面ヲ会社ニ差出タスコトヲ要ス
3 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ前項但書ノ書面ノ差出ニ之ヲ準用ス4 第2項ノ代理権ノ授与ハ総会毎ニ之ヲ為スコトヲ要ス
5 会社ハ株主ガ2人以上ノ代理人ヲ総会ニ出席セシムルコトヲ拒ムコトヲ得
6 取締役ハ総会ノ終結ノ日ヨリ3月間第2項但書ノ書面及第3項ニ於テ準用スル第222条ノ5第3項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於テ其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
7 株主ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 前項ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 前項ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧又ハ謄写ノ請求

第239条ノ2 会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ総会ニ出席セザル株主ガ書面ヲ以テ議決権ヲ行使シ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第232条ニ定ムル通知ニハ其ノ旨ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
2 前項ノ定ヲ為シタル会社ニ於テハ第232条ニ定ムル通知ニ際シテハ書面ヲ以テ為ス議決権ノ行使ニ付参考トナルベキ事項トシテ法務省令ニ定ムルモノヲ記載シタル書類ヲ交付スルコトヲ要ス
3 前項ノ会社ニ於テハ第232条第2項ノ承諾ヲ為シタル株主ニ対シ同項ニ定ムル電磁的方法ニ依ル通知ヲ為ストキハ前項ノ書類ニ記載スベキ情報ヲ其ノ通知ト共ニ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得但シ株主ノ請求アリタルトキハ同項ノ書類ヲ其ノ株主ニ交付スルコトヲ要ス
4 第2項ノ会社ニ於テハ第232条ニ定ムル通知ニ際シ株主ノ議決権ノ行使ノ用ニ供セラルベキ書面ヲ交付スルコトヲ要ス
5 書面ニ依ル議決権ノ行使ハ前項ノ書面ニ必要ナル事項ヲ記載シ之ヲ総会ノ会日ノ前日 迄ニ第2項ノ会社ニ提出シテ行フ
6 書面ニ依リ行使セラレタル議決権ノ数ハ出席シタル株主ノ議決権ノ数ニ之ヲ算入ス
7 第4項ノ書面ノ様式ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム
8 前条第6項及第7項第1号ノ規定ハ第5項ノ規定ニ依リ提出セラレタル書面ニ之ヲ準用ス

第239条ノ3 会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ総会ニ出席セザル株主ガ電磁的方法ニ依リ議決権ヲ行使シ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前条第1項後段ノ規定ヲ準用ス
2 前条第2項及第3項ノ規定ハ電磁的方法ニ依ル議決権ノ行使ニ付参考トナルベキ事項トシテ法務省令ニ定ムルモノヲ記載シタル書類ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ定ヲ為シタル会社ニ於テハ第232条第2項ノ承諾ヲ為シタル株主ニ対シ同項ノ電磁的方法ニ依ル通知ヲ為ストキハ前条第4項ノ書面ノ内容タル事項ヲ其ノ通知ト共ニ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ要ス
4 前項ノ会社ニ於テ第232条第2項ノ承諾ヲ為サザル株主ヨリ総会ノ会日ノ1週間前 迄ニ前項ノ事項ノ電磁的方法ニ依ル提供ノ請求アリタルトキハ政令ニ定ムル所ニ依リ其ノ株主ノ承諾ヲ得テ其ノ事項ヲ直ニ電磁的方法ニ依リ其ノ株主ニ提供スルコトヲ要ス
5 電磁的方法ニ依ル議決権ノ行使ハ政令ニ定ムル所ニ依リ第3項ノ会社ノ承諾ヲ得テ前条第4項ノ書面ノ内容タル事項ヲ記録シタル電磁的記録ニ必要ナル情報ヲ記録シ之ヲ総会ノ会日ノ前日 迄ニ電磁的方法ニ依リ其ノ会社ニ提供シテ行フ其ノ会社ノ承諾ニ付テハ第204条ノ2第3項ノ規定ヲ準用ス
6 前条第6項ノ規定ハ電磁的方法ニ依リ行使セラレタル議決権ノ数ニ之ヲ準用ス
7 第239条第6項及第7項第2号ノ規定ハ第5項ノ規定ニ依リ提供セラレタル情報ガ記録セラレタル電磁的記録ニ之ヲ準用ス

第239条ノ4 株主ハ2個以上ノ議決権ヲ有スルトキハ之ヲ統1セズシテ行使スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ会日ヨリ3日前ニ会社ニ対シ書面ヲ以テ其ノ旨及理由ヲ通知スルコトヲ要ス
2 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項後段ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ニ之ヲ準用ス
3 株主ガ株式ノ信託ヲ引受ケタルコト其ノ他他人ノ為ニ株式ヲ有スルコトヲ理由トセザルトキハ会社ハ株主ガ議決権ヲ統1セズシテ行使スルコトヲ拒ムコトヲ得

第240条 削除

第241条 各株主ハ1株ニ付1個ノ議決権ヲ有ス但シ1単元ノ株式ノ数ヲ定メタル場合ニ於テハ1単元ノ株式ニ付1個ノ議決権ヲ有ス
2 会社ハ其ノ有スル自己ノ株式ニ付テハ議決権ヲ有セズ
3 会社、親会社及子会社又ハ子会社ガ他ノ株式会社ノ総株主ノ議決権ノ4分ノ1ヲ超ユル議決権又ハ他ノ有限会社ノ総社員ノ議決権ノ4分ノ1ヲ超ユル議決権ヲ有スル場合ニ於テハ其ノ株式会社又ハ有限会社ハ其ノ有スル会社又ハ親会社ノ株式ニ付テハ議決権ヲ有セズ
4 第211条ノ2第4項及第5項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第242条 削除

第243条 総会ニ於テハ延期又ハ続行ノ決議ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第232条ノ規定ヲ適用セズ

第244条 総会ノ議事ニ付テハ議事録ヲ作ルコトヲ要ス
2 議事録ニ議事ノ経過ノ要領及其ノ結果ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
3 前項ノ議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ議長及出席シタル取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
4 第33条ノ2ノ規定ハ第1項ノ議事録ニ之ヲ準用ス
5 取締役ハ第1項ノ議事録ヲ10年間本店ニ、其ノ謄本(其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)ヲ5年間支店ニ備置クコトヲ要ス
6 第263条第3項ノ規定ハ前項ニ掲グルモノニ、同条第7項ノ規定ハ子会社ノ前項ニ掲グルモノ(子会社ガ有限会社ナルトキハ有限会社法第41条ニ於テ準用スル同項ニ掲グルモノ)ニ之ヲ準用ス

第245条 会社ガ左ノ行為ヲ為スニハ第343条ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
 1 営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡
 2 営業全部ノ賃貸、其ノ経営ノ委任、他人ト営業上ノ損益全部ヲ共通ニスル契約其ノ他之ニ準ズル契約ノ締結、変更又ハ解約
 3 他ノ会社ノ営業全部ノ譲受
2 前項ノ行為ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第245条ノ2 前条第1項ノ決議ヲ為スベキ株主総会ニ先チ会社ニ対シ書面ヲ以テ同項ニ掲グル行為ニ反対ノ意思ヲ通知シ且総会ニ於テ之ニ反対シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得但シ同条第1項第1号ノ場合ニ於テ決議ト同時ニ解散ノ決議ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ニ之ヲ準用ス

第245条ノ3 前条第1項ノ請求ハ決議ノ日ヨリ20日内ニ株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
2 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前条第1項及前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
3 株式ノ価格ノ決定ニ付株主ト会社トノ間ニ協議調ヒタルトキハ会社ハ決議ノ日ヨリ90日内ニ其ノ支払ヲ為スコトヲ要ス
4 決議ノ日ヨリ60日内ニ協議調ハザルトキハ株主ハ其ノ期間経過後30日内ニ裁判所ニ対シ価格ノ決定ヲ請求スルコトヲ得
5 会社ハ裁判所ノ決定スル価格ニ対スル第3項ノ期間経過後ノ法定利息ヲモ支払フコトヲ要ス
6 株式ノ代金ノ支払ハ株券ト引換ニ之ヲ為スコトヲ要ス株式ノ移転ハ代金ノ支払ノ時ニ其ノ効力ヲ生ズ

第245条ノ4 第245条ノ2第1項ニ規定スル株主ノ請求ハ会社ガ第245条第1項ニ掲グル行為ヲ中止シタルトキハ其ノ効力ヲ失フ株主ガ前条第4項ノ期間内ニ同項ノ請求ヲ為サザルトキ亦同ジ

第245条ノ5 会社ガ他ノ会社ノ営業全部ノ譲受ヲ為ス場合ニ於テ其ノ対価ガ最終ノ貸借対照表ニ依リ会社ニ現存スル純資産額ノ20分ノ1ヲ超エザルトキハ会社ニ於テハ第245条第1項ノ決議ニ依ルコトヲ要セズ
2 前項ノ場合ニ於テハ会社ハ営業全部ノ譲受ヲ約シタル日ヨリ2週間内ニ相手方タル会社ノ商号及本店並ニ第245条第1項ノ決議ニ依ラズシテ営業全部ノ譲受ヲ為ス旨及其ノ要領ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス
3 前項ノ規定ニ依ル公告又ハ通知ノ日ヨリ2週間内ニ会社ニ対シ書面ヲ以テ営業全部ノ譲受ニ反対ノ意思ヲ通知シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ営業全部ノ譲受ニ係ル契約ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
4 前項ノ請求ハ同項ノ期間ノ満了ノ日ヨリ20日内ニ株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
5 第245条ノ2第2項、第245条ノ3第2項乃至第6項及前条ノ規定ハ第3項ノ場合ニ之ヲ準用ス
6 会社ノ総株主ノ議決権ノ6分ノ1以上ヲ有スル株主ガ第3項ノ規定ニ依ル反対ノ意思ノ通知ヲ為シタルトキハ此ノ条ニ定メタル手続ニ依ル営業全部ノ譲受ハ之ヲ為スコトヲ得ズ

第246条 第245条第1項ノ規定ハ会社ガ其ノ成立後2年内ニ其ノ成立前ヨリ存在スル財産ニシテ営業ノ為ニ継続シテ使用スベキモノヲ資本ノ20分ノ1以上ニ当ル対価ヲ以テ取得スル契約ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス
2 取締役ハ前項ノ契約ニ関スル調査ヲ為サシムル為検査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス
3 第173条第2項第3項(第2号ヲ除ク)及第197条(第192条ノ2第1項及第3項ヲ準用スル部分ヲ除ク)ノ規定ハ前項ノ場合ニ、第181条第3項及第184条第2項ノ規定ハ前項ノ検査役ノ報告及本項ニ於テ準用スル第173条第2項第3号ノ証明ヲ記載又ハ記録シタル資料(本項ニ於テ準用スル同号ニ規定スル財産ガ不動産ナルトキハ本項ニ於テ準用スル同号ノ鑑定評価ヲ記載又ハ記録シタル資料ヲ含ム)ニ之ヲ準用ス
4 会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ハ前項ニ於テ準用スル第173条第2項第3号ノ証明及鑑定評価ヲ為スコトヲ得ズ

第247条 左ノ場合ニ於テハ株主、取締役又ハ監査役ハ訴ヲ以テ総会ノ決議ノ取消ヲ請求スルコトヲ得
 1 招集ノ手続又ハ決議ノ方法ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナルトキ
 2 決議ノ内容ガ定款ニ違反スルトキ
 3 決議ニ付特別ノ利害関係ヲ有スル株主ガ議決権ヲ行使シタルコトニ因リテ著シク不当ナル決議ガ為サレタルトキ
2 第88条、第105条第3項及第109条ノ規定ハ前項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第248条 決議取消ノ訴ハ決議ノ日ヨリ3月内ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
2 口頭弁論ハ前項ノ期間ヲ経過シタル後ニ非ザレバ之ヲ開始スルコトヲ得ズ

第249条 株主ガ決議取消ノ訴ヲ提起シタルトキハ裁判所ハ会社ノ請求ニ依リ相当ノ担保ヲ供スベキコトヲ命ズルコトヲ得但シ其ノ株主ガ取締役又ハ監査役ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第106条第2項ノ規定ハ前項ノ請求ニ之ヲ準用ス

第250条 決議シタル事項ノ登記アリタル場合ニ於テ決議取消ノ判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第251条 決議取消ノ訴ノ提起アリタル場合ニ於テ招集ノ手続又ハ決議ノ方法ガ法令又ハ定款ニ違反スルトキト雖モ裁判所ハ其ノ違反スル事実ガ重大ナラズ且決議ニ影響ヲ及ボサザルモノト認ムルトキハ請求ヲ棄却スルコトヲ得

第252条 第88条、第105条第3項、第109条、第249条及第250条ノ規定ハ総会ノ決議ノ存セサルコトノ確認ヲ請求スル訴及総会ノ決議ノ内容ガ法令ニ違反スルコトヲ理由トシテ決議ノ無効ノ確認ヲ請求スル訴ニ之ヲ準用ス

第253条 総会ノ決議ノ目的タル事項ニ付取締役又ハ株主ヨリ提案アリタル場合ニ於テ其ノ事項ニ付議決権ヲ行使スルコトヲ得ル全テノ株主ガ左ニ掲グル事項ヲ記載又ハ記録シタル書面又ハ電磁的記録ヲ以テ其ノ提案ニ同意シタルトキハ其ノ提案ヲ可決スル総会ノ決議アリタルモノト看做ス
 1 取締役又ハ株主ノ提案ノ内容
 2 前号ノ提案ニ同意スル旨
2 第244条第5項及第263条第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面又ハ電磁的記録ニ、第263条第7項ノ規定ハ子会社ノ前項(有限会社法第41条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ規定スル書面又ハ電磁的記録ニ之ヲ準用ス

第2款 取締役及取締役会

第254条 取締役ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任ス
2 会社ハ定款ヲ以テスルモ取締役ガ株主タルコトヲ要スベキ旨ヲ定ムルコトヲ得ズ
3 会社ト取締役トノ間ノ関係ハ委任ニ関スル規定ニ従フ

第254条ノ2 左ノ者ハ取締役タルコトヲ得ズ
 1 成年被後見人又ハ被保佐人
 2 破産手続開始ノ決定ヲ受ケ復権セサル者
 3 本法、株式会社ノ監査等ニ関スル商法ノ特例ニ関スル法律、有限会社法又ハ中間法人法ニ定ムル罪ニ因リ刑ニ処セラレ其ノ執行ヲ終リタル日又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル日ヨリ2年ヲ経過セザル者
2 前号ニ定ムル罪以外ノ罪ニ因リ禁錮以上ノ刑ニ処セラレ其ノ執行ヲ終ル迄又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至ル迄ノ者但シ刑ノ執行猶予中ノ者ハ此ノ限ニ在ラズ

第254条ノ3 取締役ハ法令及定款ノ定並ニ総会ノ決議ヲ遵守シ会社ノ為忠実ニ其ノ職務ヲ遂行スル義務ヲ負フ

第255条 取締役ハ3人以上タルコトヲ要ス

第256条 取締役ノ任期ハ2年ヲ超ユルコトヲ得ズ
2 最初ノ取締役ノ任期ハ前項ノ規定ニ拘ラズ1年ヲ超ユルコトヲ得ズ
3 前2項ノ規定ハ定款ヲ以テ任期中ノ最終ノ決算期ニ関スル定時総会ノ終結ニ至ル迄其ノ任期ヲ伸長スルコトヲ妨ゲズ

第256条ノ2 取締役ノ選任決議ニ付テハ総会ニ出席ヲ要スル株主ノ有スベキ議決権ハ定款ノ定ニ依ルモ之ヲ総株主ノ議決権ノ3分ノ1未満ニ下スコトヲ得ズ

第256条ノ3 2人以上ノ取締役ノ選任ヲ目的トスル総会ノ招集アリタルトキハ株主ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外会社ニ対シ累積投票ニ依ルベキコトヲ求ムルコトヲ得
2 前項ノ請求ハ会日ヨリ5日前ニ書面ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前2項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
4 第1項ノ請求アリタルトキハ取締役ノ選任決議ニ付テハ各株主ハ1株(1単元ノ株式ノ数ヲ定メタルトキハ1単元ノ株式)ニ付選任スベキ取締役ノ数ト同数ノ議決権ヲ有ス此ノ場合ニ於テハ各株主ハ1人ノミニ投票シ又ハ2人以上ニ投票シテ其ノ議決権ヲ行使スルコトヲ得
5 前項ノ場合ニ於テハ投票ノ最多数ヲ得タル者ヨリ順次取締役ニ選任セラレタルモノトス
6 第1項ノ場合ニ於テハ議長ハ議決ニ先チ同項ノ請求アリタル旨ヲ宣告スルコトヲ要ス
7 第2項ノ書面及第3項ニ於テ準用スル第204条ノ2第2項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於テ其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ハ総会ノ終結ニ至ル迄之ヲ本店ニ備置キ株主ノ閲覧ニ供スルコトヲ要ス

第257条 取締役ハ何時ニテモ株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得但シ任期ノ定アル場合ニ於テ正当ノ事由ナクシテ其ノ任期ノ満了前ニ之ヲ解任シタルトキハ其ノ取締役ハ会社ニ対シ解任ニ因リテ生ジタル損害ノ賠償ヲ請求スルコトヲ得
2 前項ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
3 取締役ノ職務遂行ニ関シ不正ノ行為又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事実アリタルニ拘ラズ株主総会ニ於テ其ノ取締役ヲ解任スルコトヲ否決シタルトキハ6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主ハ30日内ニ其ノ取締役ノ解任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
4 第88条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第257条ノ2 会社ガ第222条第1項第6号ニ掲グル事項(取締役ニ関スルモノニ限ル)ニ付内容ノ異ル数種ノ株式ヲ発行シタル場合ニ於テハ取締役ハ同条第7項第1号及第2号ニ掲グル事項ニ付テノ定ニ従ヒ各種類ノ株主ノ総会ニ於テ選任ス此ノ場合ニ於テハ第254条第1項ノ規定ハ之ヲ適用セズ
2 前項ノ規定ニ依ル取締役ノ選任決議ニ付テハ同項ノ総会ニ出席ヲ要スル株主ノ有スベキ議決権ハ定款ノ定ニ依ルモ之ヲ其ノ種類ノ総株主ノ議決権ノ3分ノ1未満ニ下スコトヲ得ズ
3 株主総会ニ関スル規定ハ第1項ノ総会ニ之ヲ準用ス

第257条ノ3 第170条第4項、第183条第2項又ハ前条第1項ノ規定ニ依リ選任セラレタル取締役ハ何時ニテモ其ノ選任ニ係ル種類ノ株主ノ総会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得但シ任期ノ定アル場合ニ於テ正当ノ事由ナクシテ其ノ任期ノ満了前ニ之ヲ解任シタルトキハ其ノ取締役ハ会社ニ対シ解任ニ因リテ生ジタル損害ノ賠償ヲ請求スルコトヲ得
2 株主総会ニ関スル規定及第343条ノ規定ハ前項ノ総会ニ之ヲ準用ス
3 第1項本文ノ取締役ノ解任ニ付テハ第257条ノ規定ハ之ヲ適用セズ但シ其ノ取締役ノ任期ノ満了前ニ同項本文ノ種類ノ株主ノ総会ニ於テ議決権ヲ有スル者ヲ欠クニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
4 第1項本文ノ取締役ノ職務遂行ニ関シ不正ノ行為又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事実アリタルトキハ前項但書ノ場合ヲ除クノ外6月前ヨリ引続キ左ノ何レカニ掲グル議決権ヲ有スル株主ハ其ノ取締役ノ解任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但シ第2号ニ掲グル議決権ヲ有スル株主ニ付テハ同項本文ノ種類ノ株主ノ総会ニ於テ其ノ取締役ヲ解任スルコトヲ否決シタルトキニ限ル
 1 総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ノ議決権
 2 第1項本文ノ種類ノ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ノ議決権
5 第88条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
6 会社ハ第3項本文ノ規定ニ拘ラズ定款ヲ以テ第1項本文ノ取締役ノ全部又ハ一部ヲ第257条ノ規定ニ依リ解任スルコトヲ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ定款ヲ以テ同条ノ規定ニ依リ解任スルコトヲ得ベキモノトセラレタル取締役ニ付テハ第4項第1号ニ掲グル議決権ヲ有スル株主ハ同項ノ規定ニ依ル解任ヲ請求スルコトヲ得ズ

第257条ノ4 前2条ノ規定ノ適用ニ付テハ第222条第7項第2号ノ定ニ依リ共同シテ取締役ヲ選任スベキ2以上ノ種類ノ株主ハ之ヲ1ノ種類ノ株主ト看做ス

第257条ノ5 第222条第7項ノ定款ノ定(取締役ニ関スルモノニ限ル以下本条及次条ニ於テ同ジ)アル会社ハ法令又ハ定款ニ定メタル取締役ノ員数ヲ欠キ其ノ員数ニ足ルベキ数ノ取締役ヲ選任スベキ株主ガ存セザル場合ニハ同項ノ定款ノ定ヲ廃止シタルモノト看做ス

第257条ノ6 会社ガ定款ヲ変更シテ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定又ハ第222条第7項ノ定款ノ定ヲ廃止シタル場合ニハ第256条ノ規定ニ拘ラズ第257条ノ3第1項本文ノ取締役ノ任期ハ其ノ定款変更ノ効力ガ生ジタル時ニ満了シタルモノト看做ス

第258条 法律又ハ定款ニ定メタル取締役ノ員数ヲ欠クニ至リタル場合ニ於テハ任期ノ満了又ハ辞任ニ因リテ退任シタル取締役ハ新ニ選任セラレタル取締役ノ就職スル迄仍取締役ノ権利義務ヲ有ス
2 前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ依リ一時取締役ノ職務ヲ行フベキ者ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ本店及支店ノ所在地ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第259条 取締役会ハ各取締役之ヲ招集ス但シ取締役会ニ於テ招集ヲ為スベキ取締役ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項但書ニ規定スル場合ニ於テハ同項但書ノ取締役以外ノ取締役ハ会議ノ目的タル事項ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ取締役会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
3 第1項但書ノ取締役以外ノ取締役ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ第1項但書ノ取締役ノ承諾ヲ得テ其ノ書面ニ記載スベキ情報ヲ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ提供ヲ為シタル取締役ハ前項ノ規定ニ依ル請求ヲ為シタルモノト看做ス
4 第2項ノ請求アリタル場合ニ於テ5日内ニ其ノ請求ノ日ヨリ2週間内ノ日ヲ会日トスル取締役会ノ招集ノ通知ガ発セラレザルトキハ其ノ請求ヲ為シタル取締役ハ取締役会ノ招集ヲ為スコトヲ得

第259条ノ2 取締役会ヲ招集スルニハ会日ヨリ1週間前ニ各取締役及各監査役ニ対シテ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ニ定款ヲ以テ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ

第259条ノ3 取締役会ハ取締役及監査役ノ全員ノ同意アルトキハ招集ノ手続ヲ経ズシテ之ヲ開クコトヲ得

第260条 取締役会ハ会社ノ業務執行ヲ決シ取締役ノ職務ノ執行ヲ監督ス
2 取締役会ハ左ノ事項其ノ他ノ重要ナル業務執行ニ付テハ取締役ニ決セシムルコトヲ得ズ
 1 重要ナル財産ノ処分及譲受
 2 多額ノ借財
 3 支配人其ノ他ノ重要ナル使用人ノ選任及解任
 4 支店其ノ他ノ重要ナル組織ノ設置、変更及廃止
3 左ニ掲グル取締役ハ会社ノ業務ヲ執行ス
 1 代表取締役
 2 代表取締役以外ノ取締役ニシテ取締役会ノ決議ニ依リ会社ノ業務ヲ執行スル取締役ニ指名セラレ其ノ指名ヲ受諾シタルモノ
4 前項ノ取締役ハ3月ニ1回以上業務ノ執行ノ状況ヲ取締役会ニ報告スルコトヲ要ス
5 第3項ノ取締役以外ノ取締役ニシテ会社ノ業務ヲ執行シタルモノハ第188条第2項第7号ノ2ノ規定ノ適用ニ付テハ会社又ハ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役ト看做ス

第260条ノ2 取締役会ノ決議ハ取締役ノ過半数出席シ其ノ取締役ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス但シ定款ヲ以テ此ノ要件ヲ加重スルコトヲ妨ゲズ
2 前項ノ決議ニ付特別ノ利害関係ヲ有スル取締役ハ決議ニ参加スルコトヲ得ズ
3 前項ノ規定ニ依リテ決議ニ参加スルコトヲ得ザル取締役ノ数ハ第1項ノ取締役ノ数ニ之ヲ算入セズ

第260条ノ3 監査役ハ取締役会ニ出席スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ意見ヲ述ブルコトヲ要ス
2 監査役ハ取締役ガ会社ノ目的ノ範囲内ニ在ラザル行為其ノ他法令若ハ定款ニ違反スル行為ヲ為シ又ハ為ス虞アリト認ムルトキハ取締役会ニ之ヲ報告スルコトヲ要ス
3 前項ノ場合ニ於テ必要アルトキハ監査役ハ取締役会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
4 第259条第4項ノ規定ハ前項ノ請求アリタル場合ニ之ヲ準用ス

第260条ノ4 取締役会ノ議事ニ付テハ議事録ヲ作ルコトヲ要ス
2 議事録ニハ議事ノ経過ノ要領及其ノ結果ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
3 前項ノ議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ出席シタル取締役及監査役之ニ署名スルコトヲ要ス
4 第33条ノ2ノ規定ハ第1項ノ議事録ニ之ヲ準用ス
5 取締役ハ第1項ノ議事録ヲ10年間本店ニ備置クコトヲ要ス
6 株主又ハ親会社ノ株主ハ其ノ権利ヲ行使スル為必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ左ノ請求ヲ為スコトヲ得会社ノ債権者ガ取締役又ハ監査役ノ責任ヲ追及スル為必要アルトキ亦同ジ
 1 前項ノ議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 前項ノ議事録ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ会社ノ本店ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求
7 閲覧又ハ謄写ニ因リ会社又ハ其ノ親会社若ハ子会社ニ著シキ損害ヲ生ズル虞アルトキハ裁判所前項ノ許可ヲ為スコトヲ得ズ

第261条 会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ会社ヲ代表スベキ取締役ヲ定ムルコトヲ要ス
2 前項ノ場合ニ於テハ数人ノ代表取締役ガ共同シテ会社ヲ代表スベキコトヲ定ムルコトヲ得
3 第39条第2項、第78条及第258条ノ規定ハ代表取締役ニ之ヲ準用ス

第262条 社長、副社長、専務取締役、常務取締役其ノ他会社ヲ代表スル権限ヲ有スルモノト認ムベキ名称ヲ附シタル取締役ノ為シタル行為ニ付テハ会社ハ其ノ者ガ代表権ヲ有セザル場合ト雖モ善意ノ第三者ニ対シテ其ノ責ニ任ズ

第263条 取締役ハ左ニ掲グルモノ(第3号ノ複本ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)ヲ左ニ定ムル場所ニ備置クコトヲ要ス
 1 定款 本店及支店
 2 株主名簿、新株予約権原簿及社債原簿 本店(名義書換代理人ヲ置キタル場合ニハ本店又ハ名義書換代理人ノ営業所)
 3 前号ニ掲グルモノノ複本(名義書換代理人ヲ置キタル場合ニ於テ同号ニ掲グルモノヲ本店ニ備置キタルトキニ限ル) 名義書換代理人ノ営業所
 4 端株原簿及株券喪失登録簿 本店(名義書換代理人ヲ置キタル場合ニハ本店又ハ名義書換代理人ノ営業所)
2 株主、会社ノ債権者、端株主及新株予約権ヲ有スル者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得但シ第2号又ハ第4号ノ請求ヲ為スニハ会社ノ定メタル費用ヲ支払フコトヲ要ス
 1 定款ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧ノ請求
 2 前号ノ書面ノ謄本又ハ抄本ノ交付ノ請求
 3 定款ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧ノ請求
 4 前号ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコトノ請求又ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ノ請求
3 株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 株主名簿、新株予約権原簿、社債原簿若ハ端株原簿ガ書面ヲ以テ作ラレタル場合ニ於ケル其ノ書面又ハ株主名簿、新株予約権原簿若ハ社債原簿ノ複本ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 株主名簿、新株予約権原簿、社債原簿若ハ端株原簿ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタル場合又ハ株主名簿、新株予約権原簿若ハ社債原簿ノ複本ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル此等ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ第1項第2号第3号又ハ第4号ニ定ムル場所ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求
4 端株主ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 端株原簿ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 端株原簿ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ第1項第4号ニ定ムル場所ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求
5 新株予約権ヲ有スル者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 新株予約権原簿ガ書面ヲ以テ作ラレタル場合ニ於ケル其ノ書面又ハ新株予約権原簿ノ複本ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 新株予約権原簿ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタル場合又ハ新株予約権原簿ノ複本ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル此等ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ第1項第2号又ハ第3号ニ定ムル場所ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求
6 何人モ営業時間内何時ニテモ利害関係アル部分ニ限リ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 株券喪失登録簿ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 株券喪失登録簿ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ第1項第4号ニ定ムル場所ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求
7 親会社ノ株主ハ其ノ権利ヲ行使スル為必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ子会社ニ対シ第2項各号又ハ第3項各号ニ掲グル請求(子会社ガ有限会社ナル場合ニ於テハ有限会社法第28条第1項ノ定款又ハ社員名簿ニ係ル請求)ヲ為スコトヲ得

第264条 取締役ガ自己又ハ第三者ノ為ニ会社ノ営業ノ部類ニ属スル取引ヲ為スニハ取締役会ニ於テ其ノ取引ニ付重要ナル事実ヲ開示シ其ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
2 前項ノ取引ヲ為シタル取締役ハ遅滞ナク其ノ取引ニ付重要ナル事実ヲ取締役会ニ報告スルコトヲ要ス
3 取締役ガ第1項ノ規定ニ違反シテ自己ノ為ニ取引ヲ為シタルトキハ取締役会ハ之ヲ以テ会社ノ為ニ為シタルモノト看做スコトヲ得
4 前項ニ定ムル権利ハ取引ノ時ヨリ1年ヲ経過シタルトキハ消滅ス

第265条 取締役ガ会社ノ製品其ノ他ノ財産ヲ譲受ケ会社ニ対シ自己ノ製品其ノ他ノ財産ヲ譲渡シ会社ヨリ金銭ノ貸付ヲ受ケ其ノ他自己又ハ第三者ノ為ニ会社ト取引ヲ為スニハ取締役会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス会社ガ取締役ノ債務ヲ保証シ其ノ他取締役以外ノ者トノ間ニ於テ会社ト取締役トノ利益相反スル取引ヲ為ストキ亦同ジ
2 前項前段ノ承認アリタル場合ニ於テハ民法第108条ノ規定ヲ適用セズ
3 前条第2項ノ規定ハ第1項ノ取引ヲ為シタル取締役ニ之ヲ準用ス

