平成10年09月10日最高裁判所判決(共同不法行為と債務免除)
平成9(オ)448損害賠償
平成10年09月10日最高裁判所第一小法廷判決
第52巻6号1494頁
原審
名古屋高等裁判所平成8年11月20日判決
判示事項
一 共同不法行為者の一人と被害者との間で成立した訴訟上の和解における債務の免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及ぶ場合
二 共同不法行為者の一人と被害者との間で成立した訴訟上の和解における債務の免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及ぶ場合における求償金額の算定
裁判要旨
一 甲と乙が共同の不法行為により丙に損害を加えたが、甲と丙との間で成立した訴訟上の和解により、甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに、丙が甲に対し残債務を免除した場合において、丙が右訴訟上の和解に際し乙の残債務をも免除する意思を有していると認められるときは、乙に対しても残債務の免除の効力が及ぶ。
二 共同不法行為者の一人甲と被害者丙との間で成立した訴訟上の和解により、甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに、丙が甲に対し残債務を免除した場合において、他の共同不法行為者乙に対しても残債務の免除の効力が及ぶときは、甲の乙に対する求償金額は、確定した損害額である右訴訟上の和解における甲の支払額を基準とし、双方の責任割合に従いその負担部分を定めて、これを算定すべきである。
参照法条 民法437条,民法442条,民法719条
判決文(裁判所サイト)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/F1C9BFCE7172645B49256A8500311D7B.pdf
| 固定リンク
「裁判例」カテゴリの記事
- 令和2年10月13日最高裁判所第三小法廷判決(契約社員による退職金等請求関連)(2020.10.13)
- 最高裁判所令和2年10月13日判決(アルバイト職員との関係の事案で賞与等を支給しないことは労働契約法に違反しないとした例)(2020.10.13)
- 訴訟救助関係のメモ(2020.10.09)
- 平成30年2月15日最高裁判所第一小法廷判決(法令遵守体制等関連)(2018.02.15)
- 平成30年2月23日最高裁判所第二小法廷判決(抵当権の消滅時効関連)(2018.02.23)