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2009.10.11

「計算とは何か」新井紀子・新井敏康著

「計算とは何か」
新井紀子・新井敏康著
上野健爾・新井紀子監修

2009年10月25日第1刷発行 東京図書

文系人間として,特に先入観を持たずに読み始めた。
私にとっては,昔々(笑)チャレンジしたことがあったなあというかすかな記憶しか残っていない,多くの数式等との遭遇。
かつて,数学等理系分野に挫折した者にとっては忌まわしき思い出との出会いの場ともなったことは事実である。
文中に示されている,殆どの数式は私にとっては理解不能であったことが現実だが,それでもたしかこの数式はこのようなときに必要なものであって,こんな考え方だったよねなんて考えながら読み進めていくと(シグマ,三角関数,微積分等々),最後までたどり着くことことは出来た(わからない計算式は,わからないものとして対応させていただいて・・笑)。
全体を通じて,昔からおぼろげながらにでも感じていた数学の概念の関連性やその生い立ちを鳥瞰するものとして興味深いものであった。
また,「数」(実数)の世界について殆ど知識が無く,現在にいたっては殆ど解明されているのだろうと誤解していたのだが,実は,実数の大半は無理数であり,それらの大半は,表現も出来ず,大小さえもわからないものだそうで,数学の世界の奥深さにも知ることが出来た。
更に,数学には「虚数」の世界もあったよね,なんて考えると,この世に人類が誕生してから累々と続く,物事を理解し,簡便化し,そしてより良き生活につなげようとする努力の中で生まれてくる思考の世界の素晴らしさ凄さを改めて思わずにはいられない。
数年前に,量子力学の概要書に触れたのだが,それまでの物理学の理屈(これも理解は出来ていないのだが,笑)が通用しない中での物理の世界の話に大きく感動させられたが,数学もそのような混沌としたものであることは新鮮であった。

読み終わって「刊行にあたって」を読ませていただいた。
本書は,算数や数学の地図とし数学の各単元が地図の中でどのような役割を果たしているのかを示すことを企図して刊行されたことが触れられているが,まさにそのような役割を十分果たしている本だと思う。

平井利明のメモ

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