第266条 左ノ場合ニ於テハ其ノ行為ヲ為シタル取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ第1号ニ在リテハ違法ニ配当又ハ分配ノ為サレタル額、第2号ニ在リテハ供与シタル利益ノ価額、第3号ニ在リテハ未ダ弁済ナキ額、第4号及第5号ニ在リテハ会社ガ蒙リタル損害額ニ付弁済又ハ賠償ノ責ニ任ズ
 1 第290条第1項ノ規定ニ違反スル利益ノ配当ニ関スル議案ヲ総会ニ提出シ又ハ第293条ノ5第3項ノ規定ニ違反スル金銭ノ分配ヲ為シタルトキ
 2 第295条第1項ノ規定ニ違反シテ財産上ノ利益ヲ供与シタルトキ
 3 他ノ取締役ニ対シ金銭ノ貸付ヲ為シタルトキ
 4 前条第1項ノ取引ヲ為シタルトキ
 5 法令又ハ定款ニ違反スル行為ヲ為シタルトキ
2 前項ノ行為ガ取締役会ノ決議ニ基キテ為サレタルトキハ其ノ決議ニ賛成シタル取締役ハ其ノ行為ヲ為シタルモノト看做ス
3 前項ノ決議ニ参加シタル取締役ニシテ議事録ニ異議ヲ止メザリシ者ハ其ノ決議ニ賛成シタルモノト推定ス
4 取締役ガ第264条第1項ノ規定ニ違反シテ取引ヲ為シタルトキハ其ノ取引ニ因リ取締役又ハ第三者ガ得タル利益ノ額ハ第1項ノ会社ノ蒙リタル損害額ト推定ス但シ同条第3項ニ定ムル権利ヲ行使シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
5 第1項ノ取締役ノ責任ハ総株主ノ同意アルニ非ザレバ之ヲ免除スルコトヲ得ズ
6 第1項第4号ノ取引ニ関スル取締役ノ責任ハ前項ノ規定ニ拘ラズ総株主ノ議決権ノ3分ノ2以上ノ多数ヲ以テ之ヲ免除スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ其ノ取引ニ付重要ナル事実ヲ開示スルコトヲ要ス
7 第1項第5号ノ行為ニ関スル取締役ノ責任ハ其ノ取締役ガ職務ヲ行フニ付善意ニシテ且重大ナル過失ナキトキハ第5項ノ規定ニ拘ラズ賠償ノ責ニ任ズベキ額ヨリ左ノ金額ヲ控除シタル額(次項第2号ニ於テ限度額ト称ス)ヲ限度トシテ第343条ニ定ムル決議ヲ以テ之ヲ免除スルコトヲ得
 1 決議ヲ為ス株主総会ノ終結ノ日ノ属スル営業年度又ハ其ノ前ノ各営業年度ニ於テ其ノ取締役ガ報酬其ノ他ノ職務遂行ノ対価(其ノ取締役ガ使用人ヲ兼ヌル場合ノ使用人トシテノ報酬其ノ他ノ職務遂行ノ対価ヲ含ム)トシテ会社ヨリ受ケ又ハ受クベキ財産上ノ利益(次号及第3号ニ定ムルモノヲ除ク)ノ額ノ営業年度毎ノ合計額中最モ高キ額ノ4年分ニ相当スル額
 2 其ノ取締役ガ会社ヨリ受ケタル退職慰労金ノ額及使用人ヲ兼ヌル場合ノ使用人トシテノ退職手当中取締役ヲ兼ヌル期間ノ職務遂行ノ対価タル部分ノ額並ニ此等ノ性質ヲ有スル財産上ノ利益ノ額ノ合計額ト其ノ合計額ヲ其ノ職ニ在リタル年数ヲ以テ除シタル額ニ4ヲ乗ジタル額トノ何レカ低キ額
 3 其ノ取締役ガ第280条ノ21第1項ノ決議ニ基キ発行ヲ受ケタル第280条ノ19第1項ノ権利ヲ就任後ニ行使シタルトキハ行使ノ時ニ於ケル其ノ会社ノ株式ノ時価ヨリ第280条ノ20第4項ニ規定スル合計額ノ1株当リノ額ヲ控除シタル額ニ発行ヲ受ケ又ハ之ニ代ヘテ移転ヲ受ケタル株式ノ数ヲ乗ジタル額、其ノ権利ヲ就任後ニ譲渡シタルトキハ其ノ価額ヨリ同条第2項第3号ノ発行価額ヲ控除シタル額ニ譲渡シタル権利ノ数ヲ乗ジタル額
8 前項ノ場合ニ於テハ取締役ハ同項ノ責任ノ免除ニ関スル決議ヲ為ス株主総会ニ於テ左ノ事項ヲ開示スルコトヲ要ス
 1 責任ノ原因タル事実及賠償ノ責ニ任ズベキ額
 2 限度額及其ノ算定ノ根拠
 3 責任ヲ免除スベキ理由及免除額
9 取締役ハ第7項ノ規定ニ依ル責任ノ免除ニ関スル議案ヲ株主総会ニ提出スルニハ監査役ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ監査役数人アルトキハ各監査役ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
10 第7項ノ責任ノ免除ニ関スル決議アリタル場合ニ於テ会社ガ決議後ニ其ノ取締役ニ対シ同項第2号ノ退職慰労金、退職手当又ハ財産上ノ利益ヲ与フルトキハ株主総会ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス其ノ取締役ガ決議後ニ同項第3号ノ権利ヲ行使シ又ハ譲渡ストキ亦同ジ
11 第7項ノ責任ノ免除ニ関スル決議アリタル場合ニ於テ其ノ取締役ガ同項第3号ノ権利ニ付発行セラレタル新株予約権証券ヲ所持スルトキハ其ノ取締役ハ遅滞ナク之ヲ会社ニ預託スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ取締役ハ前項ノ譲渡ニ付テノ承認ヲ得ルニ非ザレバ其ノ新株予約権証券ノ返還ヲ請求スルコトヲ得ズ
12 会社ハ第5項ノ規定ニ拘ラズ定款ヲ以テ第1項第5号ノ行為ニ関スル取締役ノ責任ニ付其ノ取締役ガ職務ヲ行フニ付善意ニシテ且重大ナル過失ナキ場合ニ於テ責任ノ原因タル事実ノ内容、其ノ取締役ノ職務遂行ノ状況其ノ他ノ事情ヲ勘案シテ特ニ必要アリト認ムルトキハ賠償ノ責ニ任ズベキ額ヨリ左ノ金額ヲ控除シタル額ヲ限度トシテ取締役会ノ決議ヲ以テ之ヲ免除スルコトヲ得ル旨ヲ定ムルコトヲ得
 1 取締役会ノ決議ノ日ノ属スル営業年度又ハ其ノ前ノ各営業年度ニ於テ其ノ取締役ガ報酬其ノ他ノ職務遂行ノ対価(其ノ取締役ガ使用人ヲ兼ヌル場合ノ使用人トシテノ報酬其ノ他ノ職務遂行ノ対価ヲ含ム)トシテ会社ヨリ受ケ又ハ受クベキ財産上ノ利益(第7項第2号及第3号ニ定ムルモノヲ除ク)ノ額ノ営業年度毎ノ合計額中最モ高キ額ノ4年分ニ相当スル額
 2 第7項第2号及第3号ニ掲グル額
13 第9項ノ規定ハ定款ヲ変更シテ前項ノ定ヲ設クル議案ヲ株主総会ニ提出スル場合及同項ノ定款ノ定ニ基ク責任ノ免除ニ関スル議案ヲ取締役会ニ提出スル場合ニ之ヲ準用ス
14 第12項ノ定款ノ定ニ基キ取締役会ガ責任ノ免除ノ決議ヲ為シタルトキハ取締役ハ遅滞ナク第8項第1号及第3号ニ掲グル事項並ニ賠償ノ責ニ任ズベキ額ヨリ第12項各号ニ掲グル額ヲ控除シタル額及其ノ算定ノ根拠並ニ免除ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
15 総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主ガ前項ノ期間内ニ異議ヲ述ベタルトキハ会社ハ第12項ノ定款ノ定ニ基ク免除ヲ為スコトヲ得ズ
16 第10項及第11項ノ規定ハ第12項ノ決議アリタル場合ニ之ヲ準用ス但シ前項ノ規定ニ依リ免除ヲ為スコト能ハザル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
17 代表取締役ノ行為ニ関スル責任ニ付テハ第7項第1号中「4年分」トアルハ「6年分」ト、同項第2号中「4」トアルハ「6」ト、第12項第1号中「4年分」トアルハ「6年分」トス
18 社外取締役ノ行為ニ関スル責任ニ付テハ第7項第1号中「4年分」トアルハ「2年分」ト、同項第2号中「4」トアルハ「2」ト、第12項第1号中「4年分」トアルハ「2年分」トス
19 会社ハ第5項ノ規定ニ拘ラズ定款ヲ以テ社外取締役トノ間ニ於テ爾後其ノ者ガ取締役トシテ第1項第5号ノ行為ニ因リ会社ニ損害ヲ加ヘタル場合ニ於テ其ノ職務ヲ行フニ付善意ニシテ且重大ナル過失ナキトキハ定款ニ定メタル範囲内ニ於テ予メ定ムル額ト左ノ金額ノ合計額トノ何レカ高キ額ヲ限度トシテ其ノ賠償ノ責ニ任ズベキ旨ヲ約スルコトヲ得ル旨ヲ定ムルコトヲ得
 1 責任ノ原因タル事実ガ生ジタル日ノ属スル営業年度又ハ其ノ前ノ各営業年度ニ於テ其ノ社外取締役ガ報酬其ノ他ノ職務遂行ノ対価トシテ会社ヨリ受ケ又ハ受クベキ財産上ノ利益(次号及第7項第3号ニ定ムルモノヲ除ク)ノ額ノ営業年度毎ノ合計額中最モ高キ額ノ2年分ニ相当スル額
 2 其ノ社外取締役ガ会社ヨリ受ケタル退職慰労金ノ額及其ノ性質ヲ有スル財産上ノ利益ノ額ノ合計額ト其ノ合計額ヲ其ノ職ニ在リタル年数ヲ以テ除シタル額ニ2ヲ乗ジタル額トノ何レカ低キ額
 3 第7項第3号ニ掲グル額
20 前項ノ社外取締役ガ其ノ会社若ハ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ支配人其ノ他ノ使用人又ハ子会社ノ執行役トナリタルトキハ同項ノ契約ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フ
21 第9項ノ規定ハ定款ヲ変更シテ第19項ノ定ヲ設クル議案ヲ株主総会ニ提出スル場合ニ之ヲ準用ス
22 第19項ノ契約ヲ為シタル会社ガ其ノ相手方タル社外取締役ノ第1項第5号ノ行為ニ因リ損害ヲ蒙リタルコトヲ知リタルトキハ取締役ハ其ノ後最初ニ招集セラレタル株主総会ニ於テ左ノ事項ヲ開示スルコトヲ要ス
 1 第8項第1号ニ掲グル事項並ニ第19項各号ニ掲グル額ノ合計額及其ノ算定ノ根拠
 2 其ノ契約ノ内容及其ノ契約ヲ為シタル理由
 3 責任ヲ負ハザルコトトナリタル額
23 第10項及第11項ノ規定ハ社外取締役ガ第1項第5号ノ行為ニ因リ会社ニ損害ヲ加ヘタル場合ニ於テ第19項ノ契約ニ依リ同項ノ限度ニ於テ責任ヲ負ヒタルトキニ之ヲ準用ス

第266条ノ2 前条第1項ノ規定ハ同項第1号ノ場合ニ於テ同項ノ金額ニ付弁済ヲ為シタル取締役ヨリ悪意ノ株主ニ対スル求償権ノ行使ヲ妨ゲズ

第266条ノ3 取締役ガ其ノ職務ヲ行フニ付悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ其ノ取締役ハ第三者ニ対シテモ亦連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
2 取締役ガ株式申込証ノ用紙、新株引受権証書、新株予約権申込証、社債申込証若ハ新株予約権付社債申込証ノ用紙若ハ目論見書若ハ此等ノ書類ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録若ハ第281条第1項ニ掲グルモノニ記載若ハ記録スベキ重要ナル事項ニ付虚偽ノ記載若ハ記録ヲ為シ又ハ虚偽ノ登記若ハ公告(第283条第7項前段ニ規定スル措置ヲ含ム以下此ノ項ニ於テ同ジ)ヲ為シタルトキ亦前項ニ同ジ但シ取締役ガ其ノ記載若ハ記録、登記又ハ公告ヲ為スニ付注意ヲ怠ラザリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
3 第266条第2項及第3項ノ規定ハ前2項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第267条 6月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主ハ会社ニ対シ書面ヲ以テ取締役ノ責任ヲ追及スル訴ノ提起ヲ請求スルコトヲ得
2 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
3 会社ガ第1項ノ請求アリタル日ヨリ60日内ニ訴ヲ提起セザルトキハ同項ノ請求ヲ為シタル株主ハ会社ノ為訴ヲ提起スルコトヲ得
4 前3項ニ定ムル期間ノ経過ニ因リテ会社ニ回復スベカラサル損害ヲ生ズル虞アル場合ニ於テハ前2項ノ規定ニ拘ラズ第1項ノ株主ハ直ニ前項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
5 前2項ノ訴ハ訴訟ノ目的ノ価額ノ算定ニ付テハ財産権上ノ請求ニ非ザル請求ニ係ル訴ト看做ス
6 株主ガ第3項又ハ第4項ノ訴ヲ提起シタルトキハ裁判所ハ被告ノ請求ニ依リ相当ノ担保ヲ供スベキコトヲ命ズルコトヲ得
7 第106条第2項ノ規定ハ前項ノ請求ニ之ヲ準用ス

第268条 取締役ノ責任ヲ追及スル訴ハ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ専属ス
2 株主又ハ会社ハ前項ノ訴訟ニ参加スルコトヲ得但シ不当ニ訴訟ヲ遅延セシメ又ハ裁判所ノ負担ヲ著シク大ナラシムルトキハ此ノ限ニ在ラズ
3 前条第3項又ハ第4項ノ訴ヲ提起シタル株主ハ訴ノ提起アリタル後遅滞ナク会社ニ対シ其ノ訴訟ノ告知ヲ為スコトヲ要ス
4 会社ハ第1項ノ訴ヲ提起シタルトキハ遅滞ナク訴ノ提起ヲ為シタル旨ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス前項ノ規定ニ依ル訴訟ノ告知ヲ受ケタル会社ニ付亦同ジ
5 第1項ノ訴訟ニ付会社ガ和解ヲ為ス場合ニ付テハ第266条第5項ノ規定ハ之ヲ適用セズ
6 前条第3項又ハ第4項ノ訴訟ニ付和解ヲ為ス場合ニ於テ会社ガ其ノ和解ノ当事者ニ非ザルトキハ裁判所ハ会社ニ対シ其ノ内容ヲ通知シ且和解ニ異議アラバ2週間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ催告スルコトヲ要ス
7 会社ガ前項ノ期間内ニ書面ヲ以テ異議ヲ述ベザリシトキハ同項ノ規定ニ依ル通知ノ内容ヲ以テ株主ガ和解ヲ為スコトヲ承認シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テハ第5項ノ規定ヲ準用ス
8 第266条第9項ノ規定ハ会社ガ取締役ヲ補助スル為前条第3項又ハ第4項ノ訴訟ニ参加スル旨ノ申出ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス

第268条ノ2 第267条第3項又ハ第4項ノ訴ヲ提起シタル株主ガ勝訴シタル場合ニ於テ其ノ訴訟ヲ行フニ必要ト認ムベキ費用ニシテ訴訟費用ニ非ザルモノヲ支出シタルトキ又ハ弁護士若ハ弁護士法人ニ報酬ヲ支払フベキトキハ株主ハ会社ニ対シ其ノ費用ノ額ノ範囲内又ハ其ノ報酬額ノ範囲内ニ於テ相当ナル額ノ支払ヲ請求スルコトヲ得
2 株主ガ敗訴シタル場合ニ於テハ悪意アリタルトキニ非ザレバ会社ニ対シ損害賠償ノ責ニ任ゼズ
3 前2項ノ規定ハ前条第2項ノ規定ニ依リテ訴訟ニ参加シタル株主ニ之ヲ準用ス

第268条ノ3 第268条第1項ノ訴ノ提起アリタル場合ニ於テ原告及被告ノ共謀ニ因リ訴訟ノ目的タル会社ノ権利ヲ詐害スル目的ヲ以テ判決ヲ為サシメタルトキハ会社又ハ株主ハ確定ノ終局判決ニ対シ再審ノ訴ヲ以テ不服ヲ申立ツルコトヲ得
2 前条ノ規定ハ前項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第269条 取締役ガ受クベキ報酬ニ付テノ左ニ掲グル事項ハ定款ニ之ヲ定メザリシトキハ株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
 1 報酬中額ガ確定シタルモノニ付テハ其ノ額
 2 報酬中額ガ確定セザルモノニ付テハ其ノ具体的ナル算定ノ方法
 3 報酬中金銭ニ非ザルモノニ付テハ其ノ具体的ナル内容
2 株主総会ニ前項第2号又ハ第3号ニ規定スル報酬ノ新設又ハ改定ニ関スル議案ヲ提出シタル取締役ハ其ノ株主総会ニ於テ其ノ報酬ヲ相当トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス

第270条 削除

第271条 第70条ノ2ノ規定ハ取締役ノ職務代行者ニ之ヲ準用ス

第272条 取締役ガ会社ノ目的ノ範囲内ニ在ラザル行為其ノ他法令又ハ定款ニ違反スル行為ヲ為シ之ニ因リ会社ニ回復スベカラザル損害ヲ生ズル虞アル場合ニ於テハ6月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主ハ会社ノ為取締役ニ対シ其ノ行為ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得

第3款 監査役

第273条 監査役ノ任期ハ就任後4年内ノ最終ノ決算期ニ関スル定時総会ノ終結ノ時迄トス
2 最初ノ監査役ノ任期ハ前項ノ規定ニ拘ラズ就任後1年内ノ最終ノ決算期ニ関スル定時総会ノ終結ノ時迄トス
3 前2項ノ規定ハ定款ヲ以テ任期ノ満了前ニ退任シタル監査役ノ補欠トシテ選任セラレタル監査役ノ任期ヲ退任シタル監査役ノ任期ノ満了スベキ時迄ト為スコトヲ妨ゲズ

第274条 監査役ハ取締役ノ職務ノ執行ヲ監査ス
2 監査役ハ何時ニテモ取締役及支配人其ノ他ノ使用人ニ対シ営業ノ報告ヲ求メ又ハ会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査スルコトヲ得

第274条ノ2 取締役ハ会社ニ著シキ損害ヲ及ボス虞アル事実ヲ発見シタルトキハ直ニ監査役ニ之ヲ報告スルコトヲ要ス

第274条ノ3 親会社ノ監査役ハ其ノ職務ヲ行フ為必要アルトキハ子会社ニ対シ営業ノ報告ヲ求メ又ハ子会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査スルコトヲ得
2 子会社ハ正当ノ理由アルトキハ前項ノ規定ニ依ル報告又ハ調査ヲ拒ムコトヲ得

第275条 監査役ハ取締役ガ株主総会ニ提出セントスル議案其ノ他ノモノヲ調査シ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不当ナル事項アリト認ムルトキハ株主総会ニ其ノ意見ヲ報告スルコトヲ要ス

第275条ノ2 取締役ガ会社ノ目的ノ範囲内ニ在ラザル行為其ノ他法令又ハ定款ニ違反スル行為ヲ為シ之ニ因リ会社ニ著シキ損害ヲ生ズル虞アル場合ニ於テハ監査役ハ取締役ニ対シ其ノ行為ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得
2 裁判所ハ仮処分ヲ以テ取締役ニ対シ其ノ行為ヲ止ムベキコトヲ命ズルニハ担保ヲ立テシムルコトヲ要セズ

第275条ノ3 監査役ハ株主総会ニ於テ監査役ノ選任又ハ解任ニ付意見ヲ述ブルコトヲ得

第275条ノ3ノ2 監査役ヲ辞任シタル者ハ其ノ後最初ニ招集セラレタル株主総会ニ出席シ其ノ旨及理由ヲ述ブルコトヲ得
2 会社ハ前項ノ者ニ対シ同項ノ総会ガ招集セラルル旨ヲ通知スルコトヲ要ス
3 前条ノ規定ハ第1項ノ監査役ノ辞任ニ之ヲ準用ス

第275条ノ4 会社ガ取締役ニ対シ又ハ取締役ガ会社ニ対シ訴ヲ提起スル場合ニ於テハ其ノ訴ニ付テハ監査役会社ヲ代表ス会社ガ第267条第1項ノ請求ヲ受ケ同条第2項ニ於テ準用スル第204条ノ2第2項ノ承諾ヲ為シ又ハ第268条第6項ノ通知及催告ヲ受クルニ付亦同ジ

第276条 監査役ハ会社若ハ子会社ノ取締役若ハ支配人其ノ他ノ使用人又ハ子会社ノ執行役ヲ兼ヌルコトヲ得ズ

第277条 監査役ガ其ノ任務ヲ怠リタルトキハ其ノ監査役ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ズ

第278条 監査役ガ会社又ハ第三者ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任ズベキ場合ニ於テ取締役モ亦其ノ責ニ任ズベキトキハ其ノ監査役及取締役ハ之ヲ連帯債務者トス

第279条 監査役ノ報酬ハ定款ニ其ノ額ヲ定メザリシトキハ株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
2 監査役数人アル場合ニ於テ各監査役ノ受クベキ報酬ノ額ニ付定款ノ定又ハ総会ノ決議ナキトキハ其ノ額ハ前項ノ報酬ノ範囲内ニ於テ監査役ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム
3 第275条ノ3ノ規定ハ第1項ノ報酬ニ之ヲ準用ス

第279条ノ2 監査役ガ職務ノ執行ニ付費用ノ前払ヲ請求シタルトキハ会社ハ其ノ費用ガ監査役ノ職務ノ執行ニ必要ナラザルコトヲ証明スルニ非ザレバ之ヲ拒ムコトヲ得ズ監査役ガ職務ノ執行ニ付費用ノ支出ヲ為シタル場合ニ於テ其ノ費用及支出ノ日以後ニ於ケル其ノ利息ノ償還ヲ請求シタルトキ又ハ債務ヲ負担シタル場合ニ於テ其ノ債務ヲ自己ニ代ハリテ弁済スベキコト、若シ其ノ債務ガ弁済期ニ在ラザルトキハ相当ノ担保ヲ供スベキコトヲ請求シタルトキ亦何ジ

第280条 第254条、第254条ノ2、第256条ノ2、第257条乃至第258条、第266条第5項第18項ノ規定ニ依リ読替テ適用スル第7項第8項第10項第11項第18項ノ規定ニ依リ読替テ適用スル第12項第14項乃至第16項、第266条ノ3第1項、第267条、第268条第1項乃至第7項、第268条ノ2及第268条ノ3ノ規定ハ監査役ニ之ヲ準用ス
2 第266条ノ3第2項ノ規定ハ監査役ガ監査報告書ニ記載スベキ重要ナル事項ニ付虚偽ノ記載ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

第3節ノ2 新株ノ発行

第280条ノ2 会社ノ成立後株式ヲ発行スル場合ニ於テハ左ノ事項ニシテ定款ニ定ナキモノハ取締役会之ヲ決ス但シ本法ニ別段ノ定アルトキ又ハ定款ヲ以テ株主総会ガ之ヲ決スル旨ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 1 新株ノ種類及数
 2 新株ノ発行価額及払込期日
 3 現物出資ヲ為ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財産、其ノ価格並ニ之ニ対シテ与フル株式ノ種類及数
 4 新株ノ発行価額中資本ニ組入レザル額
 5 株主ニ新株ノ引受権ヲ与フル旨並ニ引受権ノ目的タル株式ノ種類、数及発行価額
 6 前号ノ引受権ヲ譲渡スコトヲ得ベキコト
 7 株主ノ請求アルトキニ限リ新株引受権証書ヲ発行スベキコト及其ノ請求ヲ為スコトヲ得ベキ期間
 8 株主以外ノ者ニシテ之ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新株ヲ発行スベキモノ並ニ之ニ対シ発行スル株式ノ種類、数及発行価額
 9 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テ第280条ノ5ノ2第1項但書ノ決議アルトキハ新株ノ割当ヲ受クル者並ニ之ニ対シ割当ツル株式ノ種類及数
2 株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新株ヲ発行スルニハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ其ノ者ニ対シ発行スルコトヲ得ベキ株式ノ種類、数及最低発行価額ニ付第343条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル発行価額ヲ以テ新株ヲ発行スルコトヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス
3 前項ノ場合ニ於ケル議案ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
4 第2項ノ決議ハ決議ノ日ヨリ1年内ニ払込ヲ為スベキ新株ニ付テノミ其ノ効力ヲ有ス
5 市場価格アル株式ヲ公正ナル価額ニテ発行スル場合ニ於テハ第1項第2号ノ発行価額ニ付テハ其ノ決定ノ方法ヲ定ムルヲ以テ足ル

第280条ノ3 株式ノ発行価額其ノ他発行ノ条件ハ発行毎ニ之ヲ均等ニ定ムルコトヲ要ス

第280条ノ3ノ2 会社ハ払込期日ノ2週間前ニ新株ノ種類、数、発行価額(第280条ノ2第5項ノ規定ニ依リ発行価額ノ決定ノ方法ヲ定メタル場合ハ其ノ方法)、払込期日及募集ノ方法ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス

第280条ノ3ノ3 前2条ノ規定ハ第280条ノ2第1項第5号ノ新株ノ引受権ノ目的タル株式及同条第2項ノ決議アリタル株式ニ付テハ之ヲ適用セズ
2 前条ノ規定ハ次条第2項ノ端数ノ合計数ニ相当スル株式及新株ノ引受権ヲ有スル者ガ第280条ノ5第3項ノ規定ニ依リ其ノ権利ヲ失ヒタル株式ニ付テハ之ヲ適用セズ

第280条ノ4 新株ノ引受権ヲ有スル株主ハ其ノ有スル株式ノ数ニ応ジテ新株ノ割当ヲ受クル権利ヲ有ス
2 前項ノ株主ハ1株ノ100分ノ1(第220条ノ2第3項ノ規定ニ依リ異ナル割合ヲ定メタル場合ハ其ノ割合)ニ満タザル端数ニ付テハ前項ノ権利ヲ有セズ1株ニ満タザル端数ヲ端株トシテ端株原簿ニ記載又ハ記録セザル旨ノ定アル場合ニ於ケル1株ニ満タザル端数ニ付亦同ジ
3 株主ガ新株ノ引受権ヲ有スベキ場合ニ於テハ会社ハ一定ノ日ヲ定メ其ノ日ニ於テ株主名簿ニ記載又ハ記録アル株主ガ第1項ノ権利ヲ有スベキ旨及新株ノ引受権ヲ譲渡スコトヲ得ベキトキハ其ノ旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス

第280条ノ5 株主ガ新株ノ引受権ヲ有スル場合ニ於テハ各株主ニ対シ其ノ者ガ引受権ヲ有スル株式ノ種類及数、一定ノ期日迄ニ株式ノ申込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フベキ旨並ニ第280条ノ2第1項第6号及第7号ニ掲グル事項ノ定アルトキハ其ノ内容ヲ通知スルコトヲ要ス
2 前項ノ通知ハ同項ノ期日ノ2週間前ニ之ヲ為スコトヲ要ス
3 会社ガ通知ヲ為シタルモ新株ノ引受権ヲ有スル者ガ期日迄ニ株式ノ申込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フ

第280条ノ5ノ2 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ株主ハ新株ノ引受権ヲ有ス但シ株主以外ノ者ニ対シ発行スルコトヲ得ベキ株式ノ種類及数ニ付第343条ニ定ムル決議アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第280条ノ2第3項及第4項ノ規定ハ前項但書ノ決議ニ之ヲ準用ス

第280条ノ6 株式申込証ノ用紙ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 第166条第1項第2号及第3号ニ掲グル事項
 2 発行済株式ノ総数、種類及数並ニ資本ノ額
 3 第280条ノ2第1項第1号乃至第4号ニ掲グル事項
 4 削除
 5 第175条第2項第4号乃至第6号、第10号、第12号及第13号ニ掲グル事項
2 前項ノ規定ハ左ノ事項ヲ記載又ハ記録シタル証書又ハ電磁的記録ニ依ル契約ヲ以テ新株ノ総数ヲ引受クル場合ニハ之ヲ適用セズ
 1 前項各号ニ掲グル事項
 2 払込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託会社ノ払込ノ取扱ノ場所

第280条ノ6ノ2 第280条ノ2第1項第6号ニ掲グル事項ノ定アル場合ニ於テハ会社ハ同項第7号ニ掲グル事項ノ定アルトキハ其ノ定ニ従ヒ、其ノ定ナキトキハ第280条ノ5第1項ノ期日ノ2週間前ニ新株引受権証書ヲ発行スルコトヲ要ス
2 新株引受権証書ニハ左ノ事項及番号ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
 1 新株引受権証書ナル旨ノ表示
 2 前条第1項ニ掲グル事項
 3 新株ノ引受権ノ目的タル株式ノ種類及数
 4 一定ノ期日迄ニ株式ノ申込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フベキ旨

第280条ノ6ノ3 新株ノ引受権ヲ譲渡スニハ新株引受権証書ヲ交付スルコトヲ要ス
2 第205条第2項及小切手法第21条ノ規定ハ新株引受権証書ニ之ヲ準用ス

第280条ノ6ノ4 新株引受権証書ヲ発行シタル場合ニ於テハ株式ノ申込ハ新株引受権証書ニ依リテ之ヲ為ス此ノ場合ニ於テハ第175条第1項及第3項ノ規定ヲ準用ス
2 新株引受権証書ヲ喪失シタル者ハ株式申込証ニ依リ株式ノ申込ヲ為スコトヲ得但シ其ノ申込ハ新株引受権証書ニ依ル申込アリタルトキハ其ノ効力ヲ失フ

第280条ノ7 新株ノ引受人ハ払込期日ニ各株ニ付其ノ発行価額ノ全額ノ払込ヲ為スコトヲ要ス

第280条ノ8 現物出資ヲ為ス者アル場合ニ於テハ取締役ハ第280条ノ2第1項第3号ニ掲グル事項ヲ調査セシムル為検査役ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス但シ現物出資ヲ為ス者ニ対シテ与フル株式ノ総数ガ発行済株式ノ総数ノ10分ノ1ヲ超エズ且新ニ発行スル株式ノ数ノ5分ノ1ヲ超エザルトキ又ハ現物出資ノ目的タル財産ノ価格ノ総額ガ500万円ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第173条第2項(第1号ヲ除ク)第3項(第2号ヲ除ク)及第246条第4項ノ規定ハ前項本文ノ場合ニ之ヲ準用ス
3 裁判所ハ検査役ノ報告ヲ聴キ第1項ニ掲グル事項ヲ不当ト認メタルトキハ之ニ変更ヲ加ヘテ取締役及現物出資ヲ為ス者ニ通告スルコトヲ得
4 現物出資ヲ為ス者前項ノ変更ニ服セザルトキハ其ノ引受ヲ取消スコトヲ得
5 通告後2週間内ニ前項ノ取消ナキトキハ第1項ノ事項ハ通告ニ従ヒ変更セラレタルモノト看做ス

第280条ノ9 払込又ハ現物出資ノ給付ヲ為シタル新株ノ引受人ハ払込期日ヨリ株主トナル
2 新株ノ引受人ガ払込期日迄ニ払込又ハ現物出資ノ給付ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フ
3 前項ノ規定ハ新株ノ引受人ニ対スル損害賠償ノ請求ヲ妨ケズ

第280条ノ10 会社ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナル方法ニ依リテ株式ヲ発行シ之ニ因リ株主ガ不利益ヲ受クル虞アル場合ニ於テハ其ノ株主ハ会社ニ対シ其ノ発行ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得

第280条ノ11 取締役ト通ジテ著シク不公正ナル発行価額ヲ以テ株式ヲ引受ケタル者ハ会社ニ対シ公正ナル発行価額トノ差額ニ相当スル金額ノ支払ヲ為ス義務ヲ負フ
2 第267条乃至第268条ノ3ノ規定ハ前項ノ支払ヲ求ムル訴ニ之ヲ準用ス

