大野町事件について検察側控訴断念
「福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死罪などに問われた加藤克彦医師(40)に無罪を言い渡した福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴を断念すると発表した。」と報じられている。
(2008年8月30日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080830-OYT8T00217.htm
当然の結論である。
そもそも無謀な逮捕及び起訴であったことは自明である。
報道されている当時の捜査機関の談話の内容から考えると,自白の強要を目的とした逮捕といわざるを得ないのであり全く馬鹿げたものである。
この捜査機関の暴走が,昨今みられる医療の崩壊の一因となっていることはもはや公知の事実とも言える。
捜査機関はどのような責任をとるというのだろうか。
なお,
保岡法務大臣が
「医療事故の真相究明については、第三者機関が専門的な判断を下すようにし、刑事訴追は謙抑的に対応するべきだ。私のこの考えなどもあり、検察や警察では謙抑的な対応が事実上始まると思う」
との談話を発表したと報じられている。
(2008年8月30日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080830-OYT8T00218.htm?from=nwlb
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