第280条ノ12 新株ヲ引受ケタル者ハ新株発行ニ因ル変更ノ登記ノ日ヨリ1年ヲ経過シタル後ハ錯誤若ハ株式申込証ノ用紙若ハ新株引受権証書ノ要件ノ欠缺ヲ理由トシテ其ノ引受ノ無効ヲ主張シ又ハ詐欺若ハ強迫ヲ理由トシテ其ノ引受ヲ取消スコトヲ得ズ其ノ株式ニ付株主ノ権利ヲ行使シタルトキ亦同ジ

第280条ノ13 新株発行ニ因ル変更ノ登記アリタルニ拘ラズ仍引受ナキ株式アルトキハ取締役ハ共同シテ之ヲ引受ケタルモノト看做ス株式ノ申込ガ取消サレタルトキ亦同ジ
2 前項ノ規定ハ取締役ニ対スル損害賠償ノ請求ヲ妨ゲズ

第280条ノ13ノ2 現物出資ノ目的タル財産ノ新株発行当時ニ於ケル実価ガ取締役会ノ決議ニ依リ定メタル価格ニ著シク不足スルトキハ其ノ決議ニ賛成シタル取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ不足額ヲ支払フ義務ヲ負フ
2 現物出資ノ目的タル財産ノ価格ヲ株主総会ノ決議ニ依リ定メタル場合ニ於テ其ノ財産ノ新株発行当時ニ於ケル実価ガ決議ニ依リ定メタル価格ニ著シク不足スルトキハ現物出資ニ関スル議案ヲ総会ニ提出シタル取締役ハ議案ニ掲ゲタル財産ノ価格ト実価トノ差額ヲ限度トシテ会社ニ対シ連帯シテ其ノ不足額ヲ支払フ義務ヲ負フ
3 第266条第3項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ、同条第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
4 第280条ノ2第1項第3号ニ掲グル事項ニ付検査役ノ調査ヲ受ケタルトキハ其ノ財産ノ現物出資者ニ非サル取締役ハ前3項ノ規定ニ拘ラズ其ノ財産ニ付第1項及第2項ノ義務ヲ負フコトナシ
5 前条第2項ノ規定ハ第1項及第2項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第280条ノ13ノ3 前条第1項第2項及第5項ノ規定ハ第280条ノ8第2項ニ於テ準用スル第173条第2項第3号ノ証明又ハ鑑定評価(以下本条ニ於テ証明等ト称ス)ヲ為シタル者ニ、第193条第2項ノ規定ハ其ノ証明等ヲ為シタル者ガ虚偽ノ証明等ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス但シ其ノ証明等ヲ為シタル者ガ之ヲ為スニ付注意ヲ怠ラザリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第280条ノ14 第175条第1項第3項乃至第9項、第176条、第177条第2項第3項、第178条、第189条及第190条ノ規定ハ新株ノ発行ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ第280条ノ6第2項ノ場合ニ於テハ第175条第1項第3項乃至第8項ノ規定ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
2 第175条第4項及第177条第2項ノ規定ハ新株引受権証書ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス

第280条ノ15 新株発行ノ無効ハ発行ノ日ヨリ6月内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ株主、取締役又ハ監査役ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得

第280条ノ16 第88条、第105条第2項第3項、第109条、第137条及第249条ノ規定ハ前条ノ訴ニ之ヲ準用ス

第280条ノ17 新株発行ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ新株ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フ
2 前項ノ場合ニ於テハ会社ハ遅滞ナク其ノ旨及一定ノ期間内ニ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨ヲ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ3月ヲ下ルコトヲ得ズ

第280条ノ18 前条第1項ノ場合ニ於テハ会社ハ新株ノ株主ニ対シ其ノ払込ミタル金額ノ支払ヲ為スコトヲ要ス
2 前項ノ金額ガ前条第1項ノ判決確定ノ時ニ於ケル会社財産ノ状況ニ照シ著シク不相当ナルトキハ裁判所ハ会社又ハ前項ノ株主ノ請求ニ依リ前項ノ金額ノ増減ヲ命ズルコトヲ得
3 第208条及第209条第1項第2項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
4 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合又ハ発行済株式ノ全部ニ付第226条第1項但書若ハ第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テ新株発行ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ会社ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公告スルコトヲ要ス

第3節ノ3 新株予約権

第280条ノ19 新株予約権トハ之ヲ有スル者(以下新株予約権者ト称ス)ガ会社ニ対シ之ヲ行使シタルトキニ会社ガ新株予約権者ニ対シ新株ヲ発行シ又ハ之ニ代ヘテ会社ノ有スル自己ノ株式ヲ移転スル義務ヲ負フモノヲ謂フ
2 新株予約権ニ付テハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外本節ノ定ムル所ニ依ル

第280条ノ20 会社ハ新株予約権ヲ発行スルコトヲ得
2 前項ノ場合ニ於テハ左ノ事項ハ取締役会之ヲ決ス但シ定款ヲ以テ株主総会ガ之ヲ決スル旨ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 1 其ノ決議ニ基キ発行スル新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数
 2 複数ノ新株予約権ニ分割シテ発行スルトキハ発行スル新株予約権ノ総数
 3 各新株予約権ノ発行価額及払込期日但シ無償ニテ之ヲ発行スル場合ニ於テハ其ノ旨及之ヲ発行スル日
 4 各新株予約権ノ行使ニ際シテ払込ヲ為スベキ額
 5 新株予約権ヲ行使スルコトヲ得ベキ期間
 6 前2号ニ掲グルモノノ外新株予約権ノ行使ノ条件
 7 会社ガ新株予約権ヲ消却スルコトヲ得ベキ事由及消却ニ依リ新株予約権者ノ受クベキ金銭其ノ他ノ消却ノ条件
 8 新株予約権ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スルモノトスルトキハ其ノ旨
 9 新株予約権者ノ請求アルトキニ限リ新株予約権証券ヲ発行スベキモノトスルトキハ其ノ旨
 10 新株予約権ノ行使ニ因リテ新株ヲ発行スル場合ニ於ケル其ノ新株ノ発行価額中資本ニ組入レザル額
 11 前号ノ場合ニ於ケル利益又ハ利息ノ配当ニ付テハ第280条ノ37第1項ノ規定ニ依ル払込ヲ為シタル時ノ属スル営業年度又ハ其ノ前営業年度ノ終ニ於テ新株ノ発行アリタルモノト看做スモノトスルトキハ其ノ旨
 12 会社ニ対シ行使スルコトニ因リ其ノ会社ノ発行スル新株予約権ノ割当ヲ受ケタルコトトナル権利(以下新株予約権ノ引受権ト称ス)ヲ株主ニ与フルトキハ其ノ旨並ニ新株予約権ノ引受権ノ目的タル新株予約権ノ数及其ノ新株予約権ノ発行ノ条件
 13 株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルトキハ其ノ旨並ニ新株予約権ノ割当ヲ受クル者、之ニ対シ割当ツル新株予約権ノ数及其ノ新株予約権ノ発行ノ条件
 14 第8号ニ掲グル事項ノ定アル場合ニ於テ株主以外ノ者ニ対シ新株予約権ヲ発行スルトキハ新株予約権ノ割当ヲ受クル者及之ニ対シ割当ツル新株予約権ノ数
3 前項ノ決議ニ於テハ定款ニ同項第8号、第9号、第11号及第12号ニ掲グル事項ニ付定アルトキハ其ノ定ニ従フコトヲ要ス
4 新株予約権ノ行使ニ因リテ新株ヲ発行スル場合ニ於テハ新株予約権ノ発行価額及第2項第4号ニ掲グル額トノ合計額ノ1株当リノ額ヲ其ノ新株1株ノ発行価額ト看做ス

第280条ノ21 株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルニハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ其ノ新株予約権ニ付テノ前条第2項第1号、第2号及第4号乃至第8号ニ掲グル事項並ニ各新株予約権ノ最低発行価額(無償ニテ発行スル場合ニハ其ノ旨)ニ付第343条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ取締役ハ株主総会ニ於テ株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ヲ以テ新株予約権ヲ発行スルコトヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス
2 前項ノ決議ハ新株予約権ニシテ決議ノ日ヨリ1年内ニ発行価額ノ払込(無償ニテ新株予約権ヲ発行スル場合ニハ発行)ヲ為スベキモノニ付テノミ其ノ効力ヲ有ス
3 第280条ノ2第3項ノ規定ハ第1項ノ決議ニ之ヲ準用ス

第280条ノ22 会社ハ第280条ノ20第2項ノ決議ニ於テ各新株予約権ノ発行価額其ノ他ノ発行ノ条件ヲ均等ニ定ムルコトヲ要ス

第280条ノ23 会社ハ払込期日(無償ニテ新株予約権ヲ発行スル場合ニハ之ヲ発行スル日)ノ2週間前ニ第280条ノ20第2項第1号乃至第8号ニ掲グル事項、新株予約権ノ発行価額及其ノ行使ニ際シテ払込ヲ為スベキ額ノ算定ノ理由(無償ニテ新株予約権ヲ発行スル場合ニハ其ノ理由)並ニ募集ノ方法ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス

第280条ノ24 前2条ノ規定ハ第280条ノ20第2項第12号ノ新株予約権ノ引受権ノ目的タル新株予約権及第280条ノ21第1項ノ決議アリタル新株予約権ニ付テハ之ヲ適用セズ

第280条ノ25 株主ガ有スル新株予約権ノ引受権ノ目的タル新株予約権ノ発行ノ条件ハ株主ガ其ノ有スル株式ノ数ニ応ジテ株式ヲ取得スルコトヲ得ベキモノナルコトヲ要ス
2 前項ノ規定ニ拘ラズ同項ノ株主ハ1株ノ100分ノ1(第220条ノ2第3項ノ規定ニ依リ異ル割合ヲ定メタル場合ハ其ノ割合)ニ満タザル端数ニ付テハ之ヲ取得スルコトヲ得ズ1株ニ満タザル端数ヲ端株トシテ端株原簿ニ記載又ハ記録セザル旨ノ定アル場合ニ於ケル1株ニ満タザル端数ニ付亦同ジ
3 第280条ノ4第3項ノ規定ハ株主ガ新株予約権ノ引受権ヲ有スベキ場合ニ之ヲ準用ス

第280条ノ26 株主ガ新株予約権ノ引受権ヲ有スル場合ニ於テハ各株主ニ対シ其ノ者ガ有スル新株予約権ノ引受権ノ目的タル新株予約権ノ数、其ノ新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数、第280条ノ20第2項第3号乃至第7号ニ掲グル事項並ニ一定ノ期日 迄ニ新株予約権ノ引受権ノ行使ヲ為サザルトキハ之ヲ失フベキ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
2 第280条ノ5第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第280条ノ27 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ株主ハ新株予約権ノ引受権ヲ有ス但シ株主以外ノ者ニ対シ新株予約権ヲ発行スベキコト並ニ其ノ新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数ニ付第343条ニ定ムル決議アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第280条ノ2第3項及第280条ノ21第2項ノ規定ハ前項但書ノ決議ニ之ヲ準用ス

第280条ノ28 新株予約権ノ申込又ハ新株予約権ノ引受権ノ行使ヲ為サントスル者ハ新株予約権申込証ノ用紙ニ其ノ引受クベキ新株予約権ノ数及住所ヲ記載シ之ニ署名シテ新株予約権申込証ヲ作ルコトヲ要ス
2 新株予約権申込証ノ用紙ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 会社ノ商号
 2 第280条ノ20第2項第1号乃至第11号ニ掲グル事項
 3 第280条ノ20第2項ノ決議ニ於テ第352条第3項各号又ハ第364条第3項各号ニ掲グル事項ヲ定メタルトキハ其ノ事項
 4 第175条第2項第4号乃至第6号ニ掲グル事項
 5 次条第1項ノ払込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託会社及其ノ取扱ノ場所
 6 第280条ノ37第1項ノ払込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託会社及其ノ取扱ノ場所
 7 名義書換代理人ヲ置キタルトキハ其ノ氏名及住所並ニ営業所
3 第175条第5項ノ規定ハ新株予約権申込証ノ用紙ノ交付ニ、同条第7項及第8項ノ規定ハ新株予約権申込証ノ作成ニ之ヲ準用ス
4 会社ハ第1項ノ規定ニ依リ新株予約権ノ申込ヲ為シタル者中ヨリ新株予約権ノ割当ヲ受クル者ヲ定メ且之ニ対シ割当ツル新株予約権ノ数ヲ定ムルコトヲ要ス
5 前各項ノ規定ハ第2項各号ニ掲グル事項ヲ記載又ハ記録シタル証書又ハ電磁的記録ニ依ル契約ヲ以テ新株予約権ノ総数ヲ割当ツル場合ニハ之ヲ適用セズ

第280条ノ29 新株予約権ノ割当ヲ受ケタル者ハ払込期日ニ各新株予約権ニ付其ノ発行価額ノ全額ノ払込ヲ為スコトヲ要ス
2 新株予約権ノ割当ヲ受ケタル者ガ前項ノ払込期日 迄ニ払込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フ
3 第177条第2項ノ規定ハ第1項ノ払込ニ之ヲ準用ス

第280条ノ30 会社ハ第280条ノ20第2項第9号ニ掲グル事項ノ定アルトキハ其ノ定ニ従ヒ、其ノ定ナキトキハ払込期日(無償ニテ新株予約権ヲ発行スル場合ニハ之ヲ発行スル日)以後遅滞ナク新株予約権証券ヲ発行スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ第226条第2項及第3項ノ規定ヲ準用ス新株予約権証券ニハ左ノ事項及番号ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
 1 新株予約権証券ナル旨ノ表示
 2 新株予約権ノ数
 3 新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数
 4 第280条ノ20第2項第4号乃至第8号ニ掲グル事項
 5 第280条ノ28第2項第1号、第3号及第6号ニ掲グル事項
 6 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定メタルトキハ其ノ規定
2 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル会社ガ発行シタル新株予約権ニ付テハ第1項ノ規定ニ拘ラズ新株予約権証券ハ之ヲ発行スルコトヲ得ズ
3 前項ノ新株予約権ニ付テハ第280条ノ34、第359条ノ2及第368条ノ2ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第280条ノ31 取締役ハ新株予約権原簿ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 新株予約権証券ノ番号並ニ各新株予約権証券ニ付テノ新株予約権ノ数及発行ノ年月日
 2 第280条ノ20第2項第1号乃至第9号ニ掲グル事項
 3 第280条ノ28第2項第3号ニ掲グル事項
2 左ノ場合ニ於テハ新株予約権原簿ニハ新株予約権者ノ氏名及住所、其ノ有スル新株予約権ノ数並ニ各新株予約権ノ取得ノ年月日ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
  1 第280条ノ20第2項第8号ニ掲グル事項ノ定アルトキ
  2 第280条ノ20第2項第9号ニ掲グル事項ノ定アル場合ニ於テ新株予約権ニ付未ダ新株予約権証券ガ発行セラレザルトキ
 3 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル会社ガ新株予約権ヲ発行シタルトキ
3 前項第2号及第3号ノ場合ニ於テハ新株予約権原簿ニハ第1項第1号ニ掲グル事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要セズ
4 第280条ノ20第2項第9号ニ掲グル事項ノ定アル場合ニ於テ新株予約権証券ガ発行セラレタルトキハ第2項第2号ノ新株予約権ニ付同項ノ規定ニ依リ新株予約権原簿ニ記載又ハ記録セラレタル事項ヲ抹消スルコトヲ要ス但シ同項第1号ノ場合ニハ此ノ限ニ在ラズ
5 第33条ノ2第1項ノ規定ハ新株予約権原簿ニ、第224条第1項乃至第3項ノ規定ハ新株予約権原簿ニ記載又ハ記録アル新株予約権者ニ対スル通知ニ之ヲ準用ス

第280条ノ32 新株予約権ヲ発行スルトキハ払込期日(無償ニテ新株予約権ヲ発行スル場合ニハ之ヲ発行スル日)ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ新株予約権ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
2 前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 1 新株予約権ノ数
 2 新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数
 3 各新株予約権ノ発行価額(無償ニテ発行スル場合ニハ其ノ旨)
 4 第280条ノ20第2項第4号乃至第7号ニ掲グル事項
3 第67条ノ規定ハ第1項ノ登記ニ之ヲ準用ス

第280条ノ33 新株予約権ハ之ヲ他人ニ譲渡スコトヲ得但シ第280条ノ20第2項第8号ニ掲グル事項ノ定アルトキハ取締役会ノ承認ヲ要ス
2 前項但書ノ承認ノ申請ヲ為スニハ会社ニ対シ譲渡ノ相手方並ニ譲渡サントスル新株予約権ノ数ヲ記載シタル書面ヲ提出スルコトヲ要ス
3 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ前項ノ承認ノ申請ニ、同条第4項第6項及第7項前段ノ規定ハ其ノ承認ノ申請アリタル場合ニ之ヲ準用ス

第280条ノ34 新株予約権ヲ譲渡スニハ新株予約権証券ヲ交付スルコトヲ要ス
2 第205条第2項及小切手法第21条ノ規定ハ新株予約権証券ニ之ヲ準用ス

第280条ノ34ノ2 新株予約権証券ハ非訟事件手続法第142条ニ規定スル公示催告手続ニ依リテ之ヲ無効ト為スコトヲ得
2 新株予約権証券ヲ喪失シタル者ハ非訟事件手続法第148条第1項ニ規定スル除権決定ヲ得ルニ非ザレバ其ノ再発行ヲ請求スルコトヲ得ズ

第280条ノ35 第280条ノ20第2項第8号ニ掲グル事項ノ定アル新株予約権又ハ株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル会社ガ発行シタル新株予約権ノ移転ハ取得者ノ氏名及住所ヲ新株予約権原簿ニ記載又ハ記録スルニ非ザレバ之ヲ以テ会社ニ対抗スルコトヲ得ズ
2 第206条第2項ノ規定ハ新株予約権原簿ノ名義書換代理人ヲ置ク場合ニ之ヲ準用ス
3 第206条ノ2(第2項第3号ヲ除ク)及第207条ノ2ノ規定ハ株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル会社ガ発行シタル新株予約権ニ付テノ新株予約権原簿ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ質権ニ付テノ新株予約権原簿ノ記載又ハ記録ハ質権設定者ノ請求ニ依リテ之ヲ為ス

第280条ノ36 会社ハ第280条ノ20第2項ノ決議ニ於テ新株予約権ヲ消却スルコトヲ得ベキ事由トシテ定メタル事由ガ発生シタルトキニ限リ新株予約権ノ消却ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ消却セラルベキ新株予約権ハ取締役会之ヲ決ス
2 前項後段ノ決議ヲ為シタルトキハ会社ハ其ノ旨、一定ノ期間内ニ新株予約権証券ヲ会社ニ提出スベキ旨及消却セラルベキ新株予約権ヲ公告シ且新株予約権者ニ対シ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
3 新株予約権ノ消却ハ前項ノ期間満了ノ時ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ
4 消却セラルベキ新株予約権ニ付新株予約権証券ヲ発行セザリシトキハ前2項ノ規定ニ拘ラズ会社ハ第1項後段ノ決議ヲ為シタル旨、会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ新株予約権ノ消却ノ効力ガ生ズル旨及消却セラルベキ新株予約権ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告シ又ハ新株予約権者及新株予約権原簿ニ記載若ハ記録アル質権者ニ通知スルコトヲ要ス

第280条ノ37 新株予約権ヲ行使スル者ハ請求書ニ新株予約権証券ヲ添付シテ之ヲ会社ニ提出シ且第280条ノ20第2項第4号ニ掲グル額ノ全額ノ払込ヲ為スコトヲ要ス但シ新株予約権証券ヲ発行セザリシトキ又ハ第266条第11項ノ規定ニ依リ之ヲ会社ニ預託シタルトキハ之ヲ添付スルコトヲ要セズ
2 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ前項ノ請求書ノ提出ニ、第204条ノ3第4項ノ規定ハ前項本文ノ新株予約権証券ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ払込ハ第280条ノ28第2項第6号ノ場所ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス
4 第175条第1項及同条第8項ニ於テ準用スル第33条ノ2第2項ノ規定ハ第1項ノ請求書ニ、第178条及第189条ノ規定ハ第1項ノ払込ヲ取扱フ銀行又ハ信託会社ニ、第222条ノ7ノ規定ハ新株予約権ノ行使ニ因ル変更ノ登記ニ之ヲ準用ス

第280条ノ38 前条第1項ノ規定ニ依リ新株予約権ヲ行使シタル者ハ同項ノ払込ノ時ニ株主トナル

第280条ノ39 第203条第2項及第3項ノ規定ハ新株予約権ガ数人ノ共有ニ属スル場合ニ之ヲ準用ス
2 第208条ノ規定ハ新株予約権ノ消却アリタル場合ニ之ヲ準用ス
3 第220条ノ7第6項ノ規定ハ新株予約権ノ行使ニ因リテ会社ガ自己ノ株式ヲ移転スル場合ニ之ヲ準用ス
4 第222条ノ2第3項、第280条ノ10及第280条ノ11ノ規定ハ新株予約権ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス

第4節 会社ノ計算

第281条 取締役ハ毎決算期ニ左ニ掲グルモノ及其ノ附属明細書ヲ作リ取締役会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
 1 貸借対照表
 2 損益計算書
 3 営業報告書
 4 利益ノ処分又ハ損失ノ処理ニ関スル議案
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項第1号又ハ第4号ニ掲グルモノニ之ヲ準用ス
3 取締役ハ第1項第2号若ハ第3号ニ掲グル書類又ハ同項ノ附属明細書ニ記載スベキ情報ヲ記録シタル電磁的記録ノ作成ヲ以テ此等ノ書類ノ作成ニ代フルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ電磁的記録ハ之ヲ此等ノ書類ト、其ノ電磁的記録ノ記録ハ之ヲ此等ノ書類ノ記載ト看做ス
4 第1項ニ掲グルモノハ監査役ノ監査ヲ受クルコトヲ要ス
5 第1項第1号乃至第3号ニ掲グルモノ及同項ノ附属明細書ニ記載又ハ記録スベキ事項及其ノ記載又ハ記録ノ方法ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

第281条ノ2 取締役ハ定時総会ノ会日ヨリ7週間前ニ前条第1項各号ニ掲グルモノヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
2 取締役ハ前項ノ規定ニ依リ前条第1項各号ニ掲グルモノヲ提出シタル日ヨリ3週間内ニ同項ノ附属明細書ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
3 前条第2項又ハ第3項ノ場合ニ於テハ取締役ハ前2項ノ規定ニ依ル同条第1項各号ニ掲グルモノ又ハ前項ノ附属明細書ノ提出ニ代ヘテ前条第2項ニ於テ準用スル第33条ノ2第1項又ハ前条第3項ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ取締役ハ前2項ノ規定ニ依リ同条第1項各号ニ掲グルモノ又ハ前項ノ附属明細書ヲ提出シタルモノト看做ス
4 前条第2項又ハ第3項ノ場合ニ於テ監査役ノ請求アリタルトキハ前3項ノ取締役ハ前3項ノ規定ニ拘ラズ第1項及第2項ノ期間内ニ前項ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ記載シタル書面ヲ其ノ監査役ニ交付スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ同項後段ノ規定ヲ準用ス

第281条ノ3 監査役ハ前条第1項ノ規定ニ依リ第281条第1項各号ニ掲グルモノヲ受領シタル日ヨリ4週間内ニ監査報告書ヲ取締役ニ提出スルコトヲ要ス
2 前項ノ監査報告書ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 監査ノ方法ノ概要
 2 会計帳簿ニ記載若ハ記録スベキ事項ノ記載若ハ記録ナク若ハ不実ノ記載若ハ記録アルトキ又ハ貸借対照表若ハ損益計算書ノ記載ガ会計帳簿ノ記載ト合致セザルトキハ其ノ旨
 3 貸借対照表及損益計算書ガ法令及定款ニ従ヒ会社ノ財産及損益ノ状況ヲ正シク示シタルモノナルトキハ其ノ旨
 4 貸借対照表又ハ損益計算書ガ法令又ハ定款ニ違反シ会社ノ財産及損益ノ状況ヲ正シク示サザルモノナルトキハ其ノ旨及事由
 5 貸借対照表又ハ損益計算書ノ作成ニ関スル会計方針ノ変更ガ相当ナルヤ否ヤ及其ノ理由
 6 営業報告書ガ法令及定款ニ従ヒ会社ノ状況ヲ正シク示シタルモノナルヤ否ヤ
 7 利益ノ処分又ハ損失ノ処理ニ関スル議案ガ法令及定款ニ適合スルヤ否ヤ
 8 利益ノ処分又ハ損失ノ処理ニ関スル議案ガ会社財産ノ状況其ノ他ノ事情ニ照シ著シク不当ナルトキハ其ノ旨
 9 第281条第1項ノ附属明細書ニ記載スベキ事項ノ記載ナク又ハ不実ノ記載若ハ会計帳簿、貸借対照表、損益計算書若ハ営業報告書ノ記載若ハ記録ト合致セザル記載アルトキハ其ノ旨
 10 取締役ノ職務遂行ニ関シ不正ノ行為又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事実アリタルトキハ其ノ事実
 11 第274条ノ3第1項ノ規定ニ依リ子会社ニ対シ営業ノ報告ヲ求メ又ハ子会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査シタルトキハ其ノ方法及結果
 12 監査ノ為必要ナル調査ヲ為スコト能ハザリシトキハ其ノ旨及理由
3 第281条第3項ノ規定ハ第1項ノ監査報告書ノ作成ニ、前条第3項及第4項ノ規定ハ第1項ノ監査報告書ノ提出ニ之ヲ準用ス

第282条 取締役ハ定時総会ノ会日ノ2週間前ヨリ第281条第1項ニ掲グルモノ及監査報告書ヲ5年間本店ニ、其ノ謄本(其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)ヲ3年間支店ニ備置クコトヲ要ス
2 株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得但シ第2号又ハ第4号ノ請求ヲ為スニハ会社ノ定メタル費用ヲ支払フコトヲ要ス
 1 前項ニ掲グルモノガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧ノ請求
 2 前号ノ書面ノ謄本又ハ抄本ノ交付ノ請求
 3 前項ニ掲グルモノガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧ノ請求
 4 前号ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコトノ請求又ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ノ請求
3 親会社ノ株主ハ其ノ権利ヲ行使スル為必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ子会社ニ対シ前項各号ニ掲グル請求(子会社ガ有限会社ナル場合ニ於テハ有限会社法第43条ノ2第1項ニ掲グルモノニ係ル請求)ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項但書ノ規定ヲ準用ス

第283条 取締役ハ第281条第1項各号ニ掲グルモノヲ定時総会ニ提出シテ同項第3号ニ掲グルモノニ在リテハ其ノ内容ヲ報告シ、同項第1号、第2号及第4号ニ掲グルモノニ在リテハ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
2 定時総会ノ招集ノ通知ニ際シテハ第281条第1項各号ニ掲グルモノ及監査報告書ノ謄本ヲ交付スルコトヲ要ス
3 前項ノ謄本ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於テハ同項ノ謄本ノ交付ニ代ヘテ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ同項ノ通知ニ際シ電磁的方法ニ依リ提供スルコトヲ得但シ株主ノ請求アリタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ記載シタル書面ヲ其ノ株主ニ交付スルコトヲ要ス
4 取締役ハ第1項ノ承認ヲ得タル後遅滞ナク貸借対照表ヲ公告スルコトヲ要ス
5 前項ノ規定ニ拘ラズ官報又ハ時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙ヲ以テ公告ヲ為ス方法トスル会社ニ於テハ貸借対照表ノ要旨ヲ公告スルヲ以テ足ル
6 前項ノ要旨ノ記載方法ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム
7 第5項ノ会社ハ取締役会ノ決議ヲ以テ会社ガ第1項ノ承認ヲ得タル後遅滞ナク貸借対照表ニ記載又ハ記録セラレタル情報ヲ電子公告ニ準ズルモノトシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ同項ノ承認ヲ得タル日後5年ヲ経過スル日#不特定多数ノ者ガ其ノ提供ヲ受クルコトヲ得ベキ状態ニ置ク措置ヲ執ルコトトスルコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ決議ヲ為シタル会社ニ付テハ第4項ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第284条 削除

第284条ノ2 会社ノ資本ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外発行済株式ノ発行価額ノ総額トス
2 株式ノ発行価額ノ2分ノ1ヲ超エザル額ハ資本ニ組入レザルコトヲ得

第285条 会社ノ会計帳簿ニ記載又ハ記録スベキ財産ニ付テハ第34条ノ規定ニ拘ラズ法務省令ノ定ムル所ニ依リ其ノ価額ヲ付スルコトヲ要ス

第286条及第287条 削除

第288条 会社ハ資本準備金ノ額ト併セテ其ノ資本ノ4分ノ1ニ達スル迄ハ毎決算期ニ利益ノ処分トシテ支出スル金額ノ10分ノ1以上ヲ、第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ス毎ニ其ノ分配額ノ10分ノ1ヲ利益準備金トシテ積立ツルコトヲ要ス

第288条ノ2 左ニ掲グル金額ハ之ヲ資本準備金トシテ積立ツルコトヲ要ス
 1 株式ノ発行価額中資本ニ組入レザル額
 2 株式交換ヲ為シタル場合ニ於テ第357条ニ規定スル資本増加ノ限度額ガ完全親会社ノ増加シタル資本ノ額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額
 3 株式移転ヲ為シタル場合ニ於テ第367条ニ規定スル資本ノ限度額ガ設立シタル完全親会社ノ資本ノ額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額
 3ノ2 新設分割ヲ為シタル場合ニ於テ第374条ノ5ニ規定スル資本ノ限度額ガ分割ニ因リテ設立シタル会社ノ資本ノ額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額
 3ノ3 吸収分割ヲ為シタル場合ニ於テ第374条ノ21ニ規定スル資本増加ノ限度額ガ分割ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ノ増加シタル資本ノ額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額
 4 削除
 5 合併ニ因リ消滅シタル会社ヨリ承継シタル財産ノ価額ガ其ノ会社ヨリ承継シタル債務ノ額、其ノ会社ノ株主ニ支払ヒタル金額及第409条ノ2ノ規定ニ依リ其ノ会社ノ株主ニ移転シタル株式ニ付会計帳簿ニ記載又ハ記録シタル価額ノ合計額並ニ存続スル会社ノ増加シタル資本ノ額又ハ合併ニ因リ設立シタル会社ノ資本ノ額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額
2 分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割ヲ為シタル会社ノ株主ニ対シ分割ニ際シテ発行スル株式ノ割当ヲ為シタル場合ニ於テハ前項第3号ノ2ノ超過額中分割ヲ為シタル会社ノ利益準備金其ノ他会社ニ留保シタル利益ノ額ヲ超エザル金額ハ之ヲ資本準備金ト為サザルコトヲ得
3 前項ノ場合ニ於テハ分割ヲ為ス会社ノ利益準備金其ノ他会社ニ留保シタル利益ノ額ヨリ同項ノ規定ニ依リ資本準備金ト為サザル金額ニ相当スル金額ヲ控除スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ分割ヲ為ス会社ノ利益準備金ヨリ控除スル金額ハ分割ニ因リテ設立シタル会社ノ利益準備金ト為ス額ヲ超ユルコトヲ得ズ
4 分割ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ガ分割ヲ為シタル会社ノ株主ニ対シ分割ニ際シテ発行スル新株ノ割当ヲ為シタル場合ニ於テハ第1項第3号ノ3ノ超過額中分割ヲ為シタル会社ノ利益準備金其ノ他会社ニ留保シタル利益ノ額ヲ超エザル金額ハ之ヲ資本準備金ト為サザルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項ノ規定ヲ準用ス
5 第1項第5号ノ超過額中合併ニ因リ消滅シタル会社ノ利益準備金其ノ他会社ニ留保シタル利益ノ額ニ相当スル金額ハ之ヲ資本準備金ト為サザルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ利益準備金ノ額ニ相当スル金額ハ之ヲ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リ設立シタル会社ノ利益準備金ト為スコトヲ要ス

第289条 資本準備金又ハ利益準備金ハ資本ノ欠損ノ填補ニ充ツル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ但シ第293条ノ3ニ規定スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
2 会社ハ前項ノ規定ニ拘ラズ株主総会ノ決議ヲ以テ資本準備金及利益準備金ノ合計額ヨリ其ノ資本ノ4分ノ1ニ相当スル額ヲ控除シタル額ヲ限度トシテ資本準備金又ハ利益準備金ノ減少ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ決議ニ於テ減少スベキ資本準備金又ハ利益準備金ノ額及左ノ各号ニ掲グル場合ニ於ケル其ノ各号ニ定ムル金額ニ付決議ヲ為スコトヲ要ス
 1 株主ニ払戻ヲ為ス場合 払戻ニ要スベキ金額
 2 資本ノ欠損ノ填補ニ充ツル場合 填補ニ充ツルベキ金額
3 前項ノ場合ニ於テハ同項各号ニ定ムル金額ノ合計額ハ減少スベキ資本準備金及利益準備金ノ合計額ヲ超ユルコトヲ得ズ
4 第375条第2項第3項、第376条及第380条ノ規定ハ第2項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第290条 利益ノ配当ハ貸借対照表上ノ純資産額ヨリ左ノ金額ヲ控除シタル額ヲ限度トシテ之ヲ為スコトヲ得
 1 資本ノ額
 2 資本準備金及利益準備金ノ合計額
 3 其ノ決算期ニ積立ツルコトヲ要スル利益準備金ノ額
 4 其ノ他法務省令ニ定ムル額
2 前項ノ規定ニ違反シテ配当ヲ為シタルトキハ会社ノ債権者ハ之ヲ返還セシムルコトヲ得

第291条 会社ノ目的タル事業ノ性質ニ依リ会社ノ成立後2年以上其ノ営業全部ノ開業ヲ為スコト能ハザルモノト認ムルトキハ会社ハ定款ヲ以テ一定ノ株式ニ付其ノ開業前一定ノ期間内一定ノ利息ヲ株主ニ配当スべキ旨ヲ定ムルコトヲ得
2 前項ノ定款ノ規定又ハ其ノ変更ハ裁判所ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス
3 第1項ノ期間内ニ発行スル株式ニシテ利息ノ配当ヲ為スモノノ発行価額ハ同項ニ定ムル利息ノ年額ノ20倍ヲ下ルコトヲ得ズ

第292条 削除

第293条 利益又ハ利息ノ配当ハ各株主ノ有スル株式ノ数ニ応ジテ之ヲ為ス但シ第222条第1項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ且会社ノ有スル自己ノ株式ニ付テハ利益又ハ利息ノ配当ハ之ヲ為サズ

第293条ノ2 会社ハ利益ノ処分ニ関スル株主総会ノ決議ヲ以テ配当ヲ為スコトヲ得ベキ利益ノ全部又ハ一部ヲ資本ニ組入ルルコトヲ得

第293条ノ3 会社ハ取締役会ノ決議ニ依リ準備金ノ全部又ハ一部ヲ資本ニ組入ルルコトヲ得

第293条ノ4 削除

第293条ノ5 営業年度ヲ1年トスル会社ハ定款ヲ以テ営業年度ニ付1回ニ限リ営業年度中ノ一定ノ日ヲ定メ其ノ日ニ於ケル株主ニ対シ取締役会ノ決議ニ依リ金銭ノ分配ヲ為スコトヲ得ル旨ヲ定ムルコトヲ得
2 前項ノ決裁ハ同項ノ一定ノ日ヨリ3月内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第1項ノ金銭ノ分配ハ最終ノ貸借対照表上ノ純資産額ヨリ第1号乃至第4号ノ金額ヲ控除シタル残額ニ第5号乃至第7号ノ金額ヲ加算シタル額ヲ限度トシテ之ヲ為スコトヲ得
 1 最終ノ決算期ニ於ケル資本及準備金ノ合計額
 2 最終ノ決算期ニ関スル定時総会ニ於テ積立テタル利益準備金及金銭ノ分配ノ時ニ積立ツルコトヲ要スル利益準備金ノ合計額
 3 最終ノ決算期ニ関スル定時総会ニ於テ利益ヨリ配当シ若ハ支払フモノト定メ又ハ資本ニ組入レタル額及第210条第1項又ハ第211条ノ3第1項ノ決議ニ依リ定メタル株式ノ取得価額ノ総額ノ合計額
 4 前3号ニ掲グルモノノ外法務省令ニ定ムル額
 5 最終ノ決算期後減少シタル資本準備金又ハ利益準備金ノ額ヨリ其ノ資本準備金又ハ利益準備金ノ減少ニ係ル第289条第2項第1号ニ定ムル額ヲ控除シタル額
 6 最終ノ決算期後減少シタル資本ノ額ヨリ其ノ資本ノ減少ニ係ル第375条第1項第1号及第2号ニ定ムル額ノ合計額ヲ控除シタル額
 6ノ2 最終ノ決済期後損失ノ処理ニ関スル議案ノ承認ノ決議アリタル場合ニ於ケル第289条第1項ニ規定スル資本ノ欠損ノ填補ニ充ツルベキ額
 7 前3号ニ掲グルモノノ外法務省令ニ定ムル額
4 会社ハ其ノ営業年度ノ終ニ於テ貸借対照表上ノ純資産額ガ第290条第1項各号ノ金額ノ合計額ヲ下ル虞アルトキハ第1項ノ金銭ノ分配ヲ為スコトヲ得ズ
5 営業年度ノ終ニ於テ前項ノ純資産額ガ同項ノ合計額ヲ下リタル場合ニ於テハ第1項ノ金銭ノ分配ヲ為シタル取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ差額、若シ分配シタル金銭ノ額ガ其ノ差額ヨリ少ナキトキハ分配シタル金銭ノ額ニ付賠償ノ責ニ任ズ但シ取締役ガ前項ノ虞ナキモノト認ムルニ付注意ヲ怠ラザリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
6 第1項ノ金銭ノ分配ハ第209条第2項、第222条第1項第1号、第222条ノ6但書(第222条ノ10ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第280条ノ20第2項第11号及第293条号ノ規定ノ適用ニ付テハ利益ノ配当ト看做シ、第1項ノ一定ノ日ハ第222条ノ6但書(第222条ノ10ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及第280条ノ20第2項第11号ノ規定ノ適用ニ付テハ営業年度ノ終ト看做ス
7 第266条第2項第3項及第5項ノ規定ハ第5項ノ取締役ノ責任ニ、第290条第2項ノ規定ハ第3項ノ規定ニ違反シテ金銭ノ分配ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

第293条ノ6 総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主ハ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 会計ノ帳簿及資料ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 会計ノ帳簿及資料ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ会社ノ本店ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求
2 前項ノ請求ハ理由ヲ附シタル書面ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前2項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス

第293条ノ7 前条ノ規定ニ依ル請求アリタルトキハ取締役ハ其ノ請求ガ左ニ掲グル事由ニ該当スルト認ムベキ相当ノ理由アル場合ヲ除クノ外之ヲ拒ムコトヲ得ズ
 1 株主ガ株主ノ権利ノ確保若ハ行使ニ関シ調査ヲ為ス為ニ非ズシテ請求ヲ為シタルトキ又ハ会社ノ業務ノ運営若ハ株主共同ノ利益ヲ害スル為請求ヲ為シタルトキ
 2 株主ガ会社ト競業ヲ為ス者ナルトキ、会社ト競業ヲ為ス会社ノ社員、株主、取締役若ハ執行役ナルトキ又ハ会社ト競業ヲ為ス者ノ為其ノ会社ノ株式ヲ有スル者ナルトキ
 3 株主ガ会計ノ帳簿及資料ニ係ル前条第1項ノ閲覧若ハ謄写ニ依リ知得シタル事実ヲ利益ヲ得テ他ニ通報スル為請求シタルトキ又ハ請求ノ日ノ前2年内ニ於テ其ノ会社若ハ他ノ会社ノ会計ノ帳簿及資料ニ係ル同項ノ閲監若ハ謄写ニ依リ知得シタル事実ヲ利益ヲ得テ他ニ通報シタルコトアル者ナルトキ
 4 株主ガ不適当ナル時ニ会計ノ帳簿及資料ニ係ル前条第1項ノ閲覧又ハ謄写ノ請求ヲ為シタルトキ

第293条ノ8 親会社ノ株主ニシテ其ノ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スルモノハ其ノ権利ヲ行使スル為必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ子会社ノ会計ノ帳簿及資料ニ係ル第293条ノ6第1項ノ閲覧又ハ謄写ヲ求ムルコトヲ得
2 前項ノ株主ニ付前条各号ニ掲グル事由アルトキハ裁判所同項ノ許可ヲ為スコトヲ得ズ

第294条 会社ノ業務ノ執行ニ関シ不正ノ行為又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事実アルコトヲ疑フベキ事由アルトキハ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主ハ会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査セシムル為裁判所ニ検査役ノ選任ヲ請求スルコトヲ得
2 検査役ハ其ノ職務ヲ行フ為必要アルトキハ子会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査スルコトヲ得
3 第237条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ第1項ノ検査役ノ選任アリタル場合ニ之ヲ準用ス

第295条 会社ハ何人ニ対シテモ株主ノ権利ノ行使ニ関シ自己又ハ其ノ子会社ノ計算ニ於テ財産上ノ利益ヲ供与スルコトヲ得ズ
2 会社ガ特定ノ株主ニ対シ無償ニテ自己又ハ其ノ子会社ノ計算ニ於テ財産上ノ利益ヲ供与シタルトキハ株主ノ権利ノ行使ニ関シテ之ヲ供与シタルモノト推定ス会社ガ特定ノ株主ニ対シ有償ニテ自己又ハ其ノ子会社ノ計算ニ於テ財産上ノ利益ヲ供与シタル場合ニ於テ自己又ハ其ノ子会社ノ受ケタル利益ガ供与シタル利益ニ比シ著シク少ナキトキ亦同ジ
3 会社ガ第1項ノ規定ニ違反シテ財産上ノ利益ヲ供与シタルトキハ其ノ利益ノ供与ヲ受ケタル者ハ之ヲ会社又ハ其ノ子会社ニ返還スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ会社又ハ其ノ子会社ニ対シテ給付シタルモノアルトキハ其ノ返還ヲ受クルコトヲ得
4 第267条乃至第268条ノ3ノ規定(子会社ガ有限会社ナルトキハ其ノ子会社ニ付テハ有限会社法第31条第1項並ニ同条第2項ニ於テ準用スル第267条第2項乃至第7項及第268条乃至第268条ノ3ノ規定)ハ前項ノ利益ノ返還ヲ求ムル訴ニ之ヲ準用ス

第5節 社債

第1款 総則

第296条 会社ハ取締役会ノ決議ニ依リ社債ヲ募集スルコトヲ得

第297条 社債ヲ募集スルニハ会社ハ社債管理会社ヲ定メ社債権者ノ為ニ弁済ノ受領、債権ノ保全其ノ他ノ社債ノ管埋ヲ為スベキコトヲ委託スルコトヲ要ス但シ各社債ノ金額ガ1億円ヲ下ラザル場合又ハ社債ノ総額ヲ社債ノ最低額ヲ以テ除シタル数ガ50ヲ下ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第297条ノ2 銀行、信託会社又ハ担保附社債信託法第5条第1項ノ免許ヲ受ケタル会社ニ非ザレバ社債管理会社タルコトヲ得ズ

第297条ノ3 社債管理会社ハ社債権者ノ為ニ公平且誠実ニ社債ノ管理ヲ為スコトヲ要ス
2 社債管理会社ハ社債権者ニ対シ善良ナル管理者ノ注意ヲ以テ社債ノ管理ヲ為ス義務ヲ負フ

第298条 会杜ハ前ニ募集シタル社債総額ノ払込ヲ為サシメタル後ニ非ザレバ更ニ社債ヲ募集スルコトヲ得ズ

第299条 同一種類ノ社債ニ在リテハ各社債ノ金額ハ均1ナルカ又ハ最低額ヲ以テ整除シ得ベキモノナルコトヲ要ス

第300条 社債権者ニ償還スベキ金額ガ券面額ヲ超ユベキコトヲ定メタルトキハ其ノ超過額ハ各社債ニ付同率ナルコトヲ要ス

第301条 社債ノ募集ニ応ゼントスル者ハ社債申込証ノ用紙ニ其ノ引受クベキ社債ノ数及住所ヲ記載シ之ニ署名シテ社債申込証ヲ作ルコトヲ要ス
2 社債申込証ノ用紙ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 会杜及社債管理会社ノ商号
 2 社債ノ総額
 3 各社債ノ金額
 4 社債ノ利率
 5 社債償還ノ方法及期限
 6 利息支払ノ方法及期限
 7 数回ニ分チテ社債ノ払込ヲ為サシムルトキハ其ノ払込ノ金額及時期
 8 社債発行ノ価額又ハ其ノ最低価額
 9 第304条ノ規定ニ依リ社債ヲ発行スルトキハ其ノ旨及各会社ノ負担部分
 10 第308条ノ別段ノ定アルトキハ其ノ規定
 11乃至14 削除
 15 社債ノ応募額ガ総額ニ達セザル場合ニ於テ其ノ残額ヲ引受クベキコトヲ約シタル者アルトキハ其ノ氏名
 16 名義書換代理人ヲ置キタルトキハ其ノ氏名及住所並ニ営業所
3 社債ノ応募額ガ社債申込証ノ用紙ニ記載シタル社債ノ総額ニ達セザルトキト雖モ社債ヲ成立セシムル旨ヲ社債申込証ノ用紙ニ記載シタルトキハ其ノ応募額ヲ以テ社債ノ総額トス
4 社債発行ノ最低価額ヲ定メタル場合ニ於テハ社債応募者ハ社債申込証ノ用紙ニ応募価額ヲ記載スルコトヲ要ス
5 第175条第5項ノ規定ハ社債申込証ノ用紙ノ交付ニ、同条第7項及第8項ノ規定ハ社債申込証ノ作成ニ之ヲ準用ス

第302条 前条ノ規定ハ契約ニ依リ社債ノ総額ヲ引受クル場合ニハ之ヲ適用セズ

第303条 社債ノ募集ガ完了シタルトキハ取締役ハ遅滞ナク各社債ニ付其ノ全額又ハ第1回ノ払込ヲ為サシムルコトヲ要ス

第304条 会社ハ合同シテ社債ヲ発行スルコトヲ得

第305条 削除

第306条 債券ハ社債全額ノ払込アリタル後ニ非ザレバ之ヲ発行スルコトヲ得ズ
2 債券ニハ第301条第2項第1号乃至第6号、第9号及第10号ニ掲グル事項並ニ番号ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス

第307条 記名社債ノ移転ハ取得者ノ氏名及住所ヲ社債原簿ニ記載又ハ記録シ且其ノ氏名ヲ債券ニ記載スルニ非ザレバ之ヲ以テ会社其ノ他ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
2 第206条第2項ノ規定ハ記名社債ノ移転ニ之ヲ準用ス

第308条 社債権者ハ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外何時ニテモ其ノ記名式ノ債券ヲ無記名式ト為シ又ハ其ノ無記名式ノ債券ヲ記名式ト為スコトヲ請求スルコトヲ得

第309条 社債管理会社ハ社債権者ノ為ニ弁済ヲ受ケ又ハ債権ノ実現ヲ保全スルニ必要ナル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
2 社債管理会社ガ弁済ヲ受ケタル場合ニ於テ社債権者ハ債券ト引換ニ償還額ノ、利札ト引換ニ利息ノ支払ヲ請求スルコトヲ得

第309条ノ2 社債管理会社ガ左ノ行為ヲ為スニハ社債権者集会ノ決議ニ依ルコトヲ要ス
 1 総社債ニ付為ス支払ノ猶予、不履行ニ因リテ生ジタル責任ノ免除又ハ和解
 2 前条第1項ノ行為ヲ除クノ外総社債ニ付為ス訴訟行為又ハ破産手続、再生手続、更正手続若ハ整理若ハ特別清算ニ関スル手続ニ属スル一切ノ行為
2 社債管理会社ガ前項各号ニ掲グル行為ヲ為シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公告シ且知レタル社債権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス

第309条ノ3 第309条第1項ノ行為又ハ前条第1項各号ニ掲グル行為ヲ為ス為必要アルトキハ社債管理会社ハ裁判所ノ許可ヲ得テ社債ヲ発行シタル会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査スルコトヲ得

第309条ノ4 社債権者ト社債管理会社トノ利益相反スル場合ニ於テ社債権者ノ為ニ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス必要アルトキハ裁判所ハ社債権者集会ノ請求ニ依リ特別代理人ヲ選任スルコトヲ要ス

第309条ノ5 社債管理会社又ハ前条ノ特別代理人ガ社債権者ノ為ニ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス場合ニ於テハ各別ニ社債権者ヲ表示スルコトヲ要セズ

第310条 社債管理会社2以上アルトキハ其ノ権限ニ属スル行為ハ共同シテ之ヲ為スコトヲ要ス

第311条 社債管理会社2以上アルトキハ社債権者ニ対シ連帯シテ弁済額ノ支払ヲ為ス義務ヲ負フ

第311条ノ2 社債管理会社ガ本法又ハ社債権者集会ノ決議ニ違反スル行為ヲ為シ之ニ因リテ社債権者ニ損害ヲ生ジタルトキハ其ノ杜債管理会社ハ社債権者ニ対シ連帯シテ其ノ賠償ノ責ニ任ズ
2 社債管理会社ガ自己ノ債権ニ付社債ヲ発行シタル会社ヨリ担保ノ供与又ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ヲ受ケタル場合ニ於テ其ノ後3月内ニ其ノ社債ヲ発行シタル会社ガ社債ノ償還若ハ其ノ利息ノ支払ヲ怠リ又ハ其ノ社債ヲ発行シタル会社ニ付支払ノ停止アリタルトキハ其ノ社債管理会社ハ社債権者ニ対シ損害賠償ノ責ニ任ズ但シ社債管理会社ガ誠実ニ為スベキ社債ノ管理ヲ怠ラザリシコト又ハ自己ノ債権ニ付担保ノ供与若ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ヲ受ケズトモ社債権者ニ損害ガ生ズベカリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第312条 社債管理会社ハ社債ヲ発行シタル会社及社債権者集会ノ同意ヲ得テ辞任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ社債管理会社ナキニ至ルベキトキハ予メ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ヲ定ムルコトヲ要ス
2 前項ノ規定ニ依リ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ガ定メラレタルトキハ社債ヲ発行シタル会社ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公告シ且知レタル社債権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
3 社債管理全社ハ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ第1項ノ規定ニ拘ラズ裁判所ノ許可ヲ得テ辞任スルコトヲ得

第313条 社債管理会社ガ其ノ義務ニ違反シ又ハ其ノ事務ヲ処理スルニ不適任ナルトキ其ノ他正当ノ事由アルトキハ裁判所ハ社債ヲ発行シタル会社又ハ社債権者集会ノ請求ニ依リ之ヲ解任スルコトヲ得

第314条 社債管理会社ガ第297条ノ2ニ規定スル会社タラザルモノト為リ第312条第3項ノ規定ニ依リ辞任シ若ハ前条ノ規定ニ依リ解任セラレ又ハ解散シタル場合ニ於テ社債管理会社ナキニ至リタルトキハ社債ヲ発行シタル会社ハ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ヲ定メテ社債ノ管理ヲ為スベキコトヲ委託スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ同意ヲ得ル為遅滞ナク社債権者集会ヲ招集シ若シ社債権者集会ノ同意ヲ得ラレザリシトキハ其ノ同意ニ代ヘテ裁判所ノ許可ヲ求ムルコトヲ要ス
2 前項前段ニ規定スル場合ニ於テ社債管理会社ナキニ至リタル後2月内ニ社債ヲ発行シタル会社ガ同項ノ規定ニ違反シテ社債権者集会ヲ招集セズ又ハ裁判所ノ許可ヲ求メザルトキハ社債ノ総額ニ付期限ノ利益ヲ失フ
3 已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ利害関係人ハ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ノ選任ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
4 第312条第2項ノ規定ハ第1項又ハ前項ノ規定ニ依リ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ガ定メラレ又ハ選任セラレタル場合ニ之ヲ準用ス

第315条 無記名社債ヲ償還スル場合ニ於テ欠缺セル利札アルトキハ之ニ相当スル金額ヲ債還額ヨリ控除ス但シ既ニ支払期ノ到来シタル利札ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項ノ利札ノ所持人ハ何時ニテモ之ト引換ニ控除金額ノ支払ヲ請求スルコトヲ得

第316条 社債ノ償還請求権ハ10年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
2 第309条第2項ノ請求権亦前項ニ同ジ
3 利息及前条第2項ノ請求権ハ5年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス

第317条 取締役ハ社債原簿ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 社債権者ノ氏名及住所
 2 債券ノ番号
 3 第301条第2項第1号乃至第7号及第9号ニ掲グル事項
 4 各社債ニ付払込ミタル金額及払込ノ年月日
 5 債券発行ノ年月日
 6 各社債ノ取得ノ年月日
 7 無記名式ノ債券ヲ発行シタルトキハ其ノ数、番号及発行ノ年月日
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ社債原簿ニ之ヲ準用ス

第318条 第224条第1項乃至第3項ノ規定ハ社債応募者又ハ社債権者ニ対スル通知及催告ニ之ヲ準用ス
2 第203条ノ規定ハ社債ガ数人ノ共有ニ属スル場合ニ之ヲ準用ス
3 第280条ノ34ノ2ノ規定ハ債券ニ之ヲ準用ス

第2款 社債権者集会

第319条 社債権者集会ハ本法ニ規定アル場合ヲ除クノ外裁判所ノ許可ヲ得テ社債権者ノ利害ニ重大ナル関係ヲ有スル事項ニ付決議ヲ為スコトヲ得

第320条 社債権者集会ハ社債ヲ発行シタル会社又ハ社債管理会社之ヲ招集ス
2 会社ガ無記名式ノ債券ヲ発行シタル場合ニ於テハ社債権者集会ヲ招集スルニハ会日ヨリ3週間前ニ社債権者集会ヲ開クベキ旨及会議ノ目的タル事項ヲ公告スルコトヲ要ス
3 社債総額ノ10分ノ1以上ニ当ル社債権者ハ会議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ第1項ノ社債ヲ発行シタル会社又ハ社債管理会社ニ提出シテ社債権者集会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
4 第204条ノ2第2項及第3項ノ規定ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス請求ニ之ヲ準用ス
5 第237条第3項ノ規定ハ前2項ノ場合ニ之ヲ準用ス
6 無記名式ノ債券ヲ有スル者ハ其ノ債券ヲ供託スルニ非ザレバ前3項ノ権利ヲ行使スルコトヲ得ズ
7 前項ノ規定ニ依ル供託ハ社債管理会社アルトキハ其ノ社債管理会社ニ之ヲ為スコトヲ要ス

第321条 各社債権者ハ社債ノ最低額毎ニ1個ノ議決権ヲ有ス
2 無記名式ノ債券ヲ有スル者ハ会日ヨリ1週間前ニ債券ヲ供託スルニ非ザレバ其ノ議決権ヲ行使スルコトヲ得ズ
3 前条第7項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル供託ニ之ヲ準用ス

第321条ノ2 社債権者集会ニ出席セザル社債権者ハ書面ヲ以テ議決権ヲ行使スルコトヲ得
2 前項ノ規定ニ依リ議決権ヲ行使スルニハ書面ニ必要ナル事項ヲ記載シ之ヲ社債権者集会ノ会日ノ前日迄ニ其ノ招集者ニ提出スルコトヲ要ス
3 第1項ノ規定ニ依リ行使セラレタル議決権ノ数ハ出席シタル社債権者ノ議決権ノ数ニ之ヲ算入ス
第321条ノ3 社債権者集会ノ招集者ハ其ノ取締役会ノ決議ヲ以テ社債権者集会ニ出席セザル社債権者ガ電磁的方法ニ依リ議決権ヲ行使シ得ベキ旨ヲ定ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第239条ノ2第1項後段ノ規定ヲ準用ス
2 電磁的方法ニ依リ議決権ヲ行使スルニハ政令ニ定ムル所ニ依リ社債権者集会ノ招集者ノ承諾ヲ得テ前条第2項ノ書面ニ記載スベキ情報ヲ社債権者集会ノ会日ノ前日 迄ニ電磁的方法ニ依リ其ノ招集者ニ提供スルコトヲ要ス其ノ招集者ノ承諾ニ付テハ第204条ノ2第3項ノ規定ヲ準用ス
3 前条第3項ノ規定ハ電磁的方法ニ依リ行使セラレタル議決権ノ数ニ之ヲ準用ス

第322条 社債ヲ発行シタル会社又ハ社債管理会社ハ其ノ代表者ヲ社債権者集会ニ出席セシメ又ハ書面ヲ以テ意見ヲ述ブルコトヲ得但シ社債管理会社ニ在リテハ其ノ社債権者集会ガ第309条ノ4ノ特別代理人ノ選任ニ関スル事項ニ付招集セラレタルモノナル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
2 社債権者集会ノ招集ハ前項ノ社債ヲ発行シタル会社及社債管理会社ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
3 第232条第1項本文第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ通知ニ之ヲ準用ス

第323条 社債権者集会又ハ其ノ招集者ハ必要アリト認ムルトキハ社債ヲ発行シタル会社ニ対シ其ノ代表者ノ出席ヲ求ムルコトヲ得

第324条 社債権者集会ノ決議ハ出席シタル社債権者ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス但シ第309条ノ2第1項、第319条、第329条第1項、第330条第1項但書及第333条ニ規定スル社債権者集会ノ目的タル事項ノ決議ニ付テハ総社債権者ノ議決権ノ3分ノ1以上ヲ有スル社債権者出席シ其ノ議決権ノ3分ノ2以上ニ当ル多数ヲ以テ之ヲ為ス

第325条 社債権者集会ノ招集者ハ決議ノ日ヨリ1週間内ニ決議ノ認可ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス

第326条 裁判所ハ左ノ場合ニ於テハ社債権者集会ノ決議ヲ認可スルコトヲ得ズ
 1 社債権者集会招集ノ手続又ハ其ノ決議ノ方法ガ法令又ハ社債募集ノ目論見書若ハ其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ノ記載又ハ記録ニ違反スルトキ
 2 決議ガ不当ノ方法ニ依リテ成立スルニ至リタルトキ
 3 決議ガ著シク不公正ナルトキ
 4 決議ガ社債権者ノ一般ノ利益ニ反スルトキ

第327条 社債権者集会ノ決議ハ裁判所ノ認可ニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ
2 社債権者集会ノ決議ハ総社債権者ニ対シ其ノ効力ヲ有ス

第328条 社債権者集会ノ決議ニ対シ認可又ハ不認可ノ決定アリタルトキハ社債ヲ発行シタル会社ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公告スルコトヲ要ス

第329条 社債権者集会ハ社債総額ノ1000分ノ1以上ヲ有スル社債権者ノ中ヨリ1人又ハ数人ノ代表者ヲ選任シ其ノ決議スベキ事項ノ決定ヲ之ニ委任スルコトヲ得
2 代表者数人アル場合ニ於テ社債権者集会ニ於テ別段ノ定ヲ為サザルトキハ前項ノ決定ハ其ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス

第330条 社債権者集会ノ決議ハ社債管理会社、若シ社債管理会社ナキトキハ前条ノ代表者之ヲ執行ス但シ社債権者集会ノ決議ヲ以テ別ニ執行者ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第309条ノ5ノ規定ハ代表者又ハ執行者ガ社債権者集会ノ決議ヲ執行スル場合ニ之ヲ準用ス

第331条 第310条ノ規定ハ代表者又ハ執行者数人アル場合ニ之ヲ準用ス

第332条 第309条、第311条及第316条第2項ノ規定ハ代表者又ハ執行者ガ弁済ニ関スル決議ヲ執行スル場合ニ之ヲ準用ス

第333条 社債権者集会ハ何時ニテモ代表者若ハ執行者ヲ解任シ又ハ委任シタル事項ヲ変更スルコトヲ得

第334条 会社ガ社債ノ利息ノ支払ヲ怠リタルトキ又ハ定期ニ社債ノ一部ヲ償還スベキ場合ニ於テ其ノ債還ヲ怠リタルトキハ社債権者集会ノ決議ニ依リ会社ニ対シ一定ノ期間内ニ其ノ弁済ヲ為スベキ旨及其ノ期間内ニ之ヲ為サザルトキハ社債ノ総額ニ付期限ノ利益ヲ失フベキ旨ヲ通知スルコトヲ得但シ其ノ期間ハ2月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 前項ノ通知ハ書面ニ依リテ之ヲ為スコトヲ要ス
3 第204条ノ2第2項ノ規定ハ前2項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ニ之ヲ準用ス
4 会社ガ第1項ノ期間内ニ弁済ヲ為サザルトキハ社債ノ総額ニ付期限ノ利益ヲ失フ

第335条 前条ノ規定ニ依リ会社ガ期限ノ利益ヲ失ヒタルトキハ前条第1項ノ決議ヲ執行スル者ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公告シ且知レタル社債権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス

第336条 社債管理会社、代表者又ハ執行者ニ対シテ与フベキ報酬、其ノ事務処理ノ為ニ要スル費用及其ノ支出ノ日以後ニ於ケル利息並ニ其ノ事務処理ノ為自己ニ過失ナクシテ受ケタル損害ノ賠償ノ額ハ社債ヲ発行シタル会社トノ契約ニ其ノ定アル場合ヲ除クノ外裁判所ノ許可ヲ得テ会社ヲシテ之ヲ負担セシムルコトヲ得
2 社債管理会社、代表者又ハ執行者ハ弁済ヲ受ケタル金額ヨリ社債権者ニ先チテ前項ノ報酬、費用及其ノ利息ノ弁済並ニ損害ノ賠償ヲ受クルコトヲ得

第337条 社債権者集会ニ関スル費用ハ社債ヲ発行シタル会社ノ負担トス
2 第325条ノ請求ニ関スル費用ハ会社ノ負担トス但シ裁判所ハ利害関係人ノ申立ニ依リ又ハ職権ヲ以テ其ノ全部又ハ一部ニ付別ニ負担者ヲ定ムルコトヲ得

第338条 数種ノ社債ヲ発行シタル場合ニ於テハ社債権者集会ハ各種類ノ社債ニ付之ヲ招集スルコトヲ要ス

第339条 第232条第1項本文第2項乃至第4項、第239条第2項乃至第4項、第239条ノ4、第241条第2項及第243条ノ規定ハ社債権者集会ニ之ヲ準用ス
2 社債権者集会ノ招集者ハ議事録ヲ作ルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ議事録ニハ議事ノ経過ノ要領及其ノ結果ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
3 前項ノ議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ議長並ニ出席シタル社債ヲ発行シタル会社ノ代表者及社債管理会社ノ代表者之ニ署名スルコトヲ要ス
4 第33条ノ2ノ規定ハ第2項ノ議事録ニ之ヲ準用ス
5 第2項」ノ議事録ハ社債ヲ発行シタル会社10年間其ノ本店ニ之ヲ備置クコトヲ要ス
6 社債管理会社及社債権者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得
 1 前項ノ議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧又ハ謄写ノ請求
 2 前項ノ議事録ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ会社ノ本店ニ於ケル閲覧又ハ謄写ノ請求

第340条 会社ガ或社債権者ニ対シテ為シタル弁済、和解其ノ他ノ行為ガ著シク不公正ナルトキハ社債管理会社ハ訴ヲ以テ其ノ行為ノ取消ヲ請求スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ社債管理会社ガ取消ノ原因タル事実ヲ知リタル時ヨリ6月、行為ノ時ヨリ1年内ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
3 第88条並ニ民法第424条第1項但書及第425条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第341条 社債権者集会ノ決議アルトキハ代表者又ハ執行者モ亦前条第1項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得但シ行為ノ時ヨリ1年内ニ限ル

第3款 新株予約権付社債

第341条ノ2 会社ハ新株予約権ヲ付シタル社債ニシテ本款ニ規定スル特例ノ適用ヲ受クルモノ(以下新株予約権付社債ト称ス)ヲ発行スルコトヲ得
2 前項ノ規定ニ依リ新株予約権付社債ニ付セラレタル新株予約権ニ付テハ本款ノ定ムル所ニ依ル
3 新株予約権付社債ヲ発行スル場合ニ於ケル社債ニ付スル新株予約権ノ数ハ社債ノ最低額ニ付同数ナルコトヲ要ス
4 新株予約権付社債ニ付テハ新株予約権又ハ社債ノ一方ノミヲ譲渡スコトヲ得ズ但シ新株予約権又ハ社債ガ消滅シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
5 新株予約権付社債ニ付テハ会社ハ合同シテ之ヲ発行スルコトヲ得ズ

第341条ノ3 前条第1項ノ場合ニ於テハ左ノ事項ハ取締役会之ヲ決ス但シ定款ヲ以テ株主総会ガ之ヲ決スル旨ヲ定メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 1 社債ノ発行価額
 2 各新株予約権ノ発行価額(無償ニテ発行スルトキハ其ノ旨)
 3 払込期日
 4 第280条ノ20第2項第1号、第2号、第4号乃至第7号、第10号及第11号ニ掲グル事項
 5 第301条第2項第2号乃至第6号ニ掲グル事項
 6 社債管理会社ヲ定ムルトキハ其ノ商号
 7 新株予約権ヲ行使セントスル者ノ請求アルトキハ其ノ新株予約権ヲ付セラレタル社債ノ全額ノ償還ニ代ヘテ第341条ノ13第1項ノ払込アリタルモノト為スモノトスルトキハ其ノ旨
 8 新株予約権ヲ行使シタルトキニ前号ノ請求アリタルモノト看做スモノトスルトキハ其ノ旨
 9 会社ニ対シ行使スルコトニ因リ其ノ会社ノ発行スル新株予約権付社債ノ割当ヲ受ケタルコトトナル権利(以下新株予約権付社債ノ引受権ト称ス)ヲ株主ニ与フルトキハ其ノ旨並ニ新株予約権付社債ノ引受権ノ目的タル新株予約権付社債ニ付テノ社債ノ金額及新株予約権ノ発行ノ条件
 10 株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ノ新株予約権ヲ付シタル新株予約権付社債ヲ発行スルトキハ其ノ旨並ニ新株予約権付社債ノ割当ヲ受クル者、之ニ対シ割当ツル社債ノ金額及新株予約権ノ発行ノ条件
2 前項第7号及第8号ニ掲グル事項ニ付決議スルニハ社債ノ発行価額ト第341条ノ13第1項ノ規定ニ依リ払込ムベキ金額ガ同額ナルコトヲ要ス
3 第280条ノ2第3項第4項及第280条ノ21第1項ノ規定ハ株主以外ノ者ニ対シ特ニ有利ナル条件ノ新株予約権ヲ付シタル新株予約権付社債ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス

第341条ノ4 株主ガ新株予約権付社債ノ引受権ヲ有スル場合ニ於テハ各株主ニ対シ其ノ者ガ有スル新株予約権付社債ノ引受権ノ目的タル新株予約権付社債ニ付テノ社債ノ金額及新株予約権ノ数、其ノ新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数、第280条ノ20第2項第3号乃至第7号ニ掲グル事項並ニ一定ノ期日 迄ニ新株予約権付社債ノ引受権ノ行使ヲ為サザルトキハ之ヲ失フベキ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
2 第280条ノ5第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第341条ノ5 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ株主ハ新株予約権付社債ノ引受権ヲ有ス但シ株主以外ノ者ニ対シ新株予約権付社債ヲ発行スベキコト並ニ其ノ新株予約権付社債ニ付スベキ新株予約権ノ目的タル株式ノ種類及数ニ付第343条ニ定ムル決議アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第280条ノ2第3項及第4項ノ規定ハ前項但書ノ決議ニ之ヲ準用ス

第341条ノ6 新株予約権付社債ノ申込又ハ新株予約権付社債ノ引受権ノ行使ヲ為サントスル者ハ新株予約権付社債申込証ノ用紙ニ其ノ引受クベキ社債ノ金額及住所ヲ記載シ之ニ署名シテ新株予約権付社債申込証ヲ作ルコトヲ要ス
2 新株予約権付社債申込証ノ用紙ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 会社ノ商号
 2 第341条ノ3第1項第1号乃至第8号ニ掲グル事項
 3 第341条ノ13第1項ノ払込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託会社及其ノ取扱ノ場所但シ第341条ノ3第1項第8号ニ掲グル事項ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 4 第175条第2項第4号乃至第6号ニ掲グル事項
3 第175条第5項ノ規定ハ新株予約権付社債申込証ノ用紙ノ交付ニ、同条第7項及第8項ノ規定ハ新株予約権付社債申込証ノ作成ニ之ヲ準用ス

第341条ノ7 新株予約権付社債ノ割当ヲ受ケタル者ハ払込期日ニ社債及新株予約権ノ発行価額ノ全額ノ払込ヲ為スコトヲ要ス
2 新株予約権付社債ノ割当ヲ受ケタル者ガ前項ノ払込期日 迄ニ払込ヲ為サザルトキハ其ノ権利ヲ失フ
3 割当又ハ第1項ノ規定ニ依ル払込ナキ新株予約権付社債アルトキハ同項ノ規定ニ依ル払込アリタル新株予約権付社債ニ付テノ社債ノ総額ヲ社債ノ総額ト看做ス

第341条ノ8 会社ハ払込期日以後遅滞ナク債券ヲ発行スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ第226条第2項及第3項ノ規定ヲ準用ス
2 前項ノ債券(以下新株予約権付社債券ト称ス)ニハ左ノ事項及番号ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
 1 新株予約権付社債ナル旨ノ表示
 2 第280条ノ20第2項第1号、第2号、第4号乃至第7号ニ掲グル事項
 3 第301条第2項第1号乃至第6号ニ掲グル事項
 4 第341条ノ3第1項第7号及第8号ニ掲グル事項
 5 第341条ノ13第1項ノ払込ヲ取扱フベキ銀行又ハ信託会社及其ノ取扱ノ場所但シ第341条ノ3第1項第8号ニ掲グル事項ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 6 株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定メタルトキハ其ノ規定
3 新株予約権付社債券ハ無記名式トス

第341条ノ9 新株予約権付社債ヲ発行シタルトキハ新株予約権原簿及社債原簿ニ左ノ事項ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
 1 新株予約権付社債ナルコト
 2 新株予約権付社債券ノ番号並ニ各新株予約権付社債券ニ付テノ社債ノ金額、新株予約権ノ数及発行ノ年月日
 3 第280条ノ20第2項第1号乃至第7号ニ掲グル事項
 4 第301条第2項第1号乃至第6号ニ掲グル事項

第341条ノ10 新株予約権付社債ヲ発行スルトキハ払込期日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ新株予約権付社債ニ付シタル新株予約権ニ付テノ新株予約権ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第341条ノ11 新株予約権付社債ヲ譲渡スニハ新株予約権付社債券ヲ交付スルコトヲ要ス
2 第205条第2項及小切手法第21条ノ規定ハ新株予約権付社債券ニ之ヲ準用ス

第341条ノ12 第280条ノ36第1項乃至第3項ノ規定ハ新株予約権付社債ニ付セラレタル新株予約権ノ消却ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス
2 新株予約権付社債ニ付セラレタル新株予約権ヲ消却スル場合ニ於テ未ダ消滅セザル社債アルトキハ取締役ハ前項ニ於テ準用スル第280条ノ36第2項ノ規定ニ依リ提出セラレタル新株予約権付社債券ニ新株予約権ガ消却セラレタル旨ヲ記載シ之ヲ権利者ニ交付スルコトヲ要ス

第341条ノ13 新株予約権付社債ニ付セラレタル新株予約権ヲ行使スル者ハ請求書ニ新株予約権付社債券ヲ添付シテ会社ニ提出シ且新株予約権ノ行使ニ際シテ払込ヲ為スベキ額ノ全額ノ払込ヲ為スコトヲ要ス
2 第222条ノ5第3項及第204条ノ2第3項ノ規定ハ前項ノ請求書ノ提出ニ、第204条ノ3第4項ノ規定ハ前項ノ新株予約権付社債券ニ之ヲ準用ス
3 第175条第1項及同条第8項ニ於テ準用スル第33条ノ2第2項ノ規定ハ第1項ノ請求書ニ、第178条及第189条ノ規定ハ第1項ノ払込ヲ取扱フ銀行又ハ信託会社ニ、第222条ノ7ノ規定ハ新株予約権ノ行使ニ因ル変更ノ登記ニ、第280条ノ37第3項ノ規定ハ第1項ノ払込ニ、第280条ノ38ノ規定ハ新株予約権ノ行使アリタル場合ニ、前条第2項ノ規定ハ新株予約権ノ行使アリタルトキニ於テ未ダ消滅セザル社債アル場合ニ之ヲ準用ス

第341条ノ14 会社ガ新株予約権付社債ニ付社債ノ償還ヲ為ス場合ニ於テ未ダ消滅セザル新株予約権アルトキハ会社ハ新株予約権付社債券ト引換ニ社債ノ償還ヲ為スコトヲ求ムルコトヲ得ズ此ノ場合ニ於テ会社ハ社債ノ償還ト引換ニ新株予約権付社債券ニ社債ノ償還アリタル旨ヲ記載スルコトヲ求ムルコトヲ得

第341条ノ15 第203条第2項及第3項ノ規定ハ新株予約権付社債ガ数人ノ共有ニ属スル場合ニ之ヲ準用ス
2 第208条ノ規定ハ新株予約権付社債ニ付シタル新株予約権ノ消却アリタル場合及新株予約権付社債ニ付シタル新株予約権ノ行使ニ際シテ第341条ノ3第1項第7号ノ請求アリタル場合ニ之ヲ準用ス
3 第220条ノ7第6項ノ規定ハ新株予約権付社債ニ付シタル新株予約権ノ行使ニ因リテ会社ガ自己ノ株式ヲ移転スル場合ニ之ヲ準用ス
4 第222条ノ2第3項、第280条ノ4第3項、第280条ノ10、第280条ノ11、第280条ノ20第3項、第280条ノ22乃至第280条ノ24、第280条ノ25第1項第2項及第280条ノ28第4項第5項ノ規定ハ新株予約権付社債ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス
5 第280条ノ20第4項ノ規定ハ新株予約権付社債ニ付シタル新株予約権ノ行使ニ因リテ新株ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス

第6節 定款ノ変更

第342条 定款ノ変更ヲ為スニハ株主総会ノ決議アルコトヲ要ス
2 定款ノ変更ニ関スル議案ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第343条 前条第1項ノ決議ハ総株主ノ議決権ノ過半数又ハ定款ニ定ムル議決権ノ数ヲ有スル株主出席シ其ノ議決権ノ3分ノ2以上ニ当ル多数ヲ以テ之ヲ為ス
2 前項ノ決議ニ付テハ出席ヲ要スル株主ノ有スベキ議決権ノ数ハ定款ノ定ニ依ルモ之ヲ総株主ノ議決権ノ3分ノ1未満ニ下スコトヲ得ズ

第344条 削除

第345条 会社ガ数種ノ株式ヲ発行シタル場合ニ於テ定款ノ変更ガ或種類ノ株主ニ損害ヲ及ボスベキトキハ株主総会ノ決議(第221条第2項ノ規定ニ依リ定款ヲ変更スル場合ニハ同項ノ決議)ノ外其ノ種類ノ株主ノ総会ノ決議アルコトヲ要ス
2 前項ノ総会ノ決議ハ其ノ種類ノ総株主ノ議決権ノ過半数ヲ有スル株主出席シ其ノ議決権ノ3分ノ2以上ニ当ル多数ヲ以テ之ヲ為ス
3 株主総会ニ関スル規定ハ第1項ノ総会ニ之ヲ準用ス

第346条 前条ノ規定ハ第222条第11項ノ規定ニ依リ株式ノ種類ニ従ヒ格別ノ定ヲ為ス場合及会社ノ株式交換、株式移転、分割又ハ合併ニ因リテ或種類ノ株主ニ損害ヲ及ボスベキ場合ニ之ヲ準用ス

第347条 会社ガ発行スル株式ノ総数ハ発行済株式ノ総数ノ4倍ヲ超エテ之ヲ増加スルコトヲ得ズ但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ

第348条 定款ヲ変更シテ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定ヲ設クル場合ニ於テハ其ノ決議ハ第343条ノ規定ニ拘ラズ総株主ノ過半数ニシテ総株主ノ議決権ノ3分ノ2以上ニ当ル多数ヲ以テ之ヲ為ス此ノ場合ニ於テハ1単元ニ満タザル数ノ株式ノミヲ有スル株主ノ数及第241条第2項又ハ第3項ノ規定ニ依リ議決権ヲ有セザル株主ノ数ハ総株主ノ数ニ之ヲ算入セズ
2 前項ノ決議ニ付テハ議決権制限株式ノ株主モ亦議決権ヲ有ス
3 新株予約権又ハ新株予約権付社債ヲ発行シタル会社ハ将来行使セラルルコトアルベキ新株予約権アルトキハ第1項ノ決議ヲ為スコトヲ得ズ

第349条 前条第1項ノ決議ヲ為スベキ株主総会ニ先チ会社ニ対シ書面ヲ以テ同項ノ定ノ設定ニ反対ノ意思ヲ通知シ且総会ニ於テ之ニ反対シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
2 第245条ノ2第2項、第245条ノ3及第245条ノ4ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第350条 第348条第1項ノ決議ヲ為シタルトキハ会社ハ其ノ旨並ニ一定ノ期間内ニ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨及其ノ期間内ニ提出セラレザル株券及端株券ハ無効トナル旨ヲ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 第348条第1項ノ定ノ設定ハ前項ノ期間満了ノ時ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ
3 第216条ノ規定ハ第348条第1項ノ決議ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

第350条ノ2 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定アル場合又ハ発行済株式ノ全部ニ付第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テ第348条第1項ノ決議ヲ為シタルトキハ会社ハ其ノ旨及会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ同項ノ定ノ設定ノ効力ガ生ズル旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス

第351条 株券ヲ発行セザル旨ノ定款ノ定ヲ設クル決議ヲ為シタルトキハ会社ハ其ノ旨及会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ株券ハ無効トナル旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
2 前項ノ定ノ設定ハ同項ノ一定ノ日ニ於テ其ノ効力ヲ生ズ
3 第1項ニ規定スル場合ニ於テ同項ノ一定ノ日ノ前日迄ニ株式ノ質権者ノ請求アリタルトキハ会社ハ質権者ノ氏名及住所並ニ質権者ノ請求ニ依ル記載又ハ記録ナル旨ヲ株主名簿ニ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
4 発行済株式ノ全部ニ付第226条第1項但書又ハ第226条ノ2第3項ノ規定ニ依リ株券ガ発行セラレザル場合ニ於テ第1項ノ決議ヲ為シタルトキハ同項ノ規定ニ拘ラズ会社ハ其ノ旨及会社ノ定ムル一定ノ日ニ於テ同項ノ定ノ設定ノ効力ガ生ズル旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告シ又ハ株主、端株主及新株ノ引受権若ハ新株予約権ヲ有スル者ニ通知スルコトヲ要ス

第6節ノ2 完全親会社

第1款 株式交換

第352条 会社ハ其ノ一方ガ他方ノ発行済株式ノ総数ヲ有スル会社(以下之ヲ完全親会社ト、他方ヲ完全子会社ト称ス)トナル為株式交換ヲ為スコトヲ得
2 株式交換ニ因リテ完全子会社トナル会社ノ株主ノ有スル其ノ会社ノ株式ハ次条第2項第6号ノ日ニ於テ株式交換ニ因リテ完全親会社トナル会社ニ移転シ、其ノ完全子会社トナル会社ノ株主ハ其ノ完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ際シテ発行スル新株ノ割当ヲ受クルコトニ因リ其ノ日ニ於テ其ノ会社ノ株主トナル
3 株式交換ニ因リテ完全親会社トナル会社ハ次条第2項第6号ノ日ニ於テ株式交換契約書ノ記載ニ従ヒ株式交換ニ因リテ完全子会社トナル会社(以下本項ニ於テ発行会社ト称ス)ノ発行シタル新株予約権(新株予約権付社債ニ付セラレタルモノヲ除ク)ニ係ル義務ヲ承継ス但シ発行会社ガ其ノ新株予約権ニ付テノ第280条ノ20第2項ノ決議ニ於テ左ノ事項ヲ定メ且次条第2項第4号ノ2ノ規定ニ基ク株式交換契約書ノ記載ガ第2号ニ掲グル事項ニ付テノ定ニ沿フモノナルトキニ限ル
 1 発行会社ヲ株式交換ニ因リテ完全子会社トナル会社トスル株式交換ヲスルニ際シテ新株予約権ニ係ル義務ヲ其ノ株式交換ニ因リテ完全親会社トナル会社ニ承継セシムルコト
 2 前号ノ場合ニ於ケル新株予約権ノ目的タル完全親会社トナル会社ノ株式ノ種類及数並ニ其ノ新株予約権ニ付テノ第280条ノ20第2項第4号乃至第8号ニ掲グル事項ノ決定ノ方針

第353条 会社ガ株式交換ヲ為スニハ株式交換契約書ヲ作リ株主総会ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
2 株式交換契約書ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ因リ定款ノ変更ヲ為ストキハ其ノ規定
 2 完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ際シテ発行スル新株ノ総数、種類及数並ニ完全子会社トナル会社ノ株主ニ対スル新株ノ割当ニ関スル事項
 3 完全親会社トナル会社ノ増加スベキ資本ノ額及資本準備金ニ関スル事項
 4 完全子会社トナル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 4ノ2 完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ際シテ完全子会社トナル会社ノ発行シタル新株予約権ニ係ル義務ヲ承継スルトキハ承継後ノ各新株予約権ノ目的タル完全親会社トナル会社ノ株式ノ種類及数並ニ其ノ新株予約権ニ付テノ第280条ノ20第2項第4号乃至第8号ニ掲グル事項但シ有償ニテ新株予約権ノ消却ヲ為ス旨ヲ定ムルコトヲ得ズ
 5 各会社ニ於テ前項ノ決議ヲ為スベキ株主総会ノ期日
 6 株式交換ノ日
 7 各会社ガ前号ノ日迄ニ利益ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ストキハ其ノ限度額
3 第281条第3項ノ規定ハ株式交換契約書ニ之ヲ準用ス
4 株式交換契約書ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
5 第1項ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
6 完全親会社トナル会社ノ定款ニ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定アリ完全子会社トナル会社ノ定款ニ其ノ定ナキトキハ其ノ会社ニ於ケル第1項ノ決議ハ第348条第1項及第2項ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
7 完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ因リ定款ヲ変更シテ前項ノ定ヲ設クル場合ニ於テハ其ノ会社及完全子会社トナル会社ニシテ定款ニ其ノ定ナキモノニ付亦同項ニ同ジ
8 第6項ノ決議ヲ為スベキ株主総会ニ付テハ完全親会社トナル会社ノ定款ニ同項ノ定アル旨ヲ第4項ノ通知ニ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第354条 取締役ハ前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前ヨリ株式交換ノ日後6月ヲ経過スル日迄左ニ掲グルモノヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
 1 株式交換契約書
 2 完全子会社トナル会社ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 2ノ2 完全親会社トナル会社ガ完全子会社トナル会社ノ発行シタル新株予約権ニ係ル義務ヲ承継スルトキハ前条第2項第4号ノ2ニ掲グル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 3 前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ前6月内ノ日ニ於テ作リタル株式交換ヲ為ス各会社ノ貸借対照表
 4 前号ノ貸借対照表ガ最終ノ貸借対照表ニ非ザルトキハ最終ノ貸借対照表
 5 株式交換ヲ為ス各会社ノ最終ノ貸借対照表ト共ニ作リタル損益計算書
 6 前号ノ損益計算書ノ外第3号ノ貸借対照表ト共ニ損益計算書ヲ作リタルトキハ其ノ損益計算書
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項第3号ニ掲グルモノニ、第281条第3項ノ規定ハ前項第2号第2号ノ2及第6号ニ掲グル書類ニ之ヲ準用ス
3 株主ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得但シ第2号又ハ第4号ノ請求ヲ為スニハ会社ノ定メタル費用ヲ支払フコトヲ要ス
 1 第1項ニ掲グルモノガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧ノ請求
 2 前号ノ書面ノ謄本又ハ抄本ノ交付ノ請求
 3 第1項ニ掲グルモノガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧ノ請求
 4 前号ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコトノ請求又ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ノ請求
4 株式交換ノ日ノ前日 迄ハ完全子会社トナル会社ノ新株予約権者ニ付亦前項ニ同ジ

第355条 第353条第1項ノ株主総会ニ先チ会社ニ対シ書面ヲ以テ株式交換ニ反対ノ意思ヲ通知シ且総会ニ於テ株式交換契約書ノ承認ニ反対シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ承認ノ決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
2 第245条ノ2第2項、第245条ノ3及第245条ノ4ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第356条 完全親会社トナル会社ハ株式交換ニ際シテ為ス新株ノ発行ニ代ヘテ其ノ有スル自己ノ株式ヲ完全子会社トナル会社ノ株主ニ移転スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ移転スベキ株式ノ総数、種類及数ヲ株式交換契約書ニ記載スルコトヲ要ス

第357条 完全親会社トナル会社ノ資本ハ株式交換ノ日ニ於テ完全子会社トナル会社ニ現存スル純資産額ニ其ノ会社ノ発行済株式ノ総数ニ対スル株式交換ニ因リテ完全親会社トナル会社ニ移転スル株式ノ数ノ割合ヲ乗ジタル額ヨリ左ノ金額ヲ控除シタル額ヲ限度トシテ之ヲ増加スルコトヲ得
 1 完全子会社トナル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額
 2 前条ノ規定ニ依リ完全子会社トナル会社ノ株主ニ移転スル株式ニ付会計帳簿ニ記載又ハ記録シタル価額ノ合計額

第358条 完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ際シテ発行スル新株ノ総数ガ其ノ会社ノ発行済株式ノ総数ノ20分ノ1ヲ超エザルトキハ其ノ会社ニ於テハ第353条第1項ノ承認ハ之ヲ得ルコトヲ要セズ但シ完全子会社トナル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタル場合ニ於テ其ノ金額ガ最終ノ貸借対照表ニ依リ完全親会社トナル会社ニ現存スル純資産額ノ50分ノ1ヲ超ユルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第356条ノ規定ニ依リ完全子会社トナル会社ノ株主ニ移転スル株式ハ前項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ株式交換ニ際シテ発行スル新株ト看做ス
3 第1項本文ノ場合ニ於テハ株式交換契約書ニ完全親会社トナル会社ニ付テハ第353条第1項ノ承認ヲ得ズシテ株式交換ヲ為ス旨ヲ記載スルコトヲ要シ、同条第2項第1号ニ掲グル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ得ズ
4 完全親会社トナル会社ハ株式交換契約書ヲ作リタル日ヨリ2週間内ニ完全子会社トナル会社ノ商号及本店、株式交換ノ日並ニ第353条第1項ノ承認ヲ得ズシテ株式交換ヲ為ス旨ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス
5 前項ノ規定ニ依ル公告又ハ通知ノ日ヨリ2週間内ニ会社ニ対シ書面ヲ以テ株式交換ニ反対ノ意思ヲ通知シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ株式交換契約ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
6 前項ノ請求ハ同項ノ期間ノ満了ノ日ヨリ20日内ニ株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
7 第245条ノ2第2項、第245条ノ3第2項乃至第6項及第245条ノ4ノ規定ハ第5項ノ場合ニ之ヲ準用ス
8 完全親会社トナル会社ノ総株主ノ議決権ノ6分ノ1以上ヲ有スル株主ガ第5項ノ規定ニ依ル反対ノ意思ノ通知ヲ為シタルトキハ此ノ条ニ定メタル手続ニ依ル株式交換ハ之ヲ為スコトヲ得ズ
9 第1項本文ノ場合ニ於ケル完全親会社トナル会社ニ付テノ第354条第1項ノ規定ノ適用ニ付テハ同項中「前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前」トアリ及同項第3号中「前条第1項ノ株主総会ノ会日」トアルハ「第358条第4項ノ規定ニ依ル公告又ハ通知ノ日」トス

第359条 完全子会社トナル会社ハ第353条第1項ノ決議ヲ為シタルトキハ其ノ旨並ニ株式交換ノ日ノ前日迄ニ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨及株式交換ノ日ニ於テ株券及端株券ハ無効トナル旨ヲ其ノ日ノ1月前ニ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
2 第216条ノ規定ハ第353条第1項ノ決議ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

第359条ノ2 前条ノ規定ハ完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ因リテ新株予約権ニ係ル義務ヲ承継シタル場合ニ於ケル新株予約権証券ニ之ヲ準用ス

第359条ノ3 完全親会社トナル会社ガ株式交換ニ因リテ新株予約権ニ係ル義務ヲ承継シタルトキハ株式交換ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ新株予約権ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第360条 取締役ハ株式交換ノ日、其ノ日ニ於テ完全子会社トナリタル会社ニ現存スル純資産額、株式交換ニ因リテ完全親会社ニ移転シタル完全子会社ノ株式ノ数其ノ他ノ株式交換ニ関スル事項ヲ記載シタル書面ヲ作リ之ヲ株式交換ノ日ヨリ6月間本店ニ備置クコトヲ要ス
2 第281条第3項及第354条第3項ノ規定ハ前項ノ書面ニ之ヲ準用ス

第361条 完全親会社トナル会社ノ取締役及監査役ニシテ株式交換前ニ就職シタルモノハ株式交換契約書ニ別段ノ定ノ記載アルトキヲ除クノ外株式交換後最初ニ到来スル決算期ニ関スル定時総会ノ終結ノ時ニ退任ス

第362条 第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ完全子会社トナル会社ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス
2 第350条第1項第3項及第350条ノ2ノ規定ハ第353条第7項ノ完全親会社トナル会社ノ執ルベキ手続ニ之ヲ準用ス
3 第220条ノ7第6項ノ規定ハ第356条ノ規定ニ依リ完全親会社トナル会社ガ自己ノ株式ヲ移転スル場合ニ之ヲ準用ス

第363条 会社ノ株式交換ノ無効ハ株式交換ノ日ヨリ6月内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ各会社ノ株主、取締役、監査役又ハ清算人ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第1項ノ訴ハ完全親会社トナリタル会社ノ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ専属ス
4 株式交換ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ完全親会社トナリタル会社ハ株式交換ニ際シテ発行シタル新株又ハ第356条ノ規定ニ依リ移転シタル株式ノ株主ニ対シ其ノ有シタル完全子会社トナリタル会社ノ株式ヲ移転スルコトヲ要ス
5 第105条第2項第3項、第109条、第137条、第249条及第280条ノ17ノ規定ハ第1項ノ訴ニ、第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第2款 株式移転

第364条 会社ハ完全親会社ヲ設立スル為株式移転ヲ為スコトヲ得株式移転ニ因リテ完全子会社トナル会社ノ株主ノ有スル其ノ会社ノ株式ハ株式移転ニ因リテ設立スル完全親会社ニ移転シ、其ノ完全子会社トナル会社ノ株主ハ其ノ完全親会社ガ株式移転ニ際シテ発行スル株式ノ割当ヲ受クルコトニ因リ其ノ完全親会社ノ株主トナル
2 株式移転ニ因リテ設立スル完全親会社ハ次条第1項ノ決議ニ従ヒ株式移転ニ因リテ完全子会社トナル会社(以下本項ニ於テ発行会社ト称ス)ノ発行シタル新株予約権(新株予約権付社債ニ付セラレタルモノヲ除ク)ニ係ル義務ヲ承継ス但シ発行会社ガ其ノ新株予約権ニ付テノ第280条ノ20第2項ノ決議ニ於テ左ノ事項ヲ定メ且次条第1項ノ決議ニ於ケル同項第4号ノ2ニ掲グル事項ノ定ガ第2号ニ掲グル事項ニ付テノ定ニ沿フモノナルトキニ限ル
 1 発行会社ヲ株式移転ニ因リテ完全子会社トナル会社トスル株式移転ヲスルニ際シテ新株予約権ニ係ル義務ヲ其ノ株式移転ニ因リテ設立スル完全親会社ニ承継セシムルコト
 2 前号ノ場合ニ於ケル新株予約権ノ目的タル設立スル完全親会社ノ株式ノ種類及数並ニ其ノ新株予約権ニ付テノ第280条ノ20第2項第4号乃至第8号ニ掲グル事項ノ決定ノ方針

第365条 会社ガ株式移転ヲ為スニハ左ノ事項ニ付株主総会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
 1 設立スル完全親会社ノ定款ノ規定
 2 設立スル完全親会社ガ株式移転ニ際シテ発行スル株式ノ種類及数並ニ完全子会社トナル会社ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項
 3 設立スル完全親会社ノ資本ノ額及資本準備金ニ関スル事項
 4 完全子会社トナル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 4ノ2 設立スル完全親会社ガ株式移転ニ際シテ完全子会社トナル会社ノ発行シタル新株予約権ニ係ル義務ヲ承継スルトキハ承継後ノ新株予約権ノ目的タル設立スル完全親会社ノ株式ノ種類及数並ニ其ノ新株予約権ニ付テノ第280条ノ20第2項第4号乃至第8号ニ掲グル事項但シ有償ニテ新株予約権ノ消却ヲ為ス旨ヲ定ムルコトヲ得ズ
 5 株式移転ヲ為スベキ時期
 6 完全子会社トナル会社ガ株式移転ノ日迄ニ利益ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ストキハ其ノ限度額
 7 設立スル完全親会社ノ取締役及監査役ノ氏名
 8 会社ガ共同シテ株式移転ニ因リ完全親会社ヲ設立スルトキハ其ノ旨
2 設立スル完全親会社ノ定款ニ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定ムル場合ニ於テ完全子会社トナル会社ノ定款ニ其ノ定ナキトキハ前項ノ決議ハ第348条第1項及第2項ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
3 第353条第4項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ於ケル議案ノ要領ニ、同条第5項ノ規定ハ第1項ノ決議ニ之ヲ準用ス

第366条 取締役ハ前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前ヨリ株式移転ノ日後6月ヲ経過スル日迄左ニ掲グルモノヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
 1 前条第1項ノ場合ニ於ケル議案ノ要領
 2 完全子会社トナル会社ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 2ノ2 設立スル完全親会社ガ完全子会社トナル会社ノ発行シタル新株予約権ニ係ル義務ヲ承継スルトキハ前条第1項第4号ノ2ニ掲グル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 3 前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ前6月内ノ日ニ於テ作リタル完全子会社トナル会社ノ貸借対照表
 4 前号ノ貸借対照表ガ最終ノ貸借対照表ニ非ザルトキハ最終ノ貸借対照表
 5 完全子会社トナル会社ノ最終ノ貸借対照表ト共ニ作リタル損益計算書
 6 前号ノ損益計算書ノ外第3号ノ貸借対照表ト共ニ損益計算書ヲ作リタルトキハ其ノ損益計算書
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項第1号及第3号ニ掲グルモノニ、第281条第3項ノ規定ハ前項第2号第2号ノ2及第6号ニ掲グル書類ニ、第354条第3項及第4項ノ規定ハ前項ニ掲グルモノ」ニ之ヲ準用ス

第367条 設立スル完全親会社ノ資本ハ株式移転ノ日ニ於テ完全子会社トナル会社ニ現存スル純資産額ヨリ其ノ会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ控除シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ

第368条 完全子会社トナル会社ハ第365条第1項ノ決議ヲ為シタルトキハ其ノ旨並ニ一定ノ期間内ニ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨及株式移転ノ日ニ於テ株券及端株券ハ無効トナル旨ヲ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 第216条ノ規定ハ第365条第1項ノ決議ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

第368条ノ2 前条ノ規定ハ株式移転ニ因リ設立スル完全親会社ガ新株予約権ニ係ル義務ヲ承継シタル場合ニ於ケル新株予約権証券ニ之ヲ準用ス

第369条 株式移転ヲ為シタルトキハ設立シタル完全親会社ノ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ第188条ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス
2 株式移転ニ因リ設立スル完全親会社ガ新株予約権ニ係ル義務ヲ承継シタルトキハ設立シタル完全親会社ハ前項ノ登記ト同時ニ新株予約権ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第370条 株式移転ハ之ニ因リテ設立シタル完全親会社ガ其ノ本店ノ所在地ニ於テ前条第1項ノ登記ヲ為スニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ

第371条 第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ完全子会社トナル会社ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス
2 第355条及第360条ノ規定ハ株式移転ノ場合ニ之ヲ準用ス

第372条 会社ノ株式移転ノ無効ハ株式移転ノ日ヨリ6月内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 第105条第2項第3項、第109条、第110条、第137条、第138条、第249条及第363条第2項乃至第4項ノ規定ハ前項ノ訴ニ、第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ本項ニ於テ準用スル第363条第4項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第6節ノ3 会社ノ分割

第1款 新設分割

第373条 会社ハ其ノ営業ノ全部又ハ一部ヲ設立スル会社ニ承継セシムル為新設分割ヲ為スコトヲ得

第374条 会社ガ新設分割ヲ為スニハ分割計画書ヲ作リ株主総会ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
2 分割計画書ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 分割ニ因リテ設立スル会社ノ定款ノ規定
 2 分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ニ際シテ発行スル株式ノ種類及数並ニ分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項
 3 分割ニ因リテ設立スル会社ノ資本ノ額及準備金ニ関スル事項
 4 分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 5 分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ヲ為ス会社ヨリ承継スル債権債務、雇傭契約其ノ他ノ権利義務ニ関スル事項
 6 分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ヲ為ス会社ノ株主ニ対シ分割ニ際シテ発行スル株式ノ割当ヲ為ス場合ニ於テ分割ヲ為ス会社ノ資本又ハ準備金ノ減少ヲ為ストキハ減少スベキ資本ノ額又ハ準備金ニ関スル事項
 7 削除
 8 分割ヲ為スベキ時期
 9 分割ヲ為ス会社ガ分割ノ日迄ニ利益ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ストキハ其ノ限度額
 10 分割ニ因リテ設立スル会社ノ取締役及監査役ノ氏名
 11 会社ガ共同シテ分割ニ因リ会社ヲ設立スルトキハ其ノ旨
3 第281条第3項ノ規定ハ分割計画書ニ之ヲ準用ス
4 分割計画書ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
5 第1項ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
6 分割ニ因リテ設立スル会社ノ定款ニ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ヲ定ムル場合ニ於テ分割ヲ為ス会社ノ定款ニ其ノ定ナキトキハ第1項ノ決議ハ第348条第1項及第2項ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ヲ為ス会社ニ対シ分割ニ際シテ発行スル株式ノ総数ノ割当ヲ為ストキハ此ノ限ニ在ラズ

第374条ノ2 取締役ハ前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前ヨリ分割ノ日後6月ヲ経過スル日迄左ニ掲グルモノヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
 1 分割計画書
 2 分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 3 各会社ノ負担スベキ債務ノ履行ノ見込アルコト及其ノ理由ヲ記載シタル書面
 4 前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ前6月内ノ日ニ於テ作リタル分割ヲ為ス会社ノ貸借対照表
 5 前号ノ貸借対照表ガ最終ノ貸借対照表ニ非ザルトキハ最終ノ貸借対照表
 6 分割ヲ為ス会社ノ最終ノ貸借対照表ト共ニ作リタル損益計算書
 7 前号ノ損益計算書ノ外第4号ノ貸借対照表ト共ニ損益計算書ヲ作リタルトキハ其ノ損益計算書
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項第4号ニ掲グルモノニ、第281条第3項ノ規定ハ前項第2号第3号及第7号ニ掲グル書類ニ之ヲ準用ス
3 株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得但シ第2号又ハ第4号ノ請求ヲ為スニハ会社ノ定メタル費用ヲ支払フコトヲ要ス
 1 第1項ニ掲グルモノガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧ノ請求
 2 前号ノ書面ノ謄本又ハ抄本ノ交付ノ請求
 3 第1項ニ掲グルモノガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧ノ請求
 4 前号ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコトノ請求又ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ノ請求

第374条ノ3 第374条第1項ノ株主総会ニ先チ会社ニ対シ書面ヲ以テ分割ニ反対ノ意思ヲ通知シ且総会ニ於テ分割計画書ノ承認ニ反対シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ承認ノ決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
2 第245条ノ2第2項、第245条ノ3及第245条ノ4ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第374条ノ4 会社ハ第374条第1項ノ承認ノ決議ノ日ヨリ2週間内ニ其ノ債権者ニ対シ分割ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨及最終ノ貸借対照表ニ関スル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノヲ官報ヲ以テ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス但シ会社ガ其ノ公告ヲ官報ノ外定款ニ定メタル時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙又ハ電子公告ニ依リ為ストキハ其ノ催告ハ不法行為ニ因リテ生ジタル債権ノ債権者ヲ除キ之ヲ為スコトヲ要セズ
2 分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ヲ為ス会社ニ対シ分割ニ際シテ発行スル株式ノ総数ノ割当ヲ為ス場合ニ於テ分割後モ分割ヲ為ス会社ニ対シ其ノ債権ノ弁済ノ請求ヲ為スコトヲ得ル債権者ニ付テハ前項本文ノ規定ハ之ヲ適用セズ
3 第100条第1項後段第2項第3項及第376条第3項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第374条ノ5 分割ニ因リテ設立スル会社ノ資本ハ分割ヲ為ス会社ヨリ承継スル財産ノ価額ヨリ承継スル債務ノ額及分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ控除シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ

第374条ノ6 分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ヲ為ス会社ニ対シ分割ニ際シテ発行スル株式ノ総数ノ割当ヲ為ス場合ニ於テ分割ヲ為ス会社ガ分割ニ因リテ設立スル会社ニ承継セシムル財産ニ付分割ヲ為ス会社ノ会計帳簿ニ記載又ハ記録シタル価額ノ合計額ガ其ノ会社ノ最終ノ貸借対照表ノ資産ノ部ニ計上シタル額ノ合計額ノ20分ノ1ヲ超エザルトキハ第374条第1項ノ承認ハ之ヲ得ルコトヲ要セズ
2 前項ノ場合ニ於テハ分割計画書ニ第374条第1項ノ承認ヲ得ズシテ分割ヲ為ス旨ヲ記載スルコトヲ要ス
3 第1項ノ場合ニ於テハ第374条ノ2第1項中「前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前」トアリ及同項第4号中「前条第1項ノ株主総会ノ会日」トアルハ「第374条ノ4第1項ノ規定ニ依ル公告又ハ催告ノ日中先ノ日」ト、第374条ノ4第1項中「第374条第1項ノ承認ノ決議ノ日」トアルハ「分割計画書ヲ作リタル日」トシ、第374条ノ3ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第374条ノ7 分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ヲ為ス会社ノ株主ニ対シ分割ニ際シテ発行スル株式ノ割当ヲ為ス場合ニ於テハ分割ヲ為ス会社ハ分割ヲ為ス旨及一定ノ日ニ於テ株主名簿ニ記載又ハ記録アル株主ガ分割ニ因リテ設立スル会社ガ分割ニ際シテ発行スル株式ヲ受クル権利ヲ有スベキ旨ヲ其ノ日ノ2週間前ニ公告スルコトヲ要ス
2 前項ノ場合ニ於テ会社ガ分割ヲ為シタルトキハ分割ニ因リテ設立シタル会社ハ遅滞ナク同項ノ日ニ於テ株主名簿ニ記載アル株主及株主名簿ニ記載アル質権者ニ対シテ其ノ株主ノ受クル株式ノ種類及数ヲ通知スルコトヲ要ス

第374条ノ8 会社ノ分割アリタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ分割ヲ為シタル会社ニ付テハ変更ノ登記、分割ニ因リテ設立シタル会社ニ付テハ第188条ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス
2 分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割ニ因リテ新株予約権ニ係ル義務ヲ承継シタルトキハ前項ノ登記ト同時ニ新株予約権ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第374条ノ9 会社ノ分割ハ之ニ因リテ設立シタル会社ガ其ノ本店ノ所在地ニ於テ前条第1項ノ登記ヲ為スニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ

第374条ノ10 分割ニ因リテ設立シタル会社ハ分割計画書ノ記載ニ従ヒ分割ヲ為シタル会社ノ権利義務ヲ承継ス
2 第374条ノ4第1項ニ規定スル各別ノ催告ヲ受ケザリシ債権者(同項但書ニ規定スル場合ニ於テハ不法行為ニ因リテ生ジタル債権ノ債権者ニ限ル)ニ対スル分割ヲ為シタル会社ノ債務ニ付テハ分割計画書ノ記載ニ拘ラズ之ヲ負担スルモノトセラレザリシ会社モ亦其ノ弁済ノ責ニ任ズ但シ分割ノ日ニ於テ有シタル財産ノ価額ヲ限度トス

第374条ノ11 取締役ハ第374条ノ4ニ規定スル手続ノ経過、分割ノ日、分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割ヲ為シタル会社ヨリ承継シタル権利義務並ニ財産ノ価額及債務ノ額其ノ他ノ分割ニ関スル事項ヲ記載シタル書面ヲ作リ之ヲ分割ノ日ヨリ6月間本店ニ備置クコトヲ要ス
2 第281条第3項ノ規定ハ前項ニ掲グル書類ニ之ヲ準用ス
3 株主、会社ノ債権者其ノ他ノ利害関係人ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得但シ第2号又ハ第4号ノ請求ヲ為スニハ会社ノ定メタル費用ヲ支払フコトヲ要ス
 1 第1項ニ掲グル書類ノ閲覧ノ請求
 2 第1項ニ掲グル書類ノ謄本又ハ抄本ノ交付ノ請求
 3 前項ニ於テ準用スル第281条第3項ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧ノ請求
 4 前号ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコトノ請求又ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ノ請求

第374条ノ12 会社ノ新設分割ノ無効ハ分割ノ日ヨリ6月内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ各会社ノ株主、取締役、監査役、清算人、破産管財人又ハ分割ヲ承認セザル債権者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第1項ノ訴ハ分割ヲ為シタル会社又ハ分割ニ因リテ設立シタル会社ノ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ専属ス
4 前項ノ規定ニ依リ2以上ノ裁判所ガ管轄権ヲ有スルトキハ先ニ訴ノ提起アリタル裁判所ノ管轄ニ専属ス
5 裁判所ハ著キ損害又ハ遅滞ヲ避クル為必要アリト認ムルトキハ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ全部ヲ第3項ニ規定スル裁判所ニ移送スルコトヲ得
6 第105条第2項第3項、第106条、第109条、第110条及第249条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第374条ノ13 分割ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ分割ヲ為シタル会社ハ分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割後負担シタル債務ニ付其ノ弁済ノ責ニ任ズ
2 分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割後取得シタル財産ハ分割ヲ為シタル会社ノ所有ニ属ス
3 会社ガ共同シテ分割ニ因リ会社ヲ設立シタル場合ニ於テ分割ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ分割ヲ為シタル会社ハ分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割後負担シタル債務ニ付連帯シテ其ノ弁済ノ責ニ任ズ
4 前項ニ規定スル場合ニ於テハ分割ニ因リテ設立シタル会社ガ分割後取得シタル財産ハ分割ヲ為シタル会社ノ共有ニ属ス
5 前2項ノ場合ニ於テハ各会社ノ負担部分又ハ持分ハ其ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム協議調ハザルトキハ裁判所ハ請求ニ依リ分割ノ時ニ於ケル各会社ノ財産ノ額其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌シテ之ヲ定ム

第374条ノ14 分割ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ分割ヲ為シタル会社ニ付テハ変更ノ登記、分割ニ因リテ設立シタル会社ニ付テハ解散ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第374条ノ15 第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ分割ヲ為ス会社ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス

第2款 吸収分割

第374条ノ16 会社ハ其ノ一方ノ営業ノ全部又ハ一部ヲ他方ニ承継セシムル為吸収分割ヲ為スコトヲ得

第374条ノ17 会社ガ吸収分割ヲ為スニハ其ノ双方ニ於テ分割契約書ヲ作リ株主総会ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
2 分割契約書ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ガ分割ニ因リ定款ノ変更ヲ為ストキハ其ノ規定
 2 承継スル会社ガ分割ニ際シテ発行スル新株ノ総数、種類及数並ニ分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ対スル新株ノ割当ニ関スル事項
 3 承継スル会社ノ増加スベキ資本ノ額及準備金ニ関スル事項
 4 分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 5 承継スル会社ガ分割ヲ為ス会社ヨリ承継スル債権債務、雇傭契約其ノ他ノ権利義務ニ関スル事項
 6 承継スル会社ガ分割ヲ為ス会社ノ株主ニ対シ分割ニ際シテ発行スル新株ノ割当ヲ為ス場合ニ於テ分割ヲ為ス会社ノ資本又ハ準備金ノ減少ヲ為ストキハ減少スベキ資本ノ額又ハ準備金ニ関スル事項
 7 削除
 8 各会社ニ於テ前項ノ決議ヲ為スベキ株主総会ノ期日
 9 分割ヲ為スベキ時期
 10 各会社ガ分割ノ日迄ニ利益ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ストキハ其ノ限度額
 11 承継スル会社ニ付分割ニ際シテ就職スベキ取締役又ハ監査役ヲ定メタルトキハ其ノ規定
3 第281条第3項ノ規定ハ分割契約書ニ之ヲ準用ス
4 分割契約書ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
5 第1項ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
6 承継スル会社ノ定款ニ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定アル場合又ハ承継スル会社ガ分割ニ因リ定款ヲ変更シテ其ノ定ヲ設クル場合ニ於テ分割ヲ為ス会社ノ定款ニ其ノ定ナキトキハ分割ヲ為ス会社ニ於ケル第1項ノ決議ハ第348条第1項及第2項ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ承継スル会社ガ分割ヲ為ス会社ニ対シ分割ニ際シテ発行スル新株ノ総数ノ割当ヲ為ストキハ此ノ限ニ在ラズ
7 承継スル会社ガ分割ニ因リ定款ヲ変更シテ前項ノ定ヲ設クル場合ニ於テハ其ノ会社ニ付亦同項本文ニ同ジ
8 承継スル会社ノ定款ニ第6項ノ定アル場合ニ於ケル同項本文ノ決議ヲ為スベキ株主総会ニ付テハ其ノ会社ノ定款ニ其ノ定アル旨ヲ第4項ノ通知ニ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第374条ノ18 取締役ハ前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前ヨリ分割ノ日後6月ヲ経過スル日迄左ニ掲グルモノヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
 1 分割契約書
 2 分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ対スル新株ノ割当ニ関スル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 3 各会社ノ負担スベキ債務ノ履行ノ見込アルコト及其ノ理由ヲ記載シタル書面
 4 前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ前6月内ノ日ニ於テ作リタル各会社ノ貸借対照表
 5 前号ノ貸借対照表ガ最終ノ貸借対照表ニ非ザルトキハ最終ノ貸借対照表
 6 各会社ノ最終ノ貸借対照表ト共ニ作リタル損益計算書
 7 前号ノ損益計算書ノ外第4号ノ貸借対照表ト共ニ損益計算書ヲ作リタルトキハ其ノ損益計算書
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項第4号ニ掲グルモノニ、第281条第3項ノ規定ハ前項第2号第3号及第7号ニ掲グル書類ニ、第374条ノ2第3項ノ規定ハ前項ニ掲グルモノニ之ヲ準用ス

第374条ノ19 分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ハ分割ニ際シテ為ス新株ノ発行ニ代ヘテ其ノ有スル自己ノ株式ヲ分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ移転スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ移転スベキ株式ノ総数、種類及数ヲ分割契約書ニ記載スルコトヲ要ス

第374条ノ20 各会社ハ第374条ノ17第1項ノ承認ノ決議ノ日ヨリ2週間内ニ其ノ債権者ニ対シ分割ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨及最終ノ貸借対照表ニ関スル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノヲ官報ヲ以テ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス但シ会社ガ其ノ公告ヲ官報ノ外定款ニ定メタル時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙又ハ電子公告ニ依リ為ストキハ其ノ催告ハ不法行為ニ因リテ生ジタル債権ニシテ分割ヲ為ス会社ニ対スルモノノ債権者ヲ除キ之ヲ為スコトヲ要セズ
2 第100条第1項後段第2項第3項、第374条ノ4第2項及第376条第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第374条ノ21 分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ノ資本ハ分割ヲ為ス会社ヨリ承継スル財産ノ価額ヨリ左ノ金額ヲ控除シタル額ヲ限度トシテ之ヲ増加スルコトヲ得
 1 分割ヲ為ス会社ヨリ承継スル債務ノ額
 2 分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額
 3 第374条ノ19ノ規定ニ依リ分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ移転スル株式ニ付会計帳簿ニ記載又ハ記録シタル価額ノ合計額

第374条ノ22 分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ガ分割ヲ為ス会社ニ対シ分割ニ際シテ発行スル新株ノ総数ノ割当ヲ為ス場合ニ於テ分割ヲ為ス会社ガ承継スル会社ニ承継セシムル財産ニ付分割ヲ為ス会社ノ会計帳簿ニ記載又ハ記録シタル価額ノ合計額ガ其ノ会社ノ最終ノ貸借対照表ノ資産ノ部ニ計上シタル額ノ合計額ノ20分ノ1ヲ超エザルトキハ其ノ会社ニ於テハ第374条ノ17第1項ノ承認ハ之ヲ得ルコトヲ要セズ
2 前項ノ場合ニ於テハ分割契約書ニ分割ヲ為ス会社ニ於テハ第374条ノ17第1項ノ承認ヲ得ズシテ分割ヲ為ス旨ヲ記載スルコトヲ要ス
3 第1項ノ場合ニ於ケル分割ヲ為ス会社ニ付テハ第374条ノ18第1項中「前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前」トアリ及同項第4号中「前条第1項ノ株主総会ノ会日」トアルハ「第374条ノ20第1項ノ規定ニ依ル公告又ハ催告ノ日中先ノ日」ト、第374条ノ20第1項中「第374条ノ17第1項ノ承認ノ決議ノ日」トアルハ「分割契約書ヲ作リタル日」トシ、第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル第374条ノ3ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第374条ノ23 分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ガ分割ニ際シテ発行スル新株ノ総数ガ其ノ会社ノ発行済株式ノ総数ノ20分ノ1ヲ超エザルトキハ其ノ会社ニ於テハ第374条ノ17第1項ノ承認ハ之ヲ得ルコトヲ要セズ但シ分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタル場合ニ於テ其ノ金額ガ最終ノ貸借対照表ニ依リ承継スル会社ニ現存スル純資産額ノ50分ノ1ヲ超ユルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第374条ノ19ノ規定ニ依リ分割ヲ為ス会社又ハ其ノ株主ニ移転スル株式ハ前項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ分割ニ際シテ発行スル新株ト看做ス
3 第1項本文ノ場合ニ於テハ分割契約書ニ承継スル会社ニ付テハ第374条ノ17第1項ノ承認ヲ得ズシテ分割ヲ為ス旨ヲ記載スルコトヲ要シ、同条第2項第1号及第11号ニ掲グル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ得ズ
4 承継スル会社ハ分割契約書ヲ作リタル日ヨリ2週間内ニ分割ヲ為ス会社ノ商号及本店、分割ヲ為スベキ時期並ニ第374条ノ17第1項ノ承認ヲ得ズシテ分割ヲ為ス旨ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス
5 前項ノ規定ニ依ル公告又ハ通知ノ日ヨリ2週間内ニ承継スル会社ニ対シ書面ヲ以テ分割ニ反対ノ意思ヲ通知シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ分割契約ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
6 前項ノ請求ハ同項ノ期間ノ満了ノ日ヨリ20日内ニ株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
7 第245条ノ2第2項、第245条ノ3第2項乃至第6項及第245条ノ4ノ規定ハ第5項ノ場合ニ之ヲ準用ス
8 承継スル会社ノ総株主ノ議決権ノ6分ノ1以上ヲ有スル株主ガ第5項ノ規定ニ依ル反対ノ意思ノ通知ヲ為シタルトキハ此ノ条ニ定メタル手続ニ依ル分割ハ之ヲ為スコトヲ得ズ
9 第1項本文ノ場合ニ於ケル承継スル会社ニ付テノ第374条ノ18第1項及第374条ノ20第1項ノ規定ノ適用ニ付テハ第374条ノ18第1項中「前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前」トアリ及同項第4号中「前条第1項ノ株主総会ノ会日」トアルハ「第374条ノ20第1項又ハ第374条ノ23第4項ノ規定ニ依ル公告、催告又ハ通知ノ日中最初ノ日」ト、第374条ノ20第1項中「第374条ノ17第1項ノ承認ノ決議ノ日」トアルハ「分割契約書ヲ作リタル日」トス

第374条ノ24 会社ノ分割アリタルトキハ分割ヲ為シタル会社及分割ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ変更ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
2 第374条ノ8第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第374条ノ25 会社ノ分割ハ之ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ガ其ノ本店ノ所在地ニ於テ前条第1項ノ登記ヲ為スニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ

第374条ノ26 分割ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ハ分割契約書ノ記載ニ従ヒ分割ヲ為シタル会社ノ権利義務ヲ承継ス
2 第374条ノ20第1項ニ規定スル各別ノ催告ヲ受ケザリシ債権者(同項但書ニ規定スル場合ニ於テハ不法行為ニ因リテ生ジタル債権ノ債権者ニ限ル)ニ対スル分割ヲ為シタル会社ノ債務ニ付テハ分割契約書ノ記載ニ拘ラズ之ヲ負担スルモノトセラレザリシ会社モ亦其ノ弁済ノ責ニ任ズ但シ其ノ会社ガ分割ヲ為シタル会社ナルトキハ分割ノ日ニ於テ有シタル財産ノ価額ヲ、其ノ会社ガ承継シタル会社ナルトキハ承継シタル財産ノ価額ヲ限度トス

第374条ノ27 分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ノ取締役及監査役ニシテ分割前ニ就職シタルモノハ分割契約書ニ別段ノ定ノ記載アルトキヲ除クノ外分割後最初ニ到来スル決算期ニ関スル定時総会ノ終結ノ時ニ退任ス

第374条ノ28 会社ノ吸収分割ノ無効ハ分割ノ日ヨリ6月内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ分割ヲ為シタル会社又ハ分割ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ノ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ専属ス
3 第105条第2項第3項、第106条、第109条、第110条、第249条及第374条ノ12第2項第4項第5項ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第374条ノ29 分割ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ各会社ハ分割ニ因リテ営業ヲ承継シタル会社ガ分割後負担シタル債務ニ付連帯シテ弁済ノ責ニ任ズ
2 承継シタル会社ガ分割後取得シタル財産ハ各会社ノ共有ニ属ス
3 第374条ノ13第5項ノ規定ハ前2項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第374条ノ30 分割ヲ無効トスル判決ガ確定シタルトキハ本店及支店ノ所在地ニ於テ変更ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第374条ノ31 第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ分割ヲ為ス会社ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス
2 第350条第1項第3項及第350条ノ2ノ規定ハ承継スル会社ガ分割ニ因リ定款ヲ変更シテ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定ヲ設クル場合ニ於ケル其ノ会社ノ執ルベキ手続ニ之ヲ準用ス
3 第374条ノ3、第374条ノ7及第374条ノ11ノ規定ハ吸収分割ノ場合ニ之ヲ準用ス
4 第220条ノ7第6項ノ規定ハ第374条ノ19ノ規定ニ依リ分割ニ因リテ営業ヲ承継スル会社ガ自己ノ株式ヲ移転スル場合ニ之ヲ準用ス

第6節ノ4 資本ノ減少

第375条 資本ノ減少ヲ為スニハ減少スベキ資本ノ額及左ノ各号ニ掲グル場合ニ於ケル其ノ各号ニ定ムル事項ニ付第343条ニ定ムル決議ヲ為スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ各号ニ定ムル金額ノ合計額ハ減少スベキ資本ノ額ヲ超ユルコトヲ得ズ
 1 株主ニ払戻ヲ為ス場合 払戻ニ要スベキ金額
 2 株式ノ消却ヲ為ス場合 消却スベキ株式ノ種類及数、消却ノ方法並ニ消却ニ要スベキ金額
 3 資本ノ欠損ノ填補ニ充ツル場合 填補ニ充ツルベキ金額
2 前項第1号ノ払戻ハ各株主ノ有スル株式ノ数ニ応ジテ之ヲ為ス但シ会社ノ有スル自己ノ株式ニ付テハ同号ノ払戻ハ之ヲ為サズ
3 資本ノ減少ニ関スル議案ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第376条 会社ハ前条第1項ノ決議ノ日ヨリ2週間内ニ其ノ債権者ニ対シ資本ノ減少ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨、減少スベキ資本ノ額、同項各号ニ掲グル場合ニ於ケル其ノ各号ニ定ムル金額及最終ノ貸借対照表ニ関スル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノヲ官報ヲ以テ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス但シ会社ガ其ノ公告ヲ官報ノ外定款ニ定メタル時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙又ハ電子公告ニ依リ為ストキハ其ノ催告ハ之ヲ為スコトヲ要セズ
2 第100条第1項後段第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
3 社債権者ガ異議ヲ述ブルニハ社債権者集会ノ決議ニ依ルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ依リ社債権者ノ為ニ異議ノ期間ヲ伸長スルコトヲ得

第377条乃至第379条 削除

第380条 資本減少ノ無効ハ本店ノ所在地ニ於テ資本減少ニ因ル変更ノ登記ヲ為シタル日ヨリ6月内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ株主、取締役、監査役、清算人、破産管財人又ハ資本ノ減少ヲ承認セザル債権者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第88条、第105条第2項第3項、第106条、第109条、第137条及第249条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第7節 会社ノ整理

第381条 会社ノ現況其ノ他ノ事情ニ依リ支払不能又ハ債務超過ニ陥ルノ虞アリト認ムルトキハ裁判所ハ取締役、監査役、6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主又ハ資本ノ10分ノ1以上ニ当ル債権者ノ申立ニ依リ会社ニ対シ整理ノ開始ヲ命ズルコトヲ得会社ニ支払不能又ハ債務超過ノ疑アリト認ムルトキ亦同ジ
2 会社ノ業務ヲ監督スル官庁ハ会社ニ前項ニ掲グル事由アリト認ムルトキハ裁判所ニ其ノ旨ヲ通告スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ職権ヲ以テ整理ノ開始ヲ命ズルコトヲ得

第382条 整理開始ノ命令アリタルトキハ直ニ会社ノ本店及支店ノ所在地ノ登記所ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第383条 整理開始ノ申立又ハ通告アリタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ破産手続及企業担保権ノ実行手続ノ中止ヲ命ズルコトヲ得
2 整理開始ノ命令アリタルトキハ破産手続開始ノ申立又ハ会社財産ニ対スル強制執行、仮差押、仮処分若ハ企業担保権ノ実行若ハ財産開示手続(民事執行法第197条第1項ノ申立ニ依ルモノニ限ル以下此ノ項ニ於テ同ジ)ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ破産手続並ニ既ニ為シタル強制執行、仮差押、仮処分及企業担保権ノ実行手続並ニ財産開示手続ハ之ヲ中止ス
3 整理開始ノ命令ガ確定シタルトキハ前2項ノ規定ニ依リテ中止シタル手続ハ整理ノ関係ニ於テハ其ノ効力ヲ失フ

第384条 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ債権者ノ一般ノ利益ニ適応シ且競売申立人ニ不当ノ損害ヲ及ボスノ虞ナキモノト認ムルトキハ裁判所ハ相当ノ期間ヲ定メ担保権ノ実行ノ手続ノ中止ヲ命ズルコトヲ得

第385条 整理開始ノ命令アリタルトキハ会社ノ債権者ノ債権ニ付テハ整理開始ノ取消ノ登記又ハ整理終結ノ登記ノ日ヨリ2月内ハ時効完成セズ

第386条 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得
 1 会社ノ業務ノ制限其ノ他会社財産ノ保全処分
 2 株主ノ名義書換ノ禁止
 3 会社ノ業務及財産ニ対スル検査ノ命令
 4 整理ニ関スル立案及実行ノ命令
 5 取締役又ハ監査役ノ解任
 6 発起人、取締役又ハ監査役ノ責任ノ免除ノ禁止
 7 発起人、取締役又ハ監査役ノ責任ノ免除ノ取消但シ整理ノ開始ヨリ1年前ニ為シタル免除ニ付テハ不正ノ目的ニ出デタルモノニ限ル
 8 発起人、取締役又ハ監査役ノ責任ニ基ク損害賠償請求権ノ査定
 9 前号ノ損害賠償請求権ニ付発起人、取締役又ハ監査役ノ財産ニ対シテ為ス保全処分
 10 会社ノ業務及財産ニ関スル監督ノ命令
 11 会社ノ業務及財産ニ関スル管理ノ命令
2 整理開始ノ申立又ハ通告アリタルトキハ裁判所ハ其ノ開始前ト雖モ第381条第1項ニ掲グル者ノ申立ニ依リ又ハ職権ヲ以テ前項第1号乃至第3号、第9号又ハ第10号ノ処分ヲ為スコトヲ得

第387条 前条第1項第5号、第10号又ハ第11号ノ処分アリタルトキハ直ニ会社ノ本店及支店ノ所在地ノ登記所ニ於テ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス前条第1項第1号ノ業務ノ制限ノ処分アリタルトキ亦同ジ
2 前条第1項第1号又ハ第9号ノ処分ニシテ登記又ハ登録ヲ為スベキ財産ニ関スルモノニ付テハ直ニ其ノ登記又ハ登録ヲ為スコトヲ要ス

第388条 第386条第1項第3号ノ検査ハ会社ノ業務及財産ノ状況其ノ他会社ノ整理ニ必要ナル事項ニ付裁判所ノ選任シタル検査役之ヲ為ス
2 検査役ハ会社ノ業績ガ不良ト為リタル事情及発起人、取締役又ハ監査役ニ不正又ハ懈怠ナカリシヤ否ヤヲモ調査スルコトヲ要ス

第389条 検査役ハ調査ノ結果殊ニ左ノ事項ヲ裁判所ニ報告スルコトヲ要ス 1 整理ノ見込アルヤ否ヤ
 2 発起人、取締役又ハ監査役ニ第192条第1項第2項第4項、第192条ノ2、第193条第1項、第266条、第277条、第280条ノ13又ハ第280条ノ13ノ2ノ規定ニ依リテ責ニ任ズベキ事実アルヤ否ヤ
 3 会社ノ業務及財産ニ付監督又ハ管理ヲ為ス必要アルヤ否ヤ
 4 会社財産ノ保全処分ヲ為ス必要アルヤ否ヤ
 5 会社ノ損害賠償請求権ニ付発起人、取締役又ハ監査役ノ財産ニ対シ保全処分ヲ為ス必要アルヤ否ヤ

第390条 検査役ハ発起人、取締役、監査役及支配人其ノ他ノ使用人ニ対シ会社ノ業務及財産ノ状況ニ付報告ヲ求メ会社ノ帳簿、書類、金銭其ノ他ノ物件ヲ検査スルコトヲ得
2 検査役ハ其ノ調査ヲ為スニ当リ裁判所ノ許可ヲ得テ執行官又ハ警察官ノ援助ヲ求ムルコトヲ得

第391条 第386条第1項第4号ノ処分ヲ為シタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ整理委員ヲ選任スルコトヲ得
2 整理委員ハ整理ニ関スル立案ノ任ニ当リ且取締役ガ其ノ実行ヲ為スニ付之ト協力ス
3 前条第1項ノ規定ハ整理委員ニ之ヲ準用ス

第392条乃至第393条 削除

第394条 第386条第1項第8号ノ査定ニ不服アル者ハ査定ノ告知ヲ受ケタル日ヨリ1月内ニ異議ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
2 査定ヲ認可シ又ハ之ヲ変更シタル判決ハ強制執行ニ関シテハ給付ヲ命ズル判決ト同一ノ効力ヲ有ス
3 第88条及第105条第2項第3項ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第395条 前条第1項ノ期間内ニ訴ノ提起ナキトキハ査定ハ給付ヲ命ズル確定判決ト同一ノ効力ヲ有ス訴ガ却下セラレタルトキ亦同ジ

第396条 査定ノ申立ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス職権ニ依ル査定手続ノ開始亦同ジ

第397条 第386条第1項第10号ノ監督ハ裁判所ノ選任シタル監督員之ヲ為ス
2 取締役ガ裁判所ノ指定シタル行為ヲ為スニハ監督員ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
3 第390条第1項ノ規定ハ監督員ニ之ヲ準用ス

第398条 第386条第1項第11号ノ管理ハ裁判所ノ選任シタル管理人之ヲ為ス
2 会社ノ代表、業務ノ執行並ニ財産ノ管理及処分ヲ為ス権利ハ管理人ニ専属ス第247条、第280条ノ15(第211条第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第363条、第372条、第374条ノ12(第374条ノ28第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第380条、第415条及第428条ノ規定ニ依ル取締役ノ権利亦同ジ
3 第390条ノ規定ハ管理人ニ之ヲ準用ス

第399条 整理ガ結了シ又ハ整理ノ必要ナキニ至リタルトキハ裁判所ハ第381条第1項ニ掲グル者、検査役、整理委員、監督員又ハ管理人ノ申立ニ依リ整理終結ノ決定ヲ為スコトヲ得

第400条 第382条及第387条ノ規定ハ整理終結ノ決定又ハ整理開始ノ命令ヲ取消ス決定ガ確定シタル場合ニ之ヲ準用ス

第401条 削除

第402条 整理開始ノ命令アリタル場合ニ於テ整理ノ見込ナキトキハ裁判所ハ職権ヲ以テ破産法(平成16年法律第75号)ニ従ヒ破産手続開始ノ決定ヲ為スコトヲ要ス

第403条 破産法第71条及第72条ノ規定ハ整理ノ場合ニ之ヲ準用ス
2 破産法第76条、第77条、第85条及第87条第1項ノ規定ハ検査役、整理委員、監督員及管理人ニ之ヲ準用ス

第8節 解散

第404条 会社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
 1 第94条第1号、第3号、第5号及第6号ニ掲グル事由
 2 株主総会ノ決議

第405条 解散ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ

第406条 会社ガ存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生又ハ株主総会ノ決議ニ因リテ解散シタル場合ニ於テハ第343条ニ定ムル決議ニ依リテ会社ヲ継続スルコトヲ得

第406条ノ2 左ノ場合ニ於テ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ総株主ノ議決権ノ10分ノ1以上ヲ有スル株主ハ会社ノ解散ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
 1 会社ノ業務ノ執行上著シキ難局ニ逢着シ会社ニ回復スベカラザル損害ヲ生ジ又ハ生ズル虞アルトキ
 2 会社財産ノ管理又ハ処分ガ著シク失当ニシテ会社ノ存立ヲ危殆ナラシムルトキ
2 第112条第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第406条ノ3 最後ノ登記後5年ヲ経過シタル会社ハ本店ノ所在地ヲ管轄スル登記所ニ未ダ営業ヲ廃止セザル旨ノ届出ヲ為スベキ旨ヲ法務大臣ガ官報ヲ以テ公告シタル場合ニ於テ其ノ公告ノ日ニ既ニ最後ノ登記後5年ヲ経過シタル会社ガ同日ヨリ2月内ニ法務省令ヲ以テ定ムル所ニ依リ其ノ届出ヲ為サザルトキハ其ノ会社ハ其ノ期間満了ノ時ニ解散シタルモノト看做ス但シ其ノ期間内ニ登記ヲ為シタル会社ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項ノ公告アリタルトキハ登記所ハ同項ノ会社ニ対シ其ノ公告アリタル旨ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス
3 第1項ノ規定ニ依リ解散シタルモノト看做サレタル会社ハ其ノ後3年内ニ限リ第343条ニ定ムル決議ニ依リテ会社ヲ継続スルコトヲ得

第407条 会社ガ解散シタルトキハ破産手続開始ノ決定ニ因ル解散ノ場合ヲ除クノ外取締役ハ遅滞ナク株主ニ対シテ其ノ旨ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス

第408条 会社ガ合併ヲ為スニハ合併契約書ヲ作リ株主総会ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス
2 第281条第3項ノ規定ハ合併契約書ニ之ヲ準用ス
3 合併契約書ノ要領ハ第232条ニ定ムル通知ニ之ヲ記載又ハ記録スルコトヲ要ス
4 第1項ノ決議ハ第343条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
5 合併後存続スル会社ノ定款ニ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定アリ合併ニ因リ消滅スル会社ノ定款ニ其ノ定ナキトキハ消滅スル会社ニ於ケル第1項ノ決議ハ第348条第1項及第2項ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ合併ニ因リテ設立スル会社ノ定款ニ其ノ旨ヲ定ムル場合ニ於テ合併ヲ為ス会社ノ定款ニ其ノ定ナキトキ其ノ会社ニ付亦同ジ
6 存続スル会社ガ合併ニ因リ定款ヲ変更シテ前項ノ定ヲ設クル場合ニ於テハ其ノ会社及消滅スル会社ニシテ定款ニ其ノ定ナキモノニ付亦同項ニ同ジ
7 第5項前段ノ決議ヲ為スベキ株主総会ニ付テハ存続スル会社ノ定款ニ同項ノ定アル旨ヲ第3項ノ通知ニ記載又ハ記録スルコトヲ要ス

第408条ノ2 取締役ハ前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前ヨリ合併ノ日後6月ヲ経過スル日迄左ニ掲グルモノヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
 1 合併契約書
 2 合併ニ因リテ消滅スル会社ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項ニ付其ノ理由ヲ記載シタル書面
 3 前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ前6月内ノ日ニ於テ作リタル合併ヲ為ス各会社ノ貸借対照表
 4 前号ノ貸借対照表ガ最終ノ貸借対照表ニ非ザルトキハ最終ノ貸借対照表
 5 合併ヲ為ス各会社ノ最終ノ貸借対照表ト共ニ作リタル損益計算書
 6 前号ノ損益計算書ノ外第3号ノ貸借対照表ト共ニ損益計算書ヲ作リタルトキハ其ノ損益計算書
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項第3号ニ掲グルモノニ、第281条第3項ノ規定ハ前項第2号及第6号ニ掲グル書類ニ之ヲ準用ス
3 株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ左ノ請求ヲ為スコトヲ得但シ第2号又ハ第4号ノ請求ヲ為スニハ会社ノ定メタル費用ヲ支払フコトヲ要ス
 1 第1項ニ掲グルモノガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ書面ノ閲覧ノ請求
 2 前号ノ書面ノ謄本又ハ抄本ノ交付ノ請求
 3 第1項ニ掲グルモノガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタルトキハ其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧ノ請求
 4 前号ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコトノ請求又ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ノ請求

第408条ノ3 第408条第1項ノ株主総会ニ先チ会社ニ対シ書面ヲ以テ合併ニ反対ノ意思ヲ通知シ且総会ニ於テ合併契約書ノ承認ニ反対シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ承認ノ決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
2 第245条ノ2第2項、第245条ノ3及第245条ノ4ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第409条 合併ヲ為ス会社ノ一方ガ合併後存続スル場合ニ於テハ合併契約書ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 存続スル会社ガ合併ニ因リ定款ノ変更ヲ為ストキハ其ノ規定
 2 存続スル会社ガ合併ニ際シテ発行スル新株ノ総数、種類及数並ニ合併ニ因リテ消滅スル会社ノ株主ニ対スル新株ノ割当ニ関スル事項
 3 存続スル会社ノ増加スベキ資本ノ額及準備金ニ関スル事項
 4 合併ニ因リテ消滅スル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 5 各会社ニ於テ第408条第1項ノ決議ヲ為スベキ株主総会ノ期日
 6 合併ヲ為スベキ時期
 7 各会社ガ合併ノ日迄ニ利益ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為ストキハ其ノ限度額
 8 存続スル会社ニ付合併ニ際シテ就職スベキ取締役又ハ監査役ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 9 消滅スル会社ノ株式ニ係ル株券ノ全部又ハ一部ヲ其ノ会社ニ提出スベキモノト為ストキ(第416条第4項ニ規定スル第408条第5項及第6項ノ場合ヲ除ク)ハ其ノ旨

第409条ノ2 合併後存続スル会社ハ合併ニ際シテ為ス新株ノ発行ニ代ヘテ其ノ有スル自己ノ株式ヲ合併ニ因リテ消滅スル会社ノ株主ニ移転スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ移転スベキ株式ノ総数、種類及数ヲ合併契約書ニ記載スルコトヲ要ス

第410条 合併ニ因リテ会社ヲ設立スル場合ニ於テハ合併契約書ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
 1 合併に因リテ設立スル会社ノ定款ノ規定
 2 合併ニ因リテ設立スル会社ガ合併ニ際シテ発行スル株式ノ、種類及数並ニ各会社ノ株主ニ対スル株式ノ割当ニ関スル事項
 3 合併ニ因リテ設立スル会社ノ資本ノ額及準備金ニ関スル事項
 4 各会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ規定
 5 第409条第5号乃至第7号及第9号ニ掲グル事項
 6 合併ニ因リテ設立スル会社ノ取締役及監査役ノ氏名

第411条 合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ガ株式会社ナル場合ニ於テ合併ヲ為ス会社ノ一方又ハ双方ガ合名会社又ハ合資会社ナルトキハ総社員ノ同意ヲ得テ合併契約書ヲ作ルコトヲ要ス
2 第408条第2項、第409条、第409条ノ2後段及前条ノ規定ハ前項ノ合併契約書ニ之ヲ準用ス

第412条 会社ハ第408条第1項ノ承認ノ決議ノ日ヨリ2週間内ニ其ノ債権者ニ対シ合併ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨及最終ノ貸借対照表ニ関スル事項ニシテ法務省令ニ定ムルモノヲ官報ヲ以テ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス但シ会社ガ其ノ公告ヲ官報ノ外定款ニ定メタル時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙又ハ電子公告ニ依リ為ストキハ其ノ催告ハ之ヲ為スコトヲ要セズ
2 第100条第1項後段第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第413条 削除

第413条ノ2 合併後存続スル会社ノ資本ハ合併ニ因リ消滅スル会社ヨリ承継スル財産ノ価額ヨリ左ノ金額ヲ控除シタル額ヲ限度トシテ之ヲ増加スルコトヲ得
 1 消滅スル会社ヨリ承継スル債務ノ額
 2 消滅スル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額
 3 第409条ノ2ノ規定ニ依リ消滅スル会社ノ株主ニ移転スル株式ニ付会計帳簿ニ記載又ハ記録シタル価額ノ合計額
2 合併ニ因リ設立スル会社ノ資本ハ消滅スル会社ヨリ承継スル財産ノ価額ヨリ前項第1号及第2号ノ金額ヲ控除シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ

第413条ノ3 合併後存続スル会社ガ合併ニ際シテ発行スル新株ノ総数ガ其ノ会社ノ発行済株式ノ総数ノ20分ノ1ヲ超ユザルトキハ其ノ会社ニ於テハ第408条第1項ノ承認ハ之ヲ得ルコトヲ要セズ但シ合併ニ因リテ消滅スル会社ノ株主ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタル場合ニ於テ其ノ金額ガ最終ノ貸借対照表ニ依リ存続スル会社ニ現存スル純資産額ノ50分ノ1ヲ超ユルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 第409条ノ2ノ規定ニ依リ消滅スル会社ノ株主ニ移転スル株式ハ前項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ合併ニ際シテ発行スル新株ト看做ス
3 第1項本文ノ場合ニ於テハ合併契約書ニ存続スル会社ニ付テハ第408条第1項ノ承認ヲ得ズシテ合併ヲ為ス旨ヲ記載スルコトヲ要シ、第409条第1号及第8号ニ掲グル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ得ズ
4 存続スル会社ハ合併契約書ヲ作リタル日ヨリ2週間内ニ消滅スル会社ノ商号及本店、合併ヲ為スベキ時期並ニ第408条第1項ノ承認ヲ得ズシテ合併ヲ為ス旨ヲ公告シ又ハ株主ニ通知スルコトヲ要ス
5 前項ノ規定ニ依ル公告又ハ通知ノ日ヨリ2週間内ニ会社ニ対シ書面ヲ以テ合併ニ反対ノ意思ヲ通知シタル株主ハ会社ニ対シ自己ノ有スル株式ヲ合併契約ナカリセバ其ノ有スベカリシ公正ナル価格ヲ以テ買取ルベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
6 前項ノ請求ハ同項ノ期間ノ満了ノ日ヨリ20日内ニ株式ノ種類及数ヲ記載シタル書面ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
7 第245条ノ2第2項、第245条ノ3第2項乃至第6項及第245条ノ4ノ規定ハ第5項ノ場合ニ之ヲ準用ス
8 存続スル会社ノ総株主ノ議決権ノ6分ノ1以上ヲ有スル株主ガ第5項ノ規定ニ依ル反対ノ意思ノ通知ヲ為シタルトキハ此ノ条ニ定メタル手続ニ依ル合併ハ之ヲ為スコトヲ得ズ
9 第1項本文ノ場合ニ於ケル存続スル会社ニ付テノ第408条ノ2第1項及第412条第1項ノ規定ノ適用ニ付テハ第408条ノ2第1項中「前条第1項ノ株主総会ノ会日ノ2週間前」トアリ及第408条ノ2第1項第3号中「前条第1項ノ株主総会ノ会日」トアルハ「第412条第1項又ハ第413条ノ3第4項ノ規定ニ依ル公告、催告又ハ通知ノ日中最初ノ日」ト、第412条第1項中「第408条第1項ノ承認ノ決議ノ日」トアルハ「合併契約書ヲ作リタル日」トス

第413条ノ4 合併ニ因リテ消滅スル会社ハ第409条第9号ニ掲グル事項ノ記載アル合併契約書ニ付第408条第1項ノ承認ノ決議ヲ為シタルトキハ其ノ旨並ニ一定ノ期間内ニ株券ヲ会社ニ提出スベキ旨及其ノ期間内ニ提出セラレザル株券ハ無効トナル旨ヲ公告シ且株主及株主名簿ニ記載又ハ記録アル質権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 第216条ノ規定ハ前項ニ規定スル決議ヲ為シタル場合ニ、第215条第3項及第4項ノ規定ハ其ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テ合併契約書ノ記載ニ依リ会社ニ提出スルコトヲ要セザルモノト為サレタル株券ニ之ヲ準用ス

第414条 会社ガ合併ヲ為シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ2週間、支店ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ合併後存続スル会社ニ付テハ変更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル会社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル会社ニ付テハ第188条ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス
2 合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立シタル会社ガ合併ニ因リテ新株予約権ニ係ル義務ヲ承継シタルトキハ前項ノ登記ト同時ニ新株予約権ノ登記ヲ為スコトヲ要ス

第414条ノ2 取締役ハ第412条ニ規定スル手続ノ経過、合併ノ日、合併ニ因リテ消滅シタル会社ヨリ承継シタル財産ノ価額及債務ノ額其ノ他ノ合併ニ関スル事項ヲ記載シタル書面ヲ作リ之ヲ合併ノ日ヨリ6月間本店ニ備置クコトヲ要ス
2 第281条第3項及第408条ノ2第3項ノ規定ハ前項ノ書面ニ之ヲ準用ス

第414条ノ3 合併後存続スル会社ノ取締役及監査役ニシテ合併前ニ就職シタルモノハ合併契約書ニ別段ノ定ノ記載アルトキヲ除クノ外合併後最初ニ到来スル決算期ニ関スル定時総会ノ終結ノ時ニ退任ス

第415条 会社ノ合併ノ無効ハ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ各会社ノ株主、取締役、監査役、清算人、破産管財人又ハ合併ヲ承認セザル債権者ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第88条、第105条、第106条、第108条乃至第111条及第249条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第416条 第96条、第97条、第98条第2項、第102条及第103条ノ規定ハ株式会社ニ之ヲ準用ス
2 第376条第3項ノ規定ハ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
3 第208条及第209条第3項第4項ノ規定ハ合併ニ因リテ消滅スル会社ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス
4 第350条第1項第3項及第350条ノ2ノ規定ハ第408条第5項及第6項ノ場合ニ之ヲ準用ス
5 第220条ノ7第6項ノ規定ハ第409条ノ2ノ規定ニ依リ合併後存続スル会社ガ自己ノ株式ヲ移転スル場合ニ之ヲ準用ス

第9節 清算

第1款 総則

第417条 会社ガ解散シタルトキハ合併及破産手続開始ノ決定ニ因ル解散ノ場合ヲ除クノ外取締役其ノ清算人ト為ル但シ定款ニ別段ノ定アルトキ又ハ株主総会ニ於テ他人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項ノ規定ニ依リテ清算人タル者ナキトキハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ依リ清算人ヲ選任ス
3 会社ガ解散シタルトキハ第222条第7項ノ定款ノ定(監査役ニ関スル部分ニ限ル)ハ之ヲ廃止シタルモノト看做ス

第418条 清算人ハ其ノ就職ノ日ヨリ2週間内ニ左ノ事項ヲ裁判所ニ届出ヅルコトヲ要ス
 1 解散ノ事由及其ノ年月日
 2 清算人ノ氏名及住所

第419条 清算人ハ就職ノ後遅滞ナク会社財産ノ現況ヲ調査シ財産目録及貸借対照表ヲ作リ之ヲ株主総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
2 第33条ノ2第1項ノ規定ハ前項ノ財産目録又ハ貸借対照表ニ之ヲ準用ス
3 清算人ハ第1項ノ承認ヲ得タル後遅滞ナク同項ノ財産目録及貸借対照表ヲ裁判所ニ提出スルコトヲ要ス但シ前項ノ場合ニ於テハ同項ニ於テ準用スル第33条ノ2第1項ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ記載シタル書面ヲ裁判所ニ提出スルコトヲ要ス

第420条 清算人ハ定時総会ノ会日ヨリ5週間前ニ貸借対照表及事務報告書ヲ、3週間前ニ其ノ附属明細書ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
2 第281条第3項ノ規定ハ前項ノ事務報告書又ハ附属明細書ノ作成ニ、第281条ノ2第3項及第4項ノ規定ハ前項ノ貸借対照表若ハ事務報告書又ハ附属明細書ノ提出ニ之ヲ準用ス
3 監査役ハ定時総会ノ会日ヨリ1週間前ニ第1項ニ掲グルモノニ関スル監査報告書ヲ清算人ニ提出スルコトヲ要ス
4 第281条第3項ノ規定ハ前項ノ監査報告書ノ作成ニ、第281条ノ2第3項及第4項ノ規定ハ前項ノ監査報告書ノ提出ニ之ヲ準用ス
5 清算人ハ定時総会ノ会日ノ1週間前ヨリ第1項ニ掲グルモノ及第3項ノ監査報告書ヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
6 第282条第2項ノ規定ハ前項ニ掲グルモノニ、同条第3項ノ規定ハ子会社ノ前項ニ掲グルモノ(子会社ガ有限会社ナルトキハ有限会社法第75条第1項ニ於テ準用スル前項ニ掲グルモノ)ニ之ヲ準用ス
7 清算人ハ貸借対照表及事務報告書ヲ定時総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス

第421条 清算人ハ其ノ就職ノ日ヨリ2月内ニ少クトモ3回債権者ニ対シ一定ノ期間内ニ其ノ債権ヲ申出ヅベキ旨ヲ官報ヲ以テ公告スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ期間ハ2月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 前項ノ公告ニハ債権者ガ期間内ニ申出ヲ為サザルトキハ清算ヨリ除斥セラルベキ旨ヲ附記スルコトヲ要ス

第422条 清算人ハ知レタル債権者ニハ各別ニ其ノ債権ノ申出ヲ催告スルコトヲ要ス
2 知レタル債権者ハ之ヲ清算ヨリ除斥スルコトヲ得ズ

第423条 清算人ハ第421条第1項ノ債権申出ノ期間内ハ債権者ニ対シテ弁済ヲ為スコトヲ得ズ但シ会社ハ之ガ為ニ遅延ニ因ル損害賠償ノ責任ヲ免ルルコトナシ
2 清算人ハ前項ノ規定ニ拘ラズ裁判所ノ許可ヲ得テ少額ノ債権及担保アル債権其ノ他之ヲ弁済スルモ他ノ債権者ヲ害スルノ虞ナキ債権ニ付弁済ヲ為スコトヲ得

第424条 清算ヨリ除斥セラレタル債権者ハ未ダ分配セザル残余財産ニ対シテノミ弁済ヲ請求スルコトヲ得
2 一部ノ株主ニ対シ既ニ分配ヲ為シタル場合ニ於テハ他ノ株主ニ対シ之ト同一ノ割合ヲ以テ分配ヲ為スニ要スル財産ハ之ヲ前項ノ残余財産ヨリ控除ス

第425条 残余財産ハ各株主ノ有スル株式ノ数ニ応ジテ之ヲ株主ニ分配スルコトヲ要ス但シ第222条第1項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ

第426条 清算人ハ裁判所ノ選任シタルモノヲ除クノ外何時ニテモ株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
2 重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主ノ請求ニ依リ清算人ヲ解任スルコトヲ得

第427条 清算事務ガ終リタルトキハ清算人ハ遅滞ナク決算報告書ヲ作リ之ヲ株主総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
2 第281条第3項ノ規定ハ決算報告書ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ承認アリタルトキハ会社ハ清算人ニ対シテ其ノ責任ヲ解除シタルモノト看做ス但シ清算人ニ不正ノ行為アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第428条 会社ノ設立ノ無効ハ其ノ成立ノ日ヨリ2年内ニ訴ヲ以テノミ之ヲ主張スルコトヲ得
2 前項ノ訴ハ株主、取締役又ハ監査役ニ限リ之ヲ提起スルコトヲ得
3 第136条第3項、第137条及第138条ノ規定ハ第1項ノ訴ニ之ヲ準用ス

第429条 会社ノ帳簿並ニ其ノ営業及清算ニ関スル重要ナル資料ハ本店ノ所在地ニ於テ清算結了ノ登記ヲ為シタル後10年間之ヲ保存スルコトヲ要ス其ノ保存者ハ清算人其ノ他ノ利害関係人ノ請求ニ依リ裁判所之ヲ選任ス

第430条 第116条、第122条乃至第125条、第129条第2項第3項、第131条及第134条ノ規定ハ株式会社ニ之ヲ準用ス
2 第231条、第232条ノ2、第237条、第237条ノ3、第238条、第244条第2項乃至第6項、第247条、第249条、第254条第3項、第254条ノ2、第254条ノ3、第258条乃至第261条、第263条、第265条、第266条第1項乃至第6項、第266条ノ2乃至第269条、第271条、第272条、第274条、第274条ノ2、第275条、第275条ノ2、第275条ノ4、第276条、第278条、第283条第4項第5項第7項、第293条ノ6及第293条ノ7ノ規定ハ清算人ニ之ヲ準用ス
3 第188条第2項第10号ノ規定ハ前項ニ於テ準用スル第283条第7項前段ノ決議アリタル場合ニ於ケル登記ニ之ヲ準用ス

第2款 特別清算

第431条 清算ノ遂行ニ著シキ支障ヲ来スベキ事情アリト認ムルトキハ裁判所ハ債権者、清算人、監査役若ハ株主ノ申立ニ依リ又ハ職権ヲ以テ会社ニ対シ特別清算ノ開始ヲ命ズルコトヲ得会社ニ債務超過ノ疑アリト認ムルトキ亦同ジ
2 会社ニ債務超過ノ疑アルトキハ清算人ハ前項ノ申立ヲ為スコトヲ要ス
3 第381条第2項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第432条 特別清算開始ノ申立又ハ通告アリタルトキハ裁判所ハ其ノ開始前ト雖モ前条第1項ニ掲グル者ノ申立ニ依リ又ハ職権ヲ以テ第454条第1項第1号、第2号又ハ第6号ノ処分ヲ為スコトヲ得

第433条 第382条乃至第385条ノ規定ハ特別清算ノ場合ニ之ヲ準用ス

第434条 特別清算ノ場合ニ於テハ清算人ハ会社、株主及債権者ニ対シ公平且誠実ニ清算事務ヲ処理スル義務ヲ負フ

第435条 重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ清算人ヲ解任スルコトヲ得
2 清算人ガ欠ケタルトキ又ハ其ノ増員ノ必要アルトキハ裁判所之ヲ選任ス

第436条 裁判所ハ何時ニテモ清算事務及財産ノ状況ノ報告ヲ命ジ其ノ他清算ノ監督上必要ナル調査ヲ為スコトヲ得

第437条 清算ノ監督上必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ第454条第1項第1号、第2号又ハ第6号ノ処分ヲ為スコトヲ得

第438条 会社ノ債務ハ其ノ債権額ノ割合ニ応ジテ之ヲ弁済スルコトヲ要ス
2 第423条第2項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第439条 清算ノ実行上必要アリト認ムルトキハ清算人ハ債権者集会ヲ招集スルコトヲ得
2 申出ヲ為シタル債権者其ノ他会社ニ知レタル債権者ノ総債権ノ10分ノ1以上ニ当ル債権ヲ有スル者ハ会議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ清算人ニ提出シテ債権者集会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
3 第237条第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
4 破産手続開始ノ決定アリタル場合ニ於テ別除権ヲ行使スルコトヲ得ベキ債権者ガ其ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコトヲ得ベキ債権額ハ第2項ノ債権額ニ之ヲ算入セズ

第440条 前条第4項ノ債権者ハ別除権ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコトヲ得ベキ債権額ニ付テハ債権者集会ニ於テ議決権ヲ行使スルコトヲ得ズ
2 債権者集会ノ招集ハ前項ノ債権者ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス
3 債権者集会又ハ其ノ招集者ハ第1項ノ債権者ノ出席ヲ求メテ其ノ意見ヲ徴スルコトヲ得

第441条 債権者集会ニ於テ議決権ヲ行使セシムベキヤ否ヤ及如何ナル金額ニ付之ヲ行使セシムベキヤハ各債権ニ付清算人之ヲ定ム
2 前項ノ定ニ付異議アルトキハ裁判所之ヲ定ム

第441条ノ2 債権者集会ノ決議ヲ要スル事項ヲ可決スルニハ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ出席債権者ノ過半数ニシテ其ノ出席債権者ノ総債権ノ2分ノ1ヲ超ユル債権ヲ有スル者ノ同意アルコトヲ要ス
2 債権者集会ノ決議ニ付特別ノ利害関係ヲ有スル者ハ其ノ議決権ヲ行使スルコトヲ得ズ

第442条 第232条第1項本文第3項、第239条第2項第4項、第243条、第244条第1項乃至第3項及第321条第2項ノ規定ハ債権者集会ニ之ヲ準用ス
2 第232条第1項本文及第3項ノ規定ハ第440条第2項ノ通知ニ之ヲ準用ス

第443条 清算人ハ会社ノ業務及財産ノ状況ノ調査書、財産目録並ニ貸借対照表ヲ債権者集会ニ提出シ且清算ノ実行ノ方針及見込ニ関シ意見ヲ述ブルコトヲ要ス

第444条 債権者集会ハ監査委員ヲ選任スルコトヲ得
2 監査委員ハ何時ニテモ債権者集会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
3 前2項ノ決議ハ裁判所ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス
4 第255条、第390条第1項及第403条第2項ノ規定ハ監査委員ニ之ヲ準用ス

第445条 清算人左ノ行為ヲ為スニハ監査委員ノ同意、若シ監査委員ナキトキハ債権者集会ノ決議アルコトヲ要ス但シ100万円以上ノ価額ヲ有スルモノニ関セザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
 1 会社財産ノ処分
 2 借財
 3 訴ノ提起
 4 和解及仲裁合意
 5 権利ノ抛棄
2 債権者集会ノ決議ヲ要スル場合ニ於テ急迫ナル事情アルトキハ清算人ハ裁判所ノ許可ヲ得テ前項ニ掲グル行為ヲ為スコトヲ得
3 清算人前2項ノ規定ニ違反シタルトキト雖モ会社ハ善意ノ第三者ニ対シテ其責ニ任ズ
4 第245条ノ規定ハ特別清算ノ場合ニハ之ヲ適用セズ

第446条 清算人ハ競売ニ依リテ財産ヲ換価スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ適用セズ

第447条 清算人ハ監査委員ノ意見ヲ聴キ債権者集会ニ対シテ協定ノ申出ヲ為スコトヲ得

第448条 協定ノ条件ハ各債権者ノ間ニ平等ナルコトヲ要ス但シ少額ノ債権ニ付別段ノ定ヲ為シ其ノ他債権者間ニ差等ヲ設クルモ衡平ヲ害セザル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
2 一般ノ先取特権其ノ他一般ノ優先権ハ前項ノ条件ヲ定ムルニ付之ヲ斟酌スルコトヲ要ス

第449条 協定案ノ作成ニ当リ必要アリト認ムルトキハ清算人ハ第439条第4項ノ債権者ノ参加ヲ求ムルコトヲ得

第450条 協定ヲ可決スルニハ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ出席債権者ノ過半数ニシテ議決権ヲ行使スルコトヲ得ベキ債権者ノ総債権ノ4分ノ3以上ニ当ル債権ヲ有スルモノノ同意アルコトヲ要ス
2 前項ノ決議ハ裁判所ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス
3 協定ハ前項ノ認可ノ決定ノ確定ニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ
4 協定ハ債権者ノ全員ノ為且其ノ全員ニ対シテ効力ヲ有ス
5 協定ハ債権者ガ会社ノ保証人其ノ他会社ト共ニ債務ヲ負担スル者ニ対シテ有スル権利及債権者ノ為ニ供シタル担保ニ影響ヲ及ボサズ

第451条 協定ノ実行上必要アルトキハ協定ノ条件ヲ変更スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前4条ノ規定ヲ準用ス

第452条 会社財産ノ状況ニ依リ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ清算人、監査役、監査委員、6月前ヨリ引続キ総株主ノ議決権ノ100分ノ3以上ヲ有スル株主若ハ申出ヲ為シタル債権者其ノ他会社ニ知レタル債権者ノ総債権ノ10分ノ1以上ニ当ル債権ヲ有スル者ノ申立ニ依リ又ハ職権ヲ以テ会社ノ業務及財産ノ検査ヲ命ズルコトヲ得
2 第388条、第390条及第439条第4項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第453条 検査役ハ調査ノ結果殊ニ左ノ事項ヲ裁判所ニ報告スルコトヲ要ス
 1 発起人、取締役、監査役又ハ清算人ニ第192条第1項第2項第4項、第192条ノ2、第193条第1項、第266条、第277条、第280条ノ13、第280条ノ13ノ2又ハ第430条第2項ノ規定ニ依リテ責ニ任ズベキ事実アルヤ否ヤ
 2 会社財産ノ保全処分ヲ為ス必要アルヤ否ヤ
 3 会社ノ損害賠償請求権ニ付発起人、取締役、監査役又ハ清算人ノ財産ニ対シ保全処分ヲ為ス必要アルヤ否ヤ

第454条 前条ノ報告ヲ受ケタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得
 1 会社財産ノ保全処分
 2 株主ノ名義書換ノ禁止
 3 発起人、取締役、監査役又ハ清算入ノ責任ノ免除ノ禁止
 4 発起人、取締役、監査役又ハ清算人ノ責任ノ免除ノ取消但シ特別清算ノ開始ヨリ1年前ニ為シタル免除ニ付テハ不正ノ目的ニ出デタルモノニ限ル
 5 発起人、取締役、監査役又ハ清算人ノ責任ニ基ク損害賠償請求権ノ査定
 6 前号ノ損害賠償請求権ニ付発起人、取締役、監査役又ハ清算人ノ財産ニ対シテ為ス保全処分
2 第387条第2項ノ規定ハ前項第1号又ハ第6号ノ処分アリタル場合ニ之ヲ準用ス
3 第394条乃至第396条ノ規定ハ第1項第5号ノ査定アリタル場合ニ之ヲ準用ス

第455条 特別清算開始ノ命令アリタル場合ニ於テ協定ノ見込ナキトキハ裁判所ハ職権ヲ以テ破産法ニ従ヒ破産手続開始ノ決定ヲ為スコトヲ要ス協定ノ実行ノ見込ナキトキ亦同ジ

第456条 第399条及第400条並ニ破産法第71条、第72条、第184条第2項乃至第4項及第185条第1項第2項ノ規定ハ特別清算ノ場合ニ之ヲ準用ス
2 破産法第77条及第87条第1項ノ規定ハ清算ニ之ヲ準用ス

第5章 電子公告調査機関

(電子公告調査)
第457条 この法律の規定による公告(第283条第4項の規定による公告を除く。以下この章において同じ。)を電子公告により行おうとする会社は、当該公告について第100条第6項(第147条において準用する場合を含む。)又は第166条ノ2第1項の規定により電子公告を行うべき期間中、当該公告の内容である情報が第166条第6項の状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下「調査機関」という。)に対し、調査(以下「電子公告調査」という。)を行うことを求めなければならない。

(登録)
第458条 前条の登録は、電子公告調査を行おうとする者の申請により行う。
2 前条の登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

(欠格事由)
第459条 次の各号のいずれかに該当する者は、第457条の登録を受けることができない。
 1 この章の規定若しくは有限会社法第88条第4項、公認会計士法(昭和23年法律第103号)第34条の22第6項、弁護士法(昭和24年法律第205号)第30条の27第6項及び第43条第2項、司法書士法(昭和25年法律第197号)第46条第7項、土地家屋調査士法(昭和25年法律第228号)第41条第7項、行政書士法(昭和26年法律第4号)第13条の21第6項、税理士法(昭和26年法律第237号)第48条の21第6項及び第49条の12第2項、社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)第25条の25第6項並びに弁理士法(平成12年法律第49号)第55条第6項(以下「有限会社法等関係規定」と総称する。)において準用する第471条第1項の規定又はこの章の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
 2 第470条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
 3 法人であって、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの

(登録基準)
第460条 法務大臣は、第458条第1項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。
 1 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、1の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。
  イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。
  ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。
  ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。
 2 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。
2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
 1 登録年月日及び登録番号
 2 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 3 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地

(登録の更新)
第461条 第457条の登録は、3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前3条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

(調査の義務等)
第462条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。
2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。
3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この章において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。
4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。

(電子公告調査を行うことができない場合)
第463条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する無限責任社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。以下この条において同じ。)が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。
 1 当該調査機関
 2 当該調査機関が株式会社又は有限会社である場合におけるその親会社
 3 役員又は職員(過去2年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の役員に占める割合が2分の1を超える法人
 4 役員又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する役員が含まれている法人

(事業所の変更の届出)
第464条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の2週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。

(業務規程)
第465条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。

(業務の休廃止)
第466条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。

(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第467条 調査機関は、毎事業年度経過後3月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに営業報告書又は事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第498条第3項第2号において「財務諸表等」という。)を作成し、5年間事業所に備えて置かなければならない。
2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号に掲げる請求をするには、調査機関の定めた費用を支払わなければならない。
 1 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
 2 前号の書面の謄本又は抄本の請求
 3 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
 4 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって法務省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

(適合命令)
第468条 法務大臣は、調査機関が第460条第1項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(改善命令)
第469条 法務大臣は、調査機関が第462条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(登録の取消し等)
第470条 法務大臣は、調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 1 第459条第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
 2 第463条(有限会社法等関係規定において準用する場合を含む。)から第466条まで、第467条第1項又は次条第1項(有限会社法等関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
 3 正当な理由がないのに第467条第2項各号又は次条第2項各号(有限会社法等関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。
 4 第468条又は前条(有限会社法等関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。
 5 不正の手段により第457条の登録を受けたとき。

(帳簿等の記載等)
第471条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、帳簿又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(次項及び第497条ノ3第2号において「帳簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該帳簿等を保存しなければならない。
2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第2項の規定により保存している帳簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。ただし、当該請求をするには、調査機関の定めた費用を支払わなければならない。
 1 帳簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求
 2 帳簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法であって法務省令で定めるものにより提供することの請求又は当該情報を記載した書面の交付の請求

(帳簿等の引継ぎ)
第472条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第470条の規定により第457条の登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第1項(有限会社法等関係規定において準用する場合を含む。)の帳簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。
2 前項の規定により同項の帳簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その帳簿等を保存しなければならない。

(法務大臣による電子公告調査の業務の実施)
第473条 法務大臣は、第457条の登録を受ける者がいないとき、第466条の規定による電子公告調査の業務の全部若しくは一部の休止若しくは廃止の届出があったとき、第470条の規定により第457条の登録を取り消し、若しくは調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由により電子公告調査の業務の全部若しくは一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。
3 第458条第2項の規定は、第1項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を受けようとする者について準用する。

(報告及び検査)
第474条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(公示)
第475条 法務大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
 1 第457条の登録をしたとき。
 2 第461条第1項の規定により第457条の登録が効力を失ったことを確認したとき。
 3 第464条又は第466条の届出があったとき。
 4 第470条の規定により第457条の登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の停止を命じたとき。

第476条から第478条まで 削除

第6章 外国会社

第479条 外国会社ガ日本ニ於テ取引ヲ継続シテ為サントスルトキハ日本ニ於ケル代表者ヲ定メ其ノ会社ニ付登記及公告ヲ為スコトヲ要ス
2 前項ノ外国会社ノ登記ハ本条ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外日本ニ成立スル同種ノ又ハ最モ之ニ類似スル会社ノ支店ノ登記及公告ノ規定ニ従フ此ノ場合ニ於テ外国会社ガ日本ニ営業所ヲ設ケザルトキハ日本ニ於ケル代表者ノ住所地ヲ以テ営業所又ハ支店ノ所在地ト、日本ニ於ケル代表者ヲ以テ支店ト、外国会社ガ日本ニ営業所ヲ設ケタルトキハ其ノ営業所ヲ以テ支店ト看做ス
3 第1項ノ外国会社ノ登記ニ在リテハ会社設立ノ準拠法並ニ日本ニ於ケル代表者ノ氏名及住所ヲモ登記スルコトヲ要ス第483条ノ2第1項ノ規定ニ依ル公告ヲ為ス方法亦同ジ
4 第78条ノ規定ハ外国会社ノ日本ニ於ケル代表者ニ之ヲ準用ス
5 外国会社ガ初メテ日本ニ於ケル代表者ヲ定メタル場合ニ於テ為スベキ登記ハ其ノ定ヲ為シタル日ヨリ3週間内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
6 日本ニ営業所ヲ設ケザル外国会社ガ其ノ登記後日本ニ営業所ヲ設ケタルトキハ日本ニ於ケル代表者ノ住所地ニ於テハ3週間内ニ営業所ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ営業所ノ所在地ニ於テハ4週間内ニ第2項及第3項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ヲ登記スルコトヲ要ス但シ日本ニ於ケル代表者ノ住所地ヲ管轄スル登記所ノ管轄区域内ニ於テ営業所ヲ設ケタルトキハ営業所ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
7 日本ニ営業所ヲ設ケタル外国会社ガ其ノ登記後全テノ営業所ヲ閉鎖シタル場合ニ於テハ其ノ外国会社ノ全テノ日本ニ於ケル代表者ガ退任セントスルトキヲ除クノ外営業所ノ所在地ニ於テハ3週間内ニ営業所ヲ閉鎖シタルコトヲ登記シ日本ニ於ケル代表者ノ住所地ニ於テハ4週間内ニ第2項及第3項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ヲ登記スルコトヲ要ス但シ営業所ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄区域内ニ日本ニ於ケル代表者ノ住所地ガ在ルトキハ営業所ヲ閉鎖シタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
8 第2項及第3項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ガ外国ニ於テ生ジタルトキハ登記ノ期間ハ其ノ通知ノ到達シタル時ヨリ之ヲ起算ス

第480条 第19条及第20条第2項ノ規定ハ日本ニ営業所ヲ設ケザル外国会社ノ登記シタル商号ニハ之ヲ適用セズ

第481条 外国会社ハ第479条ニ定ムル登記ヲ為ス迄ハ日本ニ於テ取引ヲ継続シテ為スコトヲ得ズ
2 前項ノ規定ニ違反シテ取引ヲ為シタル者ハ其ノ取引ニ付会社ト連帯シテ其ノ責ニ任ズ

第482条 日本ニ本店ヲ設ケ又ハ日本ニ於テ営業ヲ為スヲ以テ主タル目的トスル会社ハ外国ニ於テ設立スルモノト雖モ日本ニ於テ設立スル会社ト同一ノ規定ニ従フコトヲ要ス

第483条 削除

第483条ノ2 第479条第1項ノ登記ヲ為シタル外国会社ニシテ日本ニ成立スル同種ノ又ハ最モ之ニ類似スル会社ガ株式会社ナルモノノ日本ニ於ケル代表者ハ貸借対照表ノ定時総会ニ依ル承認ト同種ノ又ハ之ニ類似スル手続アリタル後遅滞ナク其ノ貸借対照表ト同種ノ若ハ之ニ類似スルモノヲ日本ニ於テ公告スルコトヲ要ス但シ官報又ハ時事ニ関スル事項ヲ掲載スル日刊新聞紙ニ掲ゲテ公告スル場合ニ於テハ其ノ要旨ヲ公告スルコトヲ得
2 第166条第5項第6項、第166条ノ2第1項第2項(第1項第1号乃至第3号、第5号及第6号ヲ除ク)及第283条第7項ノ規定ハ前項ノ公告ニ、第188条第2項第10号ノ規定ハ本項ニ於テ準用スル第283条第7項前段ノ決議アリタル場合ニ於ケル登記ニ之ヲ準用ス

第483条ノ3 第479条第1項ノ登記ヲ為シタル外国会社ハ其ノ全テノ日本ニ於ケル代表者ガ退任セントスルトキハ其ノ外国会社ノ債権者ニ対シ其ノ退任ニ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ官報ヲ以テ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ其ノ期間ハ1月ヲ下ルコトヲ得ズ
2 第100条第2項及第3項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ退任ハ前2項ノ手続ノ終了シタル後ニ其ノ登記ヲ為スニ因リテ其ノ効力ヲ生ズ

第484条 裁判所ハ左ノ場合ニ於テハ法務大臣又ハ株主、債権者其ノ他ノ利害関係人ノ請求ニ依リ外国会社ガ日本ニ於テ取引ヲ継続シテ為スコトヲ止ムベキコト及其ノ営業所ノ閉鎖ヲ命ズルコトヲ得
 1 営業ガ不法ノ目的ヲ以テ為サレタルトキ
 2 正当ノ事由ナクシテ第479条第4項ノ登記ヲ為シタル後1年内ニ営業ヲ開始セズ若ハ1年以上営業ヲ休止シタルトキ又ハ正当ノ事由ナクシテ支払ヲ停止シタルトキ
 3 外国会社ノ日本ニ於ケル代表者其ノ他業務ヲ執行スル者ガ法務大臣ヨリ書面ニ依ル警告ヲ受ケタルニ拘ラズ法令ニ定ムル会社ノ権限ヲ踰越シ若ハ濫用スル行為又ハ刑罰法令ニ違反スル行為ヲ継続又ハ反覆シタルトキ
2 第58条第2項及第59条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第485条 前条第1項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ利害関係人ノ申立ニ依リ又ハ職権ヲ以テ日本ニ在ル会社財産ノ全部ニ付清算ノ開始ヲ命ズルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ清算人ハ裁判所之ヲ選任ス
2 第421条乃至第424条及第430条乃至第456条ノ規定ハ其ノ性質ノ許サザルモノヲ除クノ外前項ノ清算ニ之ヲ準用ス
3 前2項ノ規定ハ外国会社ガ日本ニ於テ取引ヲ継続シテ為スコトヲ止メタル場合ニ之ヲ準用ス
4 外国会社ガ第1項(前項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ清算ノ開始ヲ命ゼラレタル場合ニ於ケル其ノ外国会社ノ全テノ日本ニ於ケル代表者ノ退任ニ付テハ第483条ノ3ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第485条ノ2 外国会社ハ他ノ法律ノ適用ニ付テハ日本ニ成立スル同種ノ又ハ最モ之ニ類似スル会社ト看做ス但シ法律ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第7章 罰則

第486条 発起人、取締役、監査役又ハ株式会社ノ第188条第4項、第258条第2項若ハ第280条第1項ノ職務代行者若ハ支配人其ノ他営業ニ関スル或種類若ハ特定ノ事項ノ委任ヲ受ケタル使用人自己若ハ第三者ヲ利シ又ハ会社ヲ害センコトヲ図リテ其ノ任務ニ背キ会社ニ財産上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ10年以下ノ懲役又ハ1000万円以下ノ罰金ニ処ス
2 整理委員、監督員、第398条第1項ノ管理人又ハ株式会社ノ清算人若ハ第430条ノ職務代行者前項ニ掲グル行為ヲ為シタルトキ亦前項ニ同ジ

第487条 社債権者集会ノ代表者又ハ其ノ決議ヲ執行スル者自己若ハ第三者ヲ利シ又ハ社債権者ヲ害センコトヲ図リテ其ノ任務ニ背キ社債権者ニ財産上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス

第488条 前2条ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス

第489条 第486条第1項ニ掲グル者又ハ検査役ハ左ノ場合ニ於テハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス
 1 会社ノ設置ニ際シテ発行スル株式ノ総数ノ引受、払込若ハ現物出資ノ給付ニ付又ハ第168条第1項若ハ第280条ノ2第1項第3号ニ掲グル事項ニ付裁判所又ハ総会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
 2 何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ会社ノ計算ニ於テ不正ニ其ノ株式ヲ取得シタルトキ
 3 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ利益若ハ利息ノ配当又ハ第293条ノ5第1項ノ金銭ノ分配ヲ為シタルトキ
 4 会社ノ営業ノ範囲外ニ於テ投機取引ノ為ニ会社財産ヲ処分シタルトキ

第490条 第486条第1項ニ掲グル者、外国会社ノ代表者又ハ株式、新株予約権若ハ社債ノ募集ノ委託ヲ受ケタル者株式、新株予約権又ハ社債ノ募集ニ当リ株式申込証、新株予約権申込証、社債申込証若ハ新株予約権付社債申込証ノ用紙、目論見書、株式、新株予約権若ハ社債ノ募集ノ広告其ノ他株式、新株予約権若ハ社債ノ募集ニ関スル文書ニシテ重要ナル事項ニ付不実ノ記載アルモノヲ行使シ又ハ此等ノ書類ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ニシテ重要ナル事項ニ付不実ノ記録アルモノヲ其ノ募集ノ事務ノ用ニ供シタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス
2 株式、新株予約権又ハ社債ノ売出ヲ為ス者其ノ売出ニ関スル文書ニシテ重要ナル事項ニ付不実ノ記載アルモノヲ行使シ又ハ其ノ文書ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ニシテ重要ナル事項ニ付不実ノ記録アルモノヲ其ノ売出ノ事務ノ用ニ供シタルトキ亦前項ニ同ジ

第491条 第486条第1項ニ掲グル者払込ヲ仮装スル為預合ヲ為シタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス預合ニ応ジタル者亦同ジ

第492条 前6条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得

第492条ノ2 発起人、取締役又ハ株式会社ノ第188条第4項ノ取締役ノ職務代行者若ハ第258条第2項ノ職務代行者ガ会社ガ発行スル株式ノ総数ヲ超エテ株式ヲ発行シタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス

第493条 第486条若ハ第487条ニ掲グル者、検査役又ハ監査委員其ノ職務ニ関シ不正ノ請託ヲ受ケ財産上ノ利益ヲ収受シ、要求シ又ハ約束シタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス
2 前項ノ利益ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者ハ3年以下ノ懲役又ハ300万円以下ノ罰金ニ処ス

第494条 左ニ掲グル事項ニ関シ不正ノ請託ヲ受ケ財産上ノ利益ヲ収受シ、要求シ又ハ約束シタル者ハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス
 1 創立総会、株主総会、社債権者集会又ハ債権者集会ニ於ケル発言又ハ議決権ノ行使
 2 第4章ニ定ムル訴ノ提起、第268条第2項(第280条ノ11第2項(第211条第3項、第280条ノ39第4項及第341条ノ15第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及第295条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ定ムル訴訟参加又ハ総株主ノ議決権ノ100分ノ1、100分ノ3若ハ10分ノ1以上ヲ有スル株主、300個以上ノ議決権ヲ有スル株主若ハ社債総額ノ10分ノ1以上ニ当ル社債権者ノ権利ノ行使
 3 第272条、第280条ノ10(第211条第3項、第280条ノ39第4項及第341条ノ15第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第381条第1項、第431条第1項、第439条第2項第3項及第452条第1項ニ定ムル権利ノ行使
2 前項ノ利益ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者亦前項ニ同ジ

第495条 第493条第1項又ハ前条第1項ノ場合ニ於テ犯人ノ収受シタル利益ハ之ヲ没収ス其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス

第496条 払込ノ責任ヲ免ルル目的ヲ以テ他人又ハ仮設人ノ名義ヲ用ヒテ株式ヲ引受ケタル者ハ1年以下ノ懲役又ハ100万円以下ノ罰金ニ処ス

第497条 取締役、監査役又ハ株式会社ノ第188条第4項、第258条第2項若ハ第280条第1項ノ職務代行者若ハ支配人其ノ他ノ使用人株主ノ権利ノ行使ニ関シ会社又ハ其ノ子会社ノ計算ニ於テ財産上ノ利益ヲ人ニ供与シタルトキハ3年以下ノ懲役又ハ300万円以下ノ罰金ニ処ス
2 情ヲ知リテ前項ノ利益ノ供与ヲ受ケ又ハ第三者ニ之ヲ供与セシメタル者亦前項ニ同ジ
3 株主ノ権利ノ行使ニ関シ会社又ハ其ノ子会社ノ計算ニ於テ第1項ノ利益ヲ自己又ハ第三者ニ供与スルコトヲ同項ニ掲グル者ニ要求シタル者亦同項ニ同ジ
4 前2項ノ罪ヲ犯シタル者其ノ実行ニ付第1項ニ掲グル者ニ対シ威迫ノ行為アリタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ500万円以下ノ罰金ニ処ス
5 前3項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得

第497条ノ2 第470条ノ規定ニ依ル電子公告調査ノ業務ノ停止ノ命令ニ違反シタル者ハ1年以下ノ懲役若ハ100万円以下ノ罰金ニ処シ又ハ之ヲ併科ス

第497条ノ3 左ノ各号ノ1ニ該当スル者ハ30万円以下ノ罰金ニ処ス
 1 第466条ノ規定ニ依ル届出ヲ為サズ又ハ不実ノ届出ヲ為シタル者
 2 第471条第1項ノ規定ニ違反シテ帳簿等ニ同項ニ規定スル電子公告調査ニ関シ法務省令ニ定ムルモノヲ記載若ハ記録セズ若ハ不実ノ記載若ハ記録ヲ為シ又ハ同項若ハ第472条第2項ノ規定ニ違反シテ帳簿等ヲ保存セザル者
 3 第474条第1項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ若ハ不実ノ報告ヲ為シ又ハ同項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者

第497条ノ4 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前2条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ各本条ノ罰金刑ヲ科ス

第498条 発起人、会社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、外国会社ノ代表者、監査役、検査役、清算人、整理委員、監督員、第398条第1項ノ管理人、監査委員、名義書換代理人、社債管理会社、事務ヲ承継スベキ社債管理会社、社債権者集会ノ代表者、其ノ決議ヲ執行スル者、合名会社ノ第67条ノ2ノ業務代行者若ハ第123条第3項ノ職務代行者、合資会社ノ第147条ノ業務代行者若ハ職務代行者、株式会社ノ第188条第4項、第258条第2項、第280条第1項若ハ第430条ノ職務代行者又ハ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ100万円以下ノ過料ニ処ス但シ其ノ行為ニ付刑ヲ科スベキトキハ此ノ限ニ在ラズ
 1 本編ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
 2 本編ニ定ムル公告若ハ通知ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告若ハ通知ヲ為シタルトキ
 2ノ2 本編ニ定ムル開示ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
 3 本編ノ規定ニ違反シ正当ノ事由ナクシテ書類若ハ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧若ハ謄写又ハ書類ノ謄本若ハ抄本ノ交付、電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコト若ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付若ハ株主名簿ニ記載若ハ記録セラレタル事項ヲ証明シタル書面ノ交付ヲ拒ミタルトキ
 4 本編ニ定ムル検査又ハ調査ヲ妨ゲタルトキ
 5 官庁、総会、社債権者集会又ハ債権者集会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
 6 第100条、第117条第3項、第374条ノ4、第374条ノ20、第376条第1項第2項、第412条又ハ第483条ノ3第1項第2項ノ規定ニ違反シテ合併、会社財産ノ処分、会社ノ分割、資本ノ減少又ハ外国会社ノ全テノ日本ニ於ケル代表者ノ退任ヲ為シタルトキ
 7 第124条第3項若ハ第430条第1項ノ規定ニ違反シテ破産手続開始ノ申立ヲ為スコトヲ怠リ又ハ第431条第2項ノ規定ニ違反シテ特別清算開始ノ申立ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
 8 第131条又ハ第430条第1項ノ規定ニ違反シテ会社財産ヲ分配シタルトキ
 9 第175条第2項、第280条ノ6第1項(第211条第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第280条ノ6ノ2、第280条ノ28第2項、第301条第2項又ハ第341条ノ6第2項ノ規定ニ違反シテ株式申込証ノ用紙、新株引受権証書若ハ新株予約権申込証、社債申込証若ハ新株予約権付社債申込証ノ用紙(此等ノ書類ノ作成ニ代ヘテ作ルベキ電磁的記録ヲ含ム)ヲ作ラズ、之ニ記載若ハ記録スベキ事項ヲ記載若ハ記録セズ又ハ不実ノ記載若ハ記録ヲ為シタルトキ
 10 第175条第4項(第211条第3項及第280条ノ14ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シテ書面ヲ交付セズ、其ノ書面又ハ第175条第6項ノ電磁的方法ガ行ハルル場合ニ於ケル其ノ方法ニ依リ作ラルル電磁的記録ニ記載若ハ記録スベキ事項ヲ記載若ハ記録セズ又ハ不実ノ記載若ハ記録ヲ為シタルトキ
 11 正当ノ事由ナクシテ株主名簿ノ名義書換ヲ為サザルトキ
 11ノ2 第210条第7項ノ規定ニ依ル請求アリタル場合ニ於テ其ノ請求ニ係ル事項ヲ議案ト為サザルトキ
 12 第211条ノ2第2項又ハ第212条第2項ノ規定ニ違反シテ株式ノ処分又ハ株式失効ノ手続ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
 12ノ2 第211条ノ2第1項ノ規定ニ違反シテ株式ヲ取得シタルトキ
 13 第212条第1項又ハ第213条第1項ノ規定ニ違反シテ株式ノ消却ヲ為シタルトキ
 13ノ2 第224条ノ4又ハ第224条ノ5第1項第3項(此等ノ規定ヲ第224条ノ6ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シテ株式又ハ端株ノ競売又ハ売却ヲ為シタルトキ
 14 株券、新株予約権証券又ハ債券ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不実ノ記載ヲ為シタルトキ
 15 第226条第2項ノ規定ニ違反シテ株券ヲ発行シタルトキ
 16 第226条ノ2第2項ノ規定ニ違反シテ株主名簿ニ記載又ハ記録ヲ為サザルトキ
 16ノ2 第230条ノ4第6項、第230条ノ5第5項若ハ第6項又ハ第230条ノ7第2項(同条第4項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シテ株券喪失登録ヲ抹消セザルトキ
 16ノ3 第230条ノ8第1項ノ規定ニ違反シテ株主名簿ノ名義書換ヲ為シタルトキ
 16ノ4 第230条ノ8第3項ノ規定ニ違反シテ同項各号ニ定ムル行為ヲ為シ又ハ同条第6項ニ於テ準用スル同条第3項(第4号乃至第6号ヲ除ク)ノ規定ニ違反シテ同条第6項ニ於テ準用スル同条第3項第1号乃至第3号ニ定ムル行為ヲ為シタルトキ
 16ノ5 第232条ノ2第1項又ハ第430条第2項ノ規定ニ依ル請求アリタル場合ニ於テ其ノ請求ニ係ル事項ヲ会議ノ目的ト為サザルトキ
 17 第234条ノ規定又ハ第237条ノ2第3項(第294条第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シテ株主総会ヲ招集セズ又ハ定款ニ定メタル地以外ノ地ニ於テ若ハ第233条ノ規定ニ違反シテ株主総会ヲ招集シタルトキ
 17ノ2 正当ノ事由ナクシテ株主総会又ハ創立総会ニ於テ株主又ハ株式引受人ノ求メタル事項ニ付説明ヲ為サザルトキ
 18 法律又ハ定款ニ定メタル取締役又ハ監査役ノ員数ヲ欠クニ至リタル場合ニ於テ其ノ選任手続ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
 19 定款、株主名簿若ハ其ノ複本(其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)、端株原簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿若ハ其ノ複本(其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)、議事録、財産目録、貸借対照表、営業報告書、事務報告書、損益計算書、利益ノ処分又ハ損失ノ処理ニ関スル議案、決算報告書、会計帳簿、第281条第1項若ハ第420条第1項ノ附属明細書、監査報告書、第354条第1項第2号、第360条第1項(第371条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第366条第1項第2号、第374条ノ2第1項第2号若ハ第3号、第374条ノ11第1項(第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第374条ノ18第1項第2号若ハ第3号、第408条ノ2第1項第2号若ハ第414条ノ2第1項ノ書面又ハ第443条ノ調査書ニ記載若ハ記録スベキ事項ヲ記載若ハ記録セズ又ハ不実ノ記載若ハ記録ヲ為シタルトキ
 20 第239条第6項(第239条ノ2第8項及第239条ノ3第7項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第244条第5項、第260条ノ4第5項、第263条第1項、第282条第1項、第339条第5項、第354条第1項、第360条第1項(第371条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第366条第1項、第374条ノ2第1項、第374条ノ11第1項(第374条ノ31第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第374条ノ18第1項、第408条ノ2第1項、第414条ノ2第1項、第420条第5項又ハ第430条第2項ノ規定ニ違反シテ帳簿又ハ書類若ハ電磁的記録ヲ備置カザルトキ
 20ノ2 第264条第2項、第265条第3項又ハ第430条第2項ノ規定ニ違反シテ取締役会又ハ清算人会ニ報告セズ又ハ不実ノ報告ヲ為シタルトキ
 20ノ3 第283条第7項前段(第430条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下此ノ号ニ於テ同ジ)ノ決議アリタル場合ニ於テ第283条第7項前段ニ規定スル措置ヲ執ラザリシトキ
 21 第288条、第288条ノ2又ハ第289条ノ規定ニ違反シテ資本準備金又ハ利益準備金ヲ積立テズ又ハ之ヲ使用シタルトキ
 22 第297条ノ規定ニ違反シテ社債ヲ募集シ又ハ第314条第1項ノ規定ニ違反シテ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ヲ定メザリシトキ
 23 第306条第1項ノ規定ニ違反シテ債券ヲ発行シタルトキ
 24 第386条、第432条、第437条又ハ第454条第1項ノ規定ニ依ル裁判所ノ財産保全ノ処分ニ違反シタルトキ
 25 裁判所ノ選任シタル管理人又ハ清算人ニ事務ノ引渡ヲ為サザルトキ
 26 清算ノ結了ヲ遅延セシムル目的ヲ以テ第117条第3項又ハ第421条第1項ノ期間ヲ不当ニ定メタルトキ
 27 第423条又ハ第438条ノ規定ニ違反シテ債務ノ弁済ヲ為シタルトキ
 28 第445条第1項又ハ第2項ノ規定ニ違反シタルトキ
 28ノ2 第457条ノ規定ニ違反シテ電子公告調査ヲ求メザリシトキ
 29 第484条第1項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シタルトキ
2 発起人若ハ取締役ガ株式ノ引受ニ因ル権利ヲ譲渡シタルトキ又ハ有限会社法第77条第1項若ハ第2項ニ掲グル者ガ本編ノ規定ニ違反シ正当ノ事由ナクシテ書類若ハ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ内容ヲ法務省令ニ定ムル方法ニ依リ表示シタルモノノ閲覧若ハ謄写若ハ書類ノ謄本若ハ抄本ノ交付若ハ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ヲ電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ提供スルコト若ハ其ノ情報ノ内容ヲ記載シタル書面ノ交付ヲ拒ミタルトキ、本編ニ定ムル調査ヲ妨ゲタルトキ若ハ第211条ノ2第1項若ハ第2項ノ規定ニ違反シテ株式ヲ取得シ若ハ株式ノ処分ヲ為スコトヲ怠リタルトキ亦前項ニ同ジ
3 左ノ各号ノ1ニ該当スル者ハ20万円以下ノ過料ニ処ス
 1 第462条第3項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ不実ノ報告ヲ為シタル者
 2 第467条第1項ノ規定ニ違反シテ財務諸表等ヲ備置カズ、又ハ財務諸表等ニ記載若ハ記録スベキ事項ヲ記載若ハ記録セズ若ハ不実ノ記載若ハ記録ヲ為シタル者
 3 正当ノ理由ナクシテ第467条第2項各号又ハ第471条第2項各号ノ規定ニ依ル請求ヲ拒ミタル者

第498条ノ2 会社ノ成立前会社名義ヲ以テ営業ヲ為シタル者ハ会社設立ノ登録免許税額ニ相当スル過料ニ処ス

第498条ノ3 前条ノ規定ハ第481条第1項ノ規定ニ違反シテ行為ヲ為シタル者ニ之ヲ準用ス

第499条 第486条、第487条、第489条乃至第491条又ハ第493条第1項ニ掲グル者ガ法人ナルトキハ本章ノ罰則ハ其ノ行為ヲ為シタル取締役、執行役其ノ他業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ニ之ヲ適用ス

第500条 削除

平井利明のメモ